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戦後「鉄・銅」併産の国内最大規模の鉱山として名を馳せた、岩手県が誇る釜石鉱山。大規模な採掘は1993年に終了し、現在は「仙人秘水」ブランドで知られる鉱泉水を利用したミネラルウォーターの製造販売を主力事業としている。また、坑道内の湧水を活用した水力発電も行っている。
釜石鉱山は最盛期は総延長約1,000kmもの坑道が張り巡らされていた。現在不定期ながらも一般にも公開しているのは、550mL坑道(海抜550m坑道)のうち坑口から仙人秘水採水場までの約3km。かつてはバッテリーロコ牽引のトロッコが運行されていたが、メンテナンス難等により2019年に廃止し、2021年10月より同区間をヤマハ発動機製の電磁誘導カート(ランドカー)が運行されている。電磁誘導による自動運転カートを坑道に採用したのは日本で初である。
一方、350mL坑道(海抜350m坑道)ではバッテリーロコ牽引のトロッコが現役で運行されている。また、そのトロッコの軌道の現役区間(全長約2.5km)の終端部では、スロープカー「地底銀河鉄道はまゆり」が接続している。これらは海抜250m地点にある、坑内の湧水を活用した水力発電所「大橋地下発電所」へのアクセス用として使用されている。バッテリーロコが鉱山で観光用ではなく業務用として運行を継続している例は日本国内でも非常に珍しい。さらに、スロープカーが設置されている鉱山は、釜石鉱山が世界唯一である。
※バッテリーロコ牽引のトロッコ及びスロープカーは業務用(関係者専用)であり、一般公開は行われていないが、今回は釜石鉱山株式会社及び株式会社嘉穂製作所の全面ご協力のもと、特別に取材させて頂いた。この場を借りて心から感謝申し上げる。
釜石鉱山株式会社 公式サイト:https://www.sennin-hisui.com/
ミネラルウォーター「仙人秘水」
釜石鉱山株式会社が1989年より発売開始。大峰山(標高1,147m)の地下600mから湧き出た水を原水とし、非加熱処理のものとしては日本で初めて認可された天然弱アルカリ性の軟水である。加熱処理や殺菌等の人的処理を一切加えずにボトリングしていることが美味しさの秘訣。当サイト管理人も愛用している。
2023年7月製造分よりラベルデザインが一新された(写真は新ラベルのもの。左が500mlボトル、右が1,100mlボトル)。
※写真提供 釜石鉱山株式会社
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