平壌市軌道電車1号線
(松山-平壌駅軌道電車)

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平壌市軌道電車1号線は万景台(松山)(マンギョンデ(ソンサン)〜平壌駅(ピョンヤンニョッ)間10.3kmを結ぶ路線である。全区間複線(右側通行)で、架線集電方式による直流600V電化。軌間は1,435mm(標準軌)。車両基地は万景台(松山)付近にある「松山軌道電車事業所」(ソンサンケドジョンチャサオプソ)。路線番号で呼ばれることは少なく、一般的には「松山-平壌駅軌道電車」と呼ばれる。

1991年4月15日(金日成主席の生誕79年)に万景台〜平壌駅〜船橋(ソンギョ)〜松新(ソンシン)間(19.1km)が開通。2002年10月14日をもって中間の平壌駅〜船橋 間(2.6km)が廃止となり、運行系統が2つに分断された。平壌駅〜船橋 間の廃止は大同江に架かる大同橋(テドンギョ)の老朽化に伴う重量制限によるもので、軌道も栄光通りの整備とともに撤去された。また、2014年には船橋〜松新 間(6.2km)も廃止され、無軌道電車の路線として再整備された(車両基地は軌道電車時代のものを改修の上、転用)。

2008年〜2009年に万景台(松山)〜平壌駅 間の全区間で軌道改修工事が行われた。従来、軌道は光復通りなどの一部区間を除いて道路の中央に設けられていたが、改修後は道路の両端に軌道を移設した(道路の中央に軌道があった頃は安全地帯未設置)。改修工事は光復橋・貞任橋を境に2段階で行われ、工事期間は代行バスが運行された(電車は光復橋・貞任橋付近に設けられたループ線で折り返し運転)。また、この改修工事に併せて、2008年に20両の車両(元 プラハ市電のT3型)を新規導入した。

(路線図:管理人制作)

平壌駅前広場のループ線を行くT6B5K型。
電車は日中は2〜5分間隔で運行されており、各種車両が次々とやってくる。

上写真:KT8D5K型
中央写真:T6B5K型(白と青のツートンカラー車両)
下写真:T3型

平壌駅前広場にて
前面の行先表示は「万景台-平壌駅」の固定表示(路線ごとに使用車両は固定されている)。運転士は女性も多く活躍する。
平壌駅の駅舎(1957年竣工)と、駅前広場のループ線に停車中のT6B5K型。
平壌駅前広場のループ線に停車中のT3型。当方(1名)乗車のためだけに旅行会社に特別に手配していただいた、平壌駅から万景台までのチャーター電車。
夜の平壌駅前を行くT6B5K型。
平壌駅をバックに西城通りを行く万景台行きの電車。無軌道電車(トロリーバス)の停留所も隣接している。
「駅前百貨店」前を行く電車。車両の奥には、平壌駅前に設置されている大型スクリーンが見える。
平壌駅電停に停車中。
平壌駅付近を行く車両を俯瞰する。手前には平壌地下鉄千里馬線の栄光駅の出入口が見える。

