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海雲台海辺列車(해운대 해변열차/読み:ヘウンデヘビョニョルチャ)は、尾浦(미포/ミポ)~松亭(송정/ソンジョン)間6駅4.5kmを結ぶ観光鉄道である。単に「海辺列車」(해변열차)と呼ばれることも多い。2020年10月7日に開通した。
韓国鉄道公社(KORAIL)東海南部線(現:東海線)の最も風光明媚な区間として有名だった海雲台(해운대/ヘウンデ)~松亭(송정/ソンジョン)間は、2013年12月1日を以て新線切替に伴い廃止された。その旧線区間の再活用(観光資源化)として、観光鉄道化、レールバイク運営、遊歩道化、自転車道化等が検討された後、2018年下半期から観光鉄道の整備事業が開始された。なお、全区間に遊歩道が軌道に沿って整備されている。
尾浦、タルマジトンネル(달맞이터널/タルマジトノル)、青沙浦(청사포/チョンサポ)、タリットル展望台(다릿돌전망대/タリットルチョンマンデ)、九徳浦(구덕포/クドッポ)、松亭の6駅が設けられ、このうち松亭以外の5駅は当整備事業によって新設された駅である。また、尾浦、青沙浦、松亭の3駅は「乗車場」(정거장)と呼ばれる有人駅で、それ以外の3駅は駅員無配置の簡易駅である。尾浦~青沙浦
間は「海雲台スカイカプセル」の高架軌道が併設されている。
全区間の所要時間は約20~23分。東海南部線現役時代と同様に全区間が単線非電化で、駅間に3か所の行き違い設備が新設された(設置箇所は下記路線図参照)。列車運行間隔は30分間隔(2列車による運行)が基本で、11:30以降は変則的な15分間隔(3列車による運行)となる時間帯もある。運行最高速度は25km/h。軌間は1,435mm(標準軌)。当路線は時速40km/h以下の路線が対象の「軌道運送法」が適用される(他に韓国の鉄道関連の法律は、高速鉄道や一般的な鉄道、広域鉄道に適用される鉄道事業法及び鉄道運送法、都市鉄道に適用される都市鉄道法がある)。
列車は2両編成で運行される。車両は営業用列車としては韓国初の蓄電池電車(韓国語:充電式電気列車)で、大容量リチウムポリマー電池と充電システムを使用しモーターは永久磁石同期電動機(PMSM)を採用している。列車の座席はロングシートで、すべて海側を向いている。開業に合わせて4編成が導入され、編成ごとに色が異なる(レッド・ブルー・グリーン・イエローの4色)。車両は成信RST(성신RST/読み:ソンシンRST)製。4編成あるが、同時に運用されるのは3編成で、1編成は予備。車両基地は無く、夜間は全列車が松亭駅で停泊する。
運賃は乗車区間にかかわらず、1回7,000ウォンの均一運賃(2023年2月現在)。2回乗車券、フリー乗車券等もある。乗車券は駅窓口の他、簡易駅の自動券売機、及びオンラインで購入することもできる。
東海南部線の旧線の廃線跡を再活用した海雲台海辺列車。営業用としては韓国初の蓄電池電車が導入された。写真は第1編成で、車体色はレッド(赤)。編成ごとにカラーリングが異なる。
なお、路面電車風の車両デザインであるが、併用軌道区間はない。
タルマジトンネル~青沙浦にて
第2編成。車体色はブルー(青)。
タルマジトンネル~青沙浦にて
第3編成。車体色はグリーン(緑)。
タルマジトンネル~尾浦にて
第4編成。車体色はイエロー(黄色)。
松亭にて
コイルバネ台車を使用。車体と同じく成信RST製。
海辺列車の車内の様子(全編成共通仕様)。木製座席のロングシートで、すべて海側を向いている。2扉車で、ドア間は座席が2段に設置され、後ろの座席でも景色が見やすいよう配慮されている。
ドア付近の様子。乗降口のステップは3段。床面高さは普通の鉄道車両とほぼ同一。ドアはグライドスライドドアを採用。
貫通路。車内両端部にLCDが設置されている。
車内の製造所銘板。2020年(株)成信RST製。
