1974年にソウル地下鉄公社(現 ソウルメトロ)1号線開通にあわせて導入された1000系初期抵抗車(日立製作所製)は2000年をもって全車引退したが、トップナンバーの1001F、6両が現在も2号線新亭基地に保存されている。将来的には「地下鉄博物館」を建設し、そこに保存する模様だ。 初期抵抗車とはソウル地下鉄1号線系統(地下鉄1号線、京釜電鉄線、京仁線、京元線)で活躍した韓国最初の電動車で、同時期に鉄道庁(現:韓国鉄道公社)にも同一設計の車両が導入された。1000系初期抵抗車は日本(主に旧国鉄)が設計した車両であり、外観・内装も103系・301系といった国鉄型通勤型車両の特徴がよく表れており、まさに「韓国版103系」または「韓国版301系」といった感じである。 (写真はすべて車両基地敷地外から撮影) |
2号線の新亭車両基地の片隅に留置されている、ソウルメトロ所有の初期抵抗車1001F。残存する唯一の日立製作所製初期抵抗車。 | |
1002号車の前面をクローズアップ。前面窓の後退角、貫通扉(非常扉)の配置はいかにも日本の国鉄301系譲りである。右側の運行番号表示窓は導入当初は使用していたが後に埋められた。スカート(排障器)も当初は未設置であった。 | |
新亭基地の、人工路盤の下の留置線にて佇む1001F。屋根の下のためか、車体の状態は極めて良好で塗装も美しい状態を保っている。 | |
2号線新型車両と並ぶ1001F。 | |
アンテナは他車のものとは異なる形状となっている。また、前面の行先表示幕「仁川(インチョン)」行きのローマ字遣いが何故か「nchon」に(正しくは「Incheon」、"I"と"e"が欠落している)。 | |
前面貫通扉(非常扉)に貼られている紙には「地下鉄博物館に保管するため物品取去絶対禁止」と書かれており、如何に同車両が大事に保管されているかが伝わってくる。 | |
1001F編成側面。ドアはところどころ開いている。 | |
車内には原型の、赤色の座席の存在を確認できる。 | |
M車の台車とパンタグラフ。左の窓に張られている優先席(専用席)ステッカーは旧バージョンのものである。 |