ソウル地下鉄2号線乙支路循環線

Tweet

ソウル地下鉄2号線 乙支路循環線(ウルチロスンハンソン)は市庁(シチョン)〜聖水(ソンス)〜蚕室(チャムシル)〜舎堂(サダン)〜新道林(シンドリム)〜市庁 間43駅を結ぶ、全長48.8kmの環状線である。うち、漢陽大(ハニャンデ)〜蚕室ナル(チャムシルナル)間、新大方(シンデバン)〜大林(テリム)間、堂山駅付近は地上区間である。全区間複線(右側通行)で、架線集電方式による直流1,500V電化。車両基地は君子車両事務所と新亭車両事務所の2箇所(君子車両事務所は地下鉄1号線と共有)。1980年10月31日に聖水〜総合運動場(チョンハプウンドンジャン)間、1982年12月23日に総合運動場〜教大(キョデ)間、1983年9月16日に乙支路入口(ウルチロイプク)〜聖水 間、1983年12月12日に教大〜ソウル大入口(ソウルデイプク)間、1984年5月22日にソウル大入口〜乙支路入口 間が開通した。また、1996年12月31日〜1999年11月21日は堂山鉄橋(タンサンチョルギョ)の架け替え工事のため、堂山(タンサン)〜合井(ハプチョン)間が運休となった。

使用車両は2000系と新2000系で、いずれも10両編成で運行される。

2000系は現代精工・大宇重工業・韓進重工業(及びセミノックダウンで日本車両)製で、1980年〜1995年に8M2T(Mc-M-T-T-M-M-M-M-M-Mc;抵抗制御車)または6M4T(Mc-M-T-T-M-M-T-T-M-Mc(MELCO製の電機子チョッパ制御車) / Tc-M-M-M-M-T-T-M-M-Tc(GEC製の電機子チョッパ制御車))の10両編成62本(620両)が製造された(支線向けの車両を除く)。また、旧4000系からの編入車両も16本(160両)存在する。車体長19,500mm(連結面間20,000mm)、車幅3,120mm。加速度は3.0km/h/s、減速度は3.6km/h/s(非常時4.5km/h/s)で、設計最高速度は110km/h。法定耐用年数に達した一部の車両が引退し、一部の付随車(6両)はベトナム国鉄へ譲渡された(詳細はこちら)。また、2007年〜2008年に先頭車化改造車を含む編成が13本登場した。2016年1月現在、乙支路環状線では44編成が在籍。

新2000系はROTEM・現代ROTEM製で、2005年・2007年〜2008年に製造された。5M5T(Tc-M-M-T-M-T-T-M-M-Tc)の10両編成。車体はステンレス製。IGBT-VVVF制御車両で、先頭デザインは新規のものとなった。2007年以降に製造された2次車はビードレスステンレス車体となり、側面の帯の配置も変更されている。また、内装も貫通路への自動扉の採用や座席の不燃モケット化等の改善が図られている。車体長19,500mm(連結面間20,000mm)、車幅3,120mm。加速度は3.0km/h/s、減速度は3.6km/h/s(非常時4.5km/h/s)で、設計最高速度は110km/h。車両形式は内回り列車先頭車寄りから2000形(Tc)-2100形(M1)-2200形(M2)-2300形(T1)-2400形(M2)-2500形(T2)-2600形(T1)-2700形(M1)-2800形(M2)-2900形(Tc)の順で、下2桁が編成番号を示す(201編成ならば2001-2101-2201-2301-2401-2501-2601-2701-2801-2901となる)。一部編成には2000系から編入した付随車(2300形、2600形)を組み込んでいる。2016年1月現在、乙支路環状線では34編成が在籍。

現在の2号線の保安装置はATSだが、新2000系にはATO装置を搭載しており、将来的にATO・ワンマン運転を行う模様である。

(路線図:管理人制作)