成信RSTは1990年創業で、海雲台ブルーラインパークの海辺列車の車両以外にも、現代ROTEMのOEMで韓国鉄道公社311000系・ソウル地下鉄2号線新2000系4次車・ウェリントンの近郊電車「Matangi」・カイロ地下鉄・アルマトイ地下鉄・チュニジア国鉄(SNCFT)等の電車製造を手掛け、また、宇進産電のOEMでインドネシアのメダン空港線の気動車を製造した。その他、ガボン・コンゴ共和国・タンザニア向け等の客車、国内外向けの各種ディーゼル機関車、貨車、保線車両等の製造実績もある。
乗務員室仕切り。韓国の鉄道車両では珍しく前面展望が可能な構造だが、網目状の仕切りが設置されており、乗務員扉が開いていないと前面は見えづらい。
LCDの様子。次駅名、扉の開く方向、各種案内等が表示される。
運転中の乗務員室の様子。
運転台。グラスコックピットを採用しており、LCDは3枚設置されている(一番左のLCDは車内の防犯カメラからの映像を表示)。
海雲台ブルーラインパークの起点。海雲台LCT The Sharp Landmark Towerの目の前に位置する。
海雲台ブルーラインパークとして整備された区間は4.8kmだが、このうち起点から尾浦(ミポ)駅までの0.3kmは遊歩道のみである(東海南部線時代の軌道はモニュメントとして残されている)。海雲台ブルーラインパークの公式サイトにも各駅のキロ程が掲載されているが、起点駅であるはずの尾浦駅のキロ程が0.0kmではなく0.3kmと表示されているのはそのためである。
尾浦駅までの遊歩道。「尾浦ブルーライン広場」と名付けられている。
尾浦駅の外観。2階建てで、2階はスカイカプセルの乗り場となっている。駅名表示は「尾浦乗車場(미포정거장)」。
切符売り場は1階にあり、海辺列車・スカイカプセルとも同一の窓口で購入できる。両路線のセット券も販売されている。
尾浦駅の海辺列車のホーム。ホーム自体は尾浦駅の駅舎の外(松亭寄り)にある。
ホームに停車中の海辺列車の上を、スカイカプセルの車両が通過していく。車体のカラーリングは両者で共通(いずれも車体色はレッド・ブルー・グリーン・イエローの4種類がある)。
尾浦駅の車両用充電スタンド(EVステーション)。充電スタンドは両端駅(尾浦・松亭)に設置されており、折り返し待ちの間に必要に応じて車両に充電を行う。
海雲台で最も高いビルである、高さ411.6m(101階建て)の海雲台LCT The Sharp Landmark Towerをバックに走行する海辺列車とスカイカプセル。
尾浦~青沙浦 間は、山側からスカイカプセル、海辺列車、遊歩道の順に整備されている。
尾浦駅を発車した海辺列車の車内の様子。出発直後から一面の海を眺望できる美しい車窓を前に、乗客の歓声やシャッター音が響く。
タルマジトンネル(タルマジ=月見の意味)。海辺列車で唯一のトンネルである。全長25m。トンネルの扁額には「달맞이재」(=タルマジ峠)と書かれている。直上をスカイカプセルの高架が跨いでいる。
タルマジトンネルの脇は小広場となっている。トンネルは横坑があり、トンネル上部に土被りもないため、名称はトンネルだが洞門といった方が適切である。
タルマジトンネル駅の外観。自動券売機と自動改札機が設置された無人駅である。
自動改札機。回転アーム式で、入場時はセンサー部に乗車券のQRコードを読み込ませて入場する(出場時は自由に出られる)。
タルマジトンネル駅のホーム。1面1線で、トンネルの目の前にある。転落防止柵が設置されている。
タルマジトンネル駅から青沙浦駅寄りにある行き違い設備を通過する松亭行き列車。写真左奥には広安大橋も見える。
各行き違い設備の分岐器はスプリングポイントを使用している。
同じく行き違い設備を通過する列車を、上写真の反対側から撮影。車体色の青と海・空の青が調和する。
頭上をスカイカプセルの小型車両が行き交う。
上記行き違い設備にて離合する列車を車内から。遊歩道が一段低くなっているため、線路の向こうはすぐ海であるかのような景色が見える。
青沙浦駅付近でスカイカプセルと並走する海辺列車。
青沙浦駅に停車中。
青沙浦駅の外観。尾浦駅と同様、2階はスカイカプセルの乗り場となっている。1階部分は海辺列車の軌道が貫通している。写真は海辺列車がホームに停車した状態。
釜山に鎌倉高校前あり?