高麗ホテルの客室より
街路樹が立ち並ぶ西城通りを行く。この区間は2008年5月〜同年12月に改修工事が行われ、軌道の位置が道路中央から道路両端に変更された。劣化していた軌道自体も新品に交換された。
西城通りを行く新型車両「統一」(2次車)。2018年に導入された国産車両である。
西城通りを走行する万景台行き電車。写真右奥には平壌駅の駅舎の屋根も見える。西城通りは起伏が多い。
千里馬通りの陸橋をくぐる平壌駅行きの電車。
西城通りでは平壌駅〜千里馬通りとの立体交差部まで無軌道電車の路線と並行しており、架線は軌道電車用のものと無軌道電車のものが併設されている。
また、新西橋(シンソギョ)の前後区間(0.7km)は、軌道電車3号線(楽浪-西平壌軌道電車)と線路を共有する。
西城通りを行き交う電車。
白と青のツートンカラーのT6B5K型車両が西城通りを行く。運転台からの操作でパンタグラフを離線させて惰性走行中。
地下鉄革新線の黄金ボル(黄金原)駅前の交差点。1号線と3号線の線路が分岐する。
万景台行きの電車内から見た黄金ボル(黄金原)駅前の交差点。1号線の電車はプルグン通り方面へ左折、3号線の電車は直進する。ポイントの横の道路脇には詰所が設置されている。また、交差点には軌道電車用信号機が設置されており、信号に従って走行する。
プルグン通り(写真奥が黄金ボル駅方面)。平南線と平義線を結ぶデルタ線(普通江〜西平壌 間)の高架と交差する。
プルグン通りの交差点にて交通整理を行う女性警官と、万景台行きの軌道電車。
黄金ボル(黄金原)電停に停車中の平壌駅行き電車。電停には軌道改修工事の際に屋根が設置された。
朝鮮鉄道省普通江(ポトンガン)駅の駅舎(白い建物)をバックにプルグン通りを走行する平壌駅行き電車。
貞任橋を渡る上下線の電車。奥の建物はスーパーマーケットの「光復地区商業中心」。
光復橋及び貞任橋の下には折り返し線があり、非営業列車が稀に使用する。
写真は貞任橋から見た折り返し線。
「光復地区商業中心」の前のスローガンの看板の前を行く、平壌駅行きの電車。
柳京ホテルをバックに行く平壌駅行き電車。
光復通りは道幅約100m、長さ約4kmの幹線道路で、両側に高層マンションが並んでいる。
光復通りを行く電車。光復通りでは側道に軌道が設けられている。出退勤時間は多くの自転車も行き交う。
光復通りを行く「統一」(1次車)。
万景台学生少年宮殿の前を走行する、平壌駅行きの電車。
万景台行き方面の軌道は光復通り・青年英雄道路を地下道(長さ150m)でアンダーパスする。この区間が平壌市軌道電車で唯一の地下区間である。
地下区間への勾配を下る万景台行きの電車。
火花を散らして地下から地上への勾配を上がる万景台行きの電車。
万景台電停付近を行く。奥に見えるのは光復通りの高層マンション。
終点の万景台電停。
万景台電停に到着した当駅どまりの電車。多くの乗客が降りてくる。降車専用の電停のため、標識には電停名ではなく「終点」とだけ書かれている。
電車は万景台電停の南側にある松山軌道電車事業所(車両基地)の折り返し線で折り返す。
松山軌道電車事業所。中央には「将軍様に従って千万里」のスローガン。
松山軌道電車事業所の折り返し線付近にて。
松山軌道電車事業所の折り返し線で並ぶ2列車。
車両基地から出庫してきた、平壌駅行きの電車。
車両基地の守衛所。
松山軌道電車事業所の革命掲示板。
松山軌道電車事業所の検修庫の様子。松山-平壌駅軌道電車の全車両(約120両)が所属している。車庫の建屋の上に書かれている文字は「3 大 革 命」。
出入庫する電車。手前の黒い乗用車は日産のティアナ。
建屋内でアーク光を放って車両の修繕作業が行われている。
2002年に廃止された平壌駅〜船橋 間は写真の大同橋(テドンギョ)の老朽化に伴う重量制限で廃止された。大同橋は日本統治時代の1921年に着工し、1923年に開通した。長さは約620m。橋梁完成時は初代路面電車の軌道(1923年〜朝鮮戦争時まで運行)も敷設されていた(単線)。朝鮮戦争で橋梁は爆撃されたが、休戦後に同じ姿で復元された。
平壌市中心部を縦断する大同江に架かる大同橋。10連の曲弦トラス橋である。
船橋-松新軌道電車の起点、船橋付近の様子。2014年に船橋-松新軌道電車は無軌道電車(トロリーバス)の路線に変更された。
(変更後の路線の詳細はこちら
船橋電停付近のロータリー。ロータリーに沿って船橋-松新軌道電車のループ線が敷設されている。

※2015年現在、軌道は撤去済み。
平壌駅〜船橋 間の廃止区間の代替バス。前面の行先表示は「船橋-平壌駅」と表示されている。
光復通りを走行するKT8D5K型1002号車からの前面展望映像(ビデオカメラを手持ちで撮影)。車両をチャーターして撮影。
光復通りは道幅80mを誇る平壌で2番目に広い道路で、軌道は通りの両端にある。営業列車の続行で運行しているため、少し低速で運転。

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世界初、平壌市軌道電車の運転台にカメラを固定して映像撮影。平壌市軌道電車1号線(松山-平壌駅軌道電車)の一番の見どころである区間(平壌サーカス劇場→平壌駅)を行くKT8D5K型1002号車からの前面展望映像。車両をチャーターして撮影。
車窓からは光復地区商業中心(スーパーマーケット)、柳京ホテル、普通江駅、地下鉄黄金原駅、西城通り等が見え、変化に富んだ車窓を楽しむことができる。

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平壌駅前広場を周回し、地下鉄千里馬線の栄光駅の横を通過する。かつて平壌駅から船橋まで軌道があり現在は廃止されているが、将来の復活を考慮してか駅前広場のループ線には栄光通り方面へのポイントが準備工事されている。

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並木が整然と立ち並ぶ西城通りを行く。この区間は2008年に軌道改修工事が実施され、安全を考慮して軌道の位置も道路の中央から両端に変更された。

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軌道用信号(朝鮮語:交通指揮信号)に従って、黄金ボル交差点を左に曲がる。交差点では3号線の線路と分岐し、ポイントの横には進路を司る詰所がある。

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国鉄平南線の線路と平行するプルグン通りを行く。光復橋・貞任橋付近には非常時用の折返しループ線が分岐する。

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道幅約100m、長さ約4kmの光復通りの側道を走行する。

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光復通り・青年英雄道路を地下でアンダーパスし、終点の万景台(松山)駅へと向かう。万景台(松山)駅は車両基地が隣接し、ループ線となっている。

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万景台(松山)駅に隣接する車両基地の様子。車両基地の建屋ではアーク光を放って車両の修繕作業が行われているのが確認できる。

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1991年に新車として129両が導入されたCKD TATRA製のT6B5K型車両。電動車と付随車を連結した2両固定編成で運転されている。運転席よりパンタグラフを上下に操作して走行している(理由は不明)。

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2008年にプラハ市電より20両を購入したCKD TATRA製T3型電車が、プラハ時代の塗装そのままに平壌で活躍する。

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