2000系MELCO製電機子チョッパ制御車両。2000系は製造年次によって前面形状に細かな差異がある。

九老デジタル団地にて
2000系MELCO製電機子チョッパ制御車両で唯一内折れ窓を採用している253F。

聖水にて
2000系GEC製電機子チョッパ制御車両。冷房装置や足回りは旧4000系や3000系と同一仕様。

大林にて
前面の行先表示機をLED化改造した編成も登場した。

トゥクソムにて
2007年〜2008年に全13本が登場した、先頭車化改造車を含む編成(232F〜239F・273F〜277F)。

聖水にて
ソウル交通公社3000系と同一デザインの、元4号線旧4000系の転属車。改番されて2000系を名乗っている。GEC製電機子チョッパ制御で、側窓は内折れ窓。

大林にて
2005年に登場した、新2000系1次車。ビード付きステンレス車体で、前面の左側には停止位置確認用のミラーが設置されている。現在はスカートが小型のものに交換された。

トゥクソムにて
新2000系1次車の車内。座席はステンレス製。
2007年に登場した、新2000系2次車。ビードレスステンレス車体で、側面の帯の配置も変更。1次車に設置されている停止位置確認用ミラーは運転台のレイアウトを改善したため廃止された。現在はスカートが小型のものに交換された。

九老デジタル団地にて
2008年に落成した229Fはスカートが短くなっている。また、262F以降の編成もスカートの形状が若干異なるものの長さが短縮されており、先に製造された既存の車両もスカートが小型のものに順次交換された(現在は全車両交換済)。

トゥクソムにて
新2000系2次車の一部の編成の付随車(2300形、2600形)には、2000系からの改造車両を組み込んでいる。内装や冷房装置、側扉も新2000系の仕様に変更されている。側窓は車端部を除いて固定窓化。

聖水にて
新2000系2次車の車内。貫通路への自動扉の設置、座席間へのスタンションポールの設置、座席のモケット化等が1次車との主な相違点である。つり革も一部は低い位置に設置されており、利便性が向上している。
貫通路の自動扉。扉横のボタンで操作する。車端部の優先席のモケットは赤。
新旧交代が着々と進む地下鉄2号線。

トゥクソムにて
漢江(ハンガン)に架かる堂山鉄橋(タンサンチョルキョ)上で離合する2000系と新2000系1次車。

堂山〜合井にて
堂山鉄橋を渡る2000系(旧4000系)。
現在の堂山鉄橋は2代目。以前の鉄橋は欠陥(崩落の危険)が発覚したため、1997〜1999年の3年間で架け替えられた。

堂山〜合井にて
スカートが小型化された2000系2次車。現在は新2000系全編成が小型のものに交換されている。
側面の配色や、車体の構造が2次車以降と異なる、新2000系1次車。
ソウル地下鉄2号線の初代車両。前面行先表示機がLEDに交換された編成。
ソウル地下鉄4号線から転属してきた、元4000系。
中央の付随車に、旧2000系からの転入改造車を2両挟んだ新2000系。
オール新製車両で構成された編成。
2000系先頭車化改造車と離合する、新2000系2次車。
新2000系と離合する、元4000系の編成。
かつて2号線の各駅に存在していた、反転フラップ式表示機(いわゆるパタパタ式表示機)。現在はLCD式のものに交換され、消滅した。

2000系電機子チョッパ制御車走行音(弘大入口→新村)電機子チョッパ制御で、制御装置はMELCO(三菱)製。
Mc-M-T-T-M-M-T-T-M-Mc(6M4T)の10両編成。
2000系電機子チョッパ制御車走行音(新村→梨大)
新2000系2次車走行音(新大方→新林)IGBT-VVVF制御で、制御装置はROTEM製。
Tc-M1-M2-T1-M2-T2-T1-M2-M1-Tc(5M5T)の10両編成。
ドアエンジンは電気スクリュー軸駆動式。
ソウル地下鉄2号線車両側発車ベル他線区の車両とは異なる音色のものを採用している(他線区の車両はブザー)。
ソウル地下鉄2号線列車接近放送「只今、列車が来ます。お客様の皆様は一歩下がって下さいます様、お願いします。」と放送している。環状線のため途中駅どまりの列車を除いて行先は放送しない。

関連ページ:「ソウル地下鉄2号線聖水支線」「ソウル地下鉄2号線新亭支線」「ソウル地下鉄2号線新型車両登場」「ベトナム国鉄−元 ソウル交通公社2000系」

「ソウル交通公社」トップに戻る

Tweet