平壌には1991年より「軌道電車」(ケドジョンチャ)と呼ばれる路面電車が3路線運行されている。総延長は34.3km。運賃は5ウォン均一で、無軌道電車(トロリーバス)・路線バスと共通運賃制(乗り継ぎが可能)を採用している。運営は「首都旅客運輸局」。
日本統治時代の1923年に一旦路面電車が開通したが、1951年〜1953年の朝鮮戦争の戦乱で廃止となっていた。その後、平壌市内の軌道交通は1962年に無軌道電車、1973年に地下鉄が開通したが、輸送力が限界に達しつつあったため約40年ぶりに路面電車が再整備された(路線はすべて新規に敷設されたもので、以前の運行区間とは異なる)。日本統治時代の朝鮮半島では他に京城(現:ソウル)、釜山にも路面電車が整備されたが、韓国側の2都市はモータリゼーションの発達に伴い1960年代に廃止となった。北朝鮮では平壌のほかに、1999年より清津(チョンジン)でも軌道電車が運行されている。
電化方式は直流600V(架線集電式)。営業最高速度は全区間で40km/h。全区間複線で、車両は片方向のみ運転台が設置されているため終点ではループ線を走行して方向転換する。
列車は3連接車または2両編成で終日運行される。車両は長らくチェコのCKD TATRA製のみであったが、2018年に自国製(バス修理工場製)の新型車両「統一181型」が登場した。
外国人は定期列車ではなく、原則貸切列車に乗車する。通常の観光ツアーに組み込まれている地下鉄乗車とは異なり、軌道電車はあらかじめリクエストを出さないと乗車はできない。
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(路線図:管理人制作) |
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