海雲台ブルーラインパーク-海雲台スカイカプセル

海雲台スカイカプセル(해운대 스카이캡슐/読み:ヘウンデスカイケプシュル)は、尾浦(미포/ミポ)~青沙浦(청사포/チョンサポ)間2駅2.0kmを結ぶ軌道系交通である。単に「スカイカプセル」(스카이캡슐)と呼ばれることも多い。2021年2月4日に開通した。

海雲台海辺列車(해운대 해변열차/ヘウンデヘビョニョルチャ)の軌道(東海南部線(現:東海線)の旧線跡)の脇に新設された、高さ7~10mの複線の高架軌道の上を4人乗りの小型車両が走る。全自動運転(無人運転)で、一定間隔を保持して走行する。車両側に小型モーターが付いており、営業最高速度は4km/h。全区間の所要時間は約30分。軌条はローラーコースター(ジェットコースター)の構造を応用した円筒型レールで、軌道中央にトロリー線がある。車両の進行方向は一定で、両端駅の複線式転車台(ターンテーブル)で車両の方向転換を行う。

車両は開業に合わせて80両が導入され、車両ごとに色が異なる(1~20号車:レッド、21~40号車:ブルー、41~60号車:グリーン、61~80号車:イエロー)。車両は韓国A&Z(한국에이앤지/読み:ハングゲイエンジー)製。車両基地は無く、夜間は両端駅付近に停泊する。

当路線は時速40km/h以下の路線が対象の「軌道運送法」が適用される(他に韓国の鉄道関連の法律は、高速鉄道や一般的な鉄道、広域鉄道に適用される鉄道事業法及び鉄道運送法、都市鉄道に適用される都市鉄道法がある)。なお、当スカイカプセルに対して「モノレール」という表現が用いられる例が散見されるが、軌条が2本のためモノレールではない。

運賃は1両あたりの乗車人数によって異なり、1~2人利用の場合は30,000ウォン/両、3人利用の場合39,000ウォン/両、4人利用の場合は44,000ウォン/両(2023年2月現在。左記は1両あたりの運賃のため、2~4人利用の場合の1人あたりの額はそれぞれの運賃を人数で割れば良い)。往復割引や海辺列車とのパッケージ料金等もある。乗車券は駅窓口の他、オンラインで購入することもできる。購入時に乗車時間帯を30分間隔で指定する(指定時間帯以外はホームに入れない)。なお、原則相乗りは行っていない。




広安大橋、海雲台海水浴場、高さ411.6m(101階建て)の海雲台LCT The Sharp Landmark Tower、そしてスカイカプセル。現代の海雲台を代表する美しい景色がスカイカプセルの車窓から一望できる。


スカイカプセルは路面電車をイメージした4人乗りの小型車両(カプセル)80両によって運行されている。デザインやカラーリングは直下を走る海辺列車の車両と類似している(塗装パターンは海辺列車とは若干異なり、前照灯周りが金太郎塗りのため印象が異なる。万葉線デ7000形の加越能鉄道時代の塗装に少し似ている?)。
車両番号は1~80で、前面及び側面に表記されている。腰部及び窓上部の色は車両ごとに異なり、1~20号車がレッド、21~40号車がブルー、41~60号車がグリーン、61~80号車がイエローである。海辺列車と色のバリエーション及び色の順番も同一である(海辺列車は第1編成がレッド、第2編成がブルー、第3編成がグリーン、第4編成がイエロー)。写真は10号車。
障害物検知対策として、障害物接触バンパー、超音波センサー等が設置されている。また、救援時に連結ができるよう、連結棒接続用のピンが設置されている。


29号車。21~40号車の塗装はブルー。


24号車。21~40号車の一部の車両は写真のように前面腰部に海中をイメージしたデザインが施されている。


51号車。41~60号車の塗装はグリーン。


76号車。61~80号車の塗装はイエロー。車両の進行方向は一定で、テール側は尾灯のみが設置されている。また、テール側の前面窓は下半分がすりガラスとなっている(後続車両から車内を覗かれるのを防ぐため?)。


保守用車。電動無蓋車である。2両が在籍し、尾浦駅及び青沙浦駅に1両ずつ常備している。作業員用の座席が2席設置されている。


車両を下から見る。片開き式の手動ドア(引き戸)が左右に設置されている(進行方向左側は非常用)。
走行輪は4輪で、うち前の2輪が駆動輪、後ろの2輪が従動輪である。また、駆動輪にはディスクブレーキが設置されている。
レールに対して横及び斜め下方向に案内輪があり、車体下部から案内輪を支持するアームが4本伸びている。


車両をさらに下から見上げる。前側の駆動輪は軸があり、小型モーターが設置されているのも見える。一方、後ろ側の従動輪には軸がない。
車体中央部には集電アームが設置されている。


軌条を上から見る。ローラーコースター(ジェットコースター)に類似した円筒型レールで、中央部には縦に2本のトロリー線が設置されている。


車内の様子。木製の2人掛け座席が向かい合わせで設置され、中央に小型のテーブルがある。床板は無塗装の縞板。


車内を座席に座った状態から眺める。屋根はダブルルーフ構造。


先頭部には小型LCDが設置されており、スカイカプセルの紹介映像の他、現在の車両速度、ドアやバンパーセンサーの状態、ファームウェアバージョン、運行時間等も表示されている。


