平壌では「無軌道電車」(ムゲドジョンチャ)と呼ばれるトロリーバスが現在10路線運行されている。総延長は62.6km。運賃は5ウォン均一で、軌道電車(路面電車)・路線バスと共通運賃制(乗り継ぎが可能)を採用している。運営は「首都旅客運輸局」。
1962年4月30日に平壌駅〜工業農業展覧館(現:蓮池洞)が開通し、平壌駅前にて開通式典が行われた。その後も各路線の建設が進み、直近では2015年11月3日に平壌駅-科学技術殿堂 間が開通した。なお、下記の通り一部路線は輸送力増強のため軌道電車に切り替えられる等、これまでに一部路線は廃止されている。その一方、2014年には船橋〜松新 間(4号線)は軌道電車1号線の一部(船橋-松新軌道電車)を再度無軌道電車に転換し、復活した。現在、1〜11号線が運行されている(7号線は廃止により欠番)。
■路線一覧(下線表示の路線は廃止)
・1号線:平壌駅〜蓮池洞
・2号線:西平壌〜平壌駅
・3号線:火力〜西平壌
・4号線(旧):黄金原〜松新(軌道電車1号線に置換のため一旦全区間廃止、2014年に一部区間(現4号線の区間)が復活)
・4号線(現):船橋〜松新
・5号線(旧):東平壌大劇場〜1百(党創建記念塔建設に伴う区画整理、及び路線両端延伸で現5号線のルートに変更)
・5号線(現):紋繍〜2百
・6号線:寺洞〜1百
・7号線:紋繍〜大同江(軌道電車2号線に置換のため全区間廃止)
・8号線:凱旋門〜黄金原(当初:牡丹〜パルゴル、黄金原〜パルゴル間は軌道電車1号線に置換)
・9号線:蓮池洞〜龍城
・10号線(旧):パルゴル〜大同江(軌道電車1・3号線に置換のため全区間廃止)
・10号線(現):平壌駅〜科学技術殿堂
・11号線:西浦〜西平壌
電化方式は直流600V。営業最高速度は全区間で40km/h。
車両はこれまでに15車種以上が導入された。火力バス停付近にある「平壌無軌道電車工場」で製造された車両が大半を占めるが、一部は1980年代に導入したハンガリーのIKARUS社製の車両も活躍する。2011年より新型連接バス「千里馬-091型」が平壌無軌道電車工場で量産され、2018年からは単車の新型車両「千里馬-321型」も順次製造されている。
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(路線図:管理人制作) |
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