台湾鐵路管理局TEMU2000型

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汐止駅を通過するTEMU2000型第1編成。

TEMU2000型はTEMU1000型に続く車体傾斜式電車で、2012年〜2013、2015年に8両編成19本(計152両)が導入された(台湾には第1・2編成が2012年、第3〜17編成が2013年、第18・19編成が2015年に水切り)。全車両が日本車両製。主に樹林(シューリン)〜台東(タイドン)間の自強号の運用に就いている。

TEMU1000型(日立製作所製)が振り子式電車であるのに対し、TEMU2000型は日本車両独自開発の空気ばねを用いた車体傾斜システムを採用している(傾斜角度は最大2度)。車体はアルミ合金製。最高速度は150km/h(営業最高速度は140km/h)。車体は白を基調に、窓下に赤帯を配している。先頭部も赤に塗り分けられ、先頭車の側面には大きな「TRA」のロゴが入っている(「TRA」ロゴは左側面は右上がり・右側面は右下がりとなっている)。連結器カバーは自動開閉機構付き(EMU700型・TEMU1000型も同様)。側扉は各車両片側あたり2箇所ずつ設置され、乗降扉は台鐵の自強号用電車としては初めて引き戸を採用した。また、乗務員用扉も台鐵の電車では初採用となっている(従来の車両は客用扉と共用)。8両固定編成であるが、構造上はTc-M-T-Mの4両ユニットを背中合わせに連結したもの(Tc-M-T-M+M-T-M-Tc)。VVVFインバーター装置はEMU600型・EMU700型と同様に東芝製(IGBT素子)。

車内は回転式リクライニングシートが2+2列配置で展開しており、1号車と8号車(TED2000)には車いす用座席(兼優先席)も1+1列の2席が設けられている。台鐵初の試みとして、4号車と5号車(TEMB2000)には大型テーブルを配置したグループ席(4人用ボックスシート)が1両あたり4か所千鳥配置されている(この座席はリクライニングはできるが、回転はできない)。自動販売機、デッキとの仕切り扉の上のLCD式車内案内表示器等も台鐵の車両で採用である。

車両寸法は長さ20,700mm(TED車(先頭車)は22,095mm)×幅2,900mm×高さ4,050mm(TEP車(パンタグラフ付車)は4,170mm)。

当車両で運行される列車は「普悠瑪(プユマ)」号の愛称を持ち、乗車券に「普悠瑪 Puyuma Exp」と表記される(愛称は「太魯閣」号と同様に公募により決定された。なお、「普悠瑪」とは台湾南東部の原住民族の名前である)。時刻表では「新自強」号又は「普悠瑪」号の案内が用いられる。運賃は自強号に準じているが、座席指定なし(無座)では乗車できない。また、グループ席を指定の場合は、4人分の運賃が必要である。


編成 Tc M1 T M2 M2 T M1 Tc
形式 TED2000 TEMA2000 TEP2000 TEMB2000 TEMB2000 TEP2000 TEMA2000 TED2000
第01編成(TEMU2001+2002) TED2001 TEMA2001 TEP2001 TEMB2002 TEMB2004 TEP2002 TEMA2003 TED2002
第02編成(TEMU2003+2004) TED2003 TEMA2005 TEP2003 TEMB2006 TEMB2008 TEP2004 TEMA2007 TED2004
第03編成(TEMU2005+2006) TED2005 TEMA2009 TEP2005 TEMB2010 TEMB2012 TEP2006 TEMA2011 TED2006
第04編成(TEMU2007+2008) TED2007 TEMA2013 TEP2007 TEMB2014 TEMB2016 TEP2008 TEMA2015 TED2008
第05編成(TEMU2009+2010) TED2009 TEMA2017 TEP2009 TEMB2018 TEMB2020 TEP2010 TEMA2019 TED2010
第06編成(TEMU2011+2012) TED2011 TEMA2021 TEP2011 TEMB2022 TEMB2024 TEP2012 TEMA2023 TED2012
第07編成(TEMU2013+2014) TED2013 TEMA2025 TEP2013 TEMB2026 TEMB2028 TEP2014 TEMA2027 TED2014
第08編成(TEMU2015+2016) TED2015 TEMA2029 TEP2015 TEMB2030 TEMB2032 TEP2016 TEMA2031 TED2016
第09編成(TEMU2017+2018) TED2017 TEMA2033 TEP2017 TEMB2034 TEMB2036 TEP2018 TEMA2035 TED2018
第10編成(TEMU2019+2020) TED2019 TEMA2037 TEP2019 TEMB2038 TEMB2040 TEP2020 TEMA2039 TED2020
第11編成(TEMU2021+2022) TED2021 TEMA2041 TEP2021 TEMB2042 TEMB2044 TEP2022 TEMA2043 TED2022
第12編成(TEMU2023+2024) TED2023 TEMA2045 TEP2023 TEMB2046 TEMB2048 TEP2024 TEMA2047 TED2024
第13編成(TEMU2025+2026) TED2025 TEMA2049 TEP2025 TEMB2050 TEMB2052 TEP2026 TEMA2051 TED2026
第14編成(TEMU2027+2028) TED2027 TEMA2053 TEP2027 TEMB2054 TEMB2056 TEP2028 TEMA2055 TED2028
第15編成(TEMU2029+2030) TED2029 TEMA2057 TEP2029 TEMB2058 TEMB2060 TEP2030 TEMA2059 TED2030
第16編成(TEMU2031+2032) TED2031 TEMA2061 TEP2031 TEMB2062 TEMB2064 TEP2032 TEMA2063 TED2032
第17編成(TEMU2033+2034) TED2033 TEMA2065 TEP2033 TEMB2066 TEMB2068 TEP2034 TEMA2067 TED2034
第18編成(TEMU2035+2036) TED2035 TEMA2069 TEP2035 TEMB2070 TEMB2072 TEP2036 TEMA2071 TED2036
第19編成(TEMU2037+2038) TED2037 TEMA2073 TEP2037 TEMB2074 TEMB2076 TEP2038 TEMA2075 TED2038


普悠瑪号普通乗車券
左下に「普悠瑪 Puyuma Exp」と表記されている。なお、本乗車券は台鐵のホームページよりオンラインで購入したものである(右上に「折訂刷網」と表記される)。
普悠瑪号・太魯閣号の列車は混雑し、乗車日直前の乗車券購入は非常に困難であるため、確実に買うにはオンライン購入(乗車日2週間前より販売)をお勧めする。
普悠瑪号各種グッズ(クリアファイル・携帯ストラップ・靴下等)、公式パンフレット
普悠瑪号のグッズは台北駅構内の「台鐵夢工場」等で多くの種類が販売されている(写真以外のものも多数ある)。
写真右の公式パンフレットは、2013年2月6日の普悠瑪号運行一番列車等で配布された(非売品)。
普悠瑪号グッズ販売状況
台北駅の「台鐵夢工場」にて。

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