車両は非冷房のため、車内にはクルマ用の小型ファンが前後に2基ずつ(1両あたり合計4基)設置されている。


車内の車両番号表示。


非常停止スイッチ。


非常用ドアコック。


起点の尾浦駅。駅名表示は「尾浦乗車場(미포정거장)」。スカイカプセルのホームは2階にある。2面3線で、うち1線は留置線。


尾浦駅のホーム。乗降ホームが分離されており、写真左側が降車ホーム、右側が乗車ホーム。


路線終端部に複線式転車台が設置されており、車両の方向転換を行う。


車両を転車台に入線させる際、職員の方が軌道脇にある車両発車用センサーに触れて車両を発進させている。


ターンテーブル制御盤(関係者以外操作禁止)。車両と同様、韓国A&Z製。


尾浦駅を発車する、青沙浦行きのスカイカプセル。


尾浦駅に発着するスカイカプセル。高架軌道の下に海辺列車の尾浦駅のホームがある。


海辺列車の上を並走するスカイカプセルの車両。


海雲台LCT The Sharp Landmark Towerをバックに尾浦駅を発車するスカイカプセル。


高架軌道の上を様々なカラーリングのスカイカプセルの車両が行き交う。


尾浦駅を発車したスカイカプセルは、一直線の緩やかな上り勾配を進んでいく。


上写真の地点をスカイカプセルの車内から見る。高さ7~10mの高架軌道からの眺めは、地平からの景色とは比べ物にならない程美しい。


一定間隔を保持しながら連なって走行する。車両は完全自動運転で、前の車両と接近すると自動的に減速する。営業最高速度は4km/h。


タルマジトンネル付近を行く。


海辺列車タルマジトンネル駅の青沙浦駅寄りにある行き違い設備の直上を行く(軌道の下に海辺列車の軌道が僅かに見える)。
青い海と、奥に見える広安大橋が映える。


広安大橋をバックに走る。


海をバックに行き交うスカイカプセル。ほぼ全区間において車窓から海が見える。


松林の中を行く。全区間においてスカイカプセルの高架軌道の直下には海辺列車の軌道がある


松林の先に見える青沙浦の村。


車窓から青沙浦駅付近を眺める。


青沙浦駅付近から尾浦方面を眺める。写真奥に山沿いを行くスカイカプセルの軌道と車両が見える。


青沙浦駅付近を行く。駅舎の奥には日本海(韓国語:東海)が広がる。


海辺列車の踏切の上をスカイカプセルは高架軌道で越えていく。


青沙浦駅。尾浦駅と同様、スカイカプセルのホームは2階にある。2面3線で、うち1線は留置線。


青沙浦駅の駅舎外観を地平から眺めたところ。1階は海辺列車の軌道とホーム及び切符売り場、2階にスカイカプセルのホームとお土産売り場、カフェ等がある。


営業開始時間前の青沙浦駅。軌道上には多くの車両が連なって留置されている。終電後から始発前に見られる光景である。


青沙浦駅のホーム。尾浦駅と同様に乗降ホームが分離されており、写真左側が降車ホーム、右側が乗車ホーム。


青沙浦駅の転車台(ターンテーブル)に入線し、方向転換する車両。


青沙浦駅のスカイカプセル乗り場へと続く階段。右側にエレベーターも完備している。


日没後は高架軌道がライトアップし、車両の前照灯も自動で点灯する。


夜間運行時も車窓が良く見えるよう、室内灯は点灯させないで運行する(点灯させることもできる)。


ライトアップした広安大橋とスカイカプセル。

夜景も美しい海雲台の街並み。


夜の尾浦駅と、ライトアップを受けて輝く車両と軌道。


終電後の尾浦駅。多くの車両が本線上に留置されている。


営業最高速度は4km/hで、全長約2kmの軌道を約30分かけて運行する。全区間が高さ7~10mの高架軌道で、海雲台のオーシャンビューを車内からゆっくりと一望できる。特に尾浦に近づくにつれ、高さ411.6m(101階建て)の海雲台LCT The Sharp Landmark Towerや海雲台海水浴場、広安大橋等、この地域を代表する光景を車窓から楽しむことが出来る。スカイカプセルの軌道の下を海辺列車の軌道(旧 東海南部線の軌道)が併設されており、海辺列車と離合したり、追い越されたりすることもある。

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夜はスカイカプセルの高架や広安大橋等がライトアップされ、海雲台LCT The Sharp Landmark Towerをはじめとした高層ビルにも照明が灯り、海自体は見えないものの幻想的な風景を見ることが出来る。尾浦付近では小さな花火も上がっている。

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尾浦停車場の複線式転車台で方向転換するスカイカプセルの車両。車両を転車台に入線させる際、職員の方が軌道脇にある車両発車用センサーに触れて車両を発進させている。転回後、車両は転車台から自動で発車する。

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スカイカプセルは自動運転で、車両の進行方向は一定である。両端駅には複線式転車台が設置され、車両の方向転換を行う。回転方向が一定でないのが興味深い。

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青沙浦停車場は2面3線(うち1線は留置線)で、降車用ホームと乗車用ホームが分離されている。スカイカプセルの車両は4人乗りで、1~4人で利用できる(利用料金は人数によって異なる)。原則として相乗りは行わない。購入時に乗車時間を30分間隔で指定する(指定時間以外はホームに入れない)。車両は次々とやってくるが、1両当たりのキャパシティが少ないため、長時間ホームで待つこともある。

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