ダッカメトロ

ダッカメトロはバングラデシュの首都ダッカで運行されているMRTである。施設の所有及び運営をDhaka Mass Transit Company Limited (DMTCL)が行っている。

1号線(Airport Route及びPurbachal Routeの2ルートから成るY字路線)、2号線、4号線、5号線Northern Route、5号線Southern Route、6号線の6路線から成る、計画総延長140km余りの路線網である。路線の整備はJICA(国際協力機構)やADB(アジア開発銀行)の支援によって行われている。このうち、最初の路線である6号線が2022年12月29日に部分開通した。

2016年7月にダッカで発生した飲食店襲撃テロ事件では、ダッカメトロのプロジェクト関係者の日本人社員7名が犠牲となった。その痛ましい事件を乗り越え、6号線は2017年8月より正式に着工した。さらに、1号線は2023年2月に着工し、5号線Northern Routeも円借款による建設が決定している。1号線は同国初の地下鉄路線となる予定である(6号線は全区間高架)。

Dhaka Mass Transit Company Limited (DMTCL) 公式サイト(ベンガル語・英語):http://www.dmtcl.gov.bd/


6号線

「Single Journey Ticket」(表/裏)
一回用乗車券。ICカード式で、ソニーが開発した「FeliCa」の技術を採用。自動改札機または駅の窓口(有人の切符売り場)で購入する。入場時は改札機にタッチし、出場時は改札機の挿入口に挿入する。


「MRT Pass」(表/裏)
プリペイド式交通系ICカード。ソニーが開発した「FeliCa」の技術を採用。駅の窓口でのみ購入でき、購入にあたって登録フォームに記入する必要がある(登録フォームはベンガル語のみ)。販売額は500Tk(タカ)で、うち200Tkがデポジットである。チャージは駅の窓口または自動券売機で行う(最大チャージ額は10,000Tk)。ダッカの公共交通機関等で使用できる「Rapid Pass」(2018年供用開始)と互換性はあるが、「MRT Pass」はDMTCLが独自に発行しているものである。


窓口・自動券売機
窓口(有人の切符売り場)でも乗車券を購入できる。自動券売機の使い方に多くの乗客が不慣れなため、アシスタント(職員)が待機している。


自動券売機
日本信号製(右下に「NIPPON SIGNAL」と表記された銘板あり)。バングラデシュの通貨のタカは、現在紙幣しか発行されていない(硬貨は2014年以降製造されていない)ため、紙幣のみ対応。


自動券売機タッチパネル画面
目的地の駅をマップ上からタッチして選択すると、運賃が表示される(人数を変更する場合は黄色いボタンを選択)。許容紙幣は1000Tkまで。数字もベンガル数字で表示されている。「English」ボタンを押すと英語表記に切り替わる。


自動改札機
日本信号製で、日本で見られるものと類似している(エラー音も日本と同様である)。車椅子やベビーカー、大きな荷物の乗客にも配慮した幅広の改札機もある。


自動改札機(入場側)
入場側はICカード読み取り部のみがある。


自動改札機(出場側)
出場側はICカード読み取り部(MRT Pass・Rapid Pass利用者用)に加えて、Single Journey Ticket用のカード挿入口がある。


自動改札機LCD画面
カード残額等が表示される(写真はMRT Passでの乗車時のもの)。


自動改札機銘板
自動券売機と同様、日本信号製である。



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