青沙浦駅前の踏切から少し坂を上ると、海辺列車と海が一望できる。映える撮影スポットとして現地でも有名だ。
青沙浦駅前の踏切(上記写真の場所)を横断する列車を、青沙浦駅舎2階のカフェから眺める。
青沙浦~タリットル展望台間の行き違い設備で離合する列車。路線のほぼ中間地点にあり、原則として終電以外の全列車が行き違いを行う。
タリットル展望台駅の外観。自動券売機と自動改札機が設置された無人駅である。
タリットル展望台駅のホーム。曲線上にある。
タリットル展望台駅前にある青沙浦タリットル展望台。タリットル(다릿돌)とは橋石の意味で、青沙浦の海岸から海上の灯台まで並んでいる岩礁が飛び石のようであることから名付けられたとのことである(現地に設置された案内板より)。
青沙浦タリットル展望台の上部。床の一部がガラス張りやグレーチングとなっており、波打つ海を真上から眺めることが出来る。ガラスに傷がつかないよう、入口で靴にシューズカバーを被せて入場するルールとなっている。入場無料。
タリットル展望台~九徳浦 間。海岸と軌道の間に遊歩道が整備され、遊歩道は地形に合わせて若干の勾配がある。
九徳浦駅付近を走行する海辺列車。
九徳浦駅。他の簡易駅(タルマジトンネル駅・タリットル展望台駅)と同様の構造である。ホームの屋根は遊歩道まで覆う構造。
終点の松亭駅に到着。車両の右隣にあるのが車両用充電スタンド。「危険 高電圧」と書かれている。
松亭駅の車両用充電スタンド(EVステーション)。尾浦駅のものと同一。操作をする場合は職員がICカードをかざす仕組み。
松亭駅のホーム。当駅は海辺列車で唯一、従来からある駅を再利用したもので、ホームも東海南部線時代のものを活用している。
松亭駅の先の終端部。駐車場になっており、もともとあった旧線の軌道は撤去されている。東海線の現 松亭駅は、ここから歩いて約800mの位置にある。
松亭駅の駅舎(正面)。日本統治時代の1941年に建築され、1976年に改築された駅舎を、海雲台ブルーラインパーク整備にあたって建築当初の姿に復原した。当駅舎は1940年代の簡易駅の建築様式の特徴を保っていることから、2006年に国家登録文化財第302号に指定された。
松亭駅の駅舎(ホーム側)。
松亭駅の駅舎内部。切符売り場も元々のスペースを活用している。
松亭海水浴場は釜山の3大海水浴場の1つで、夏はサーファーで賑わう。
松亭海水浴場の奥には、青沙浦タリットル展望台も見える。
夜の尾浦駅。ライトアップされたスカイカプセルの高架の下を行く、海辺列車の尾浦行き最終列車。
夜間走行時は車窓が良く見えるよう、駅停車中と駅到着前を除いて車内の照明を暗くして運行する。
終電後から翌日の早朝までは全編成が松亭駅のホームに集結(初電前に尾浦まで1本送り込み回送あり)。全4色が一堂に揃う。
始発駅の尾浦駅(尾浦停車場)を発車する、松亭行きの海辺列車。頭上にはスカイカプセルの高架軌道が青沙浦駅まで並走している。海雲台ブルーラインパークは東海南部線の廃線跡を活用しており、路線は元々非電化であったが、観光路線としての再開発に合わせて韓国初の蓄電池電車が導入された。また、全線単線ながら途中に3か所の行き違い設備が新設され、15分間隔または30分間隔で運行されている。
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2駅間の車内の様子。2両編成の列車の座席はロングシートで、すべて海側を向いている。夜間走行時は車窓が良く見えるよう、駅停車中と駅到着前を除いて車内の照明を暗くして運行する。自動放送は韓国語と英語の二か国語放送。
韓国初の大容量リチウムポリマー電池と充電システムを使用した蓄電池電車(韓国語:充電式電気列車)で、モーターは永久磁石同期電動機(PMSM)を採用している。車両は成信RST製。成信RSTは1990年創業で、海雲台ブルーラインパークの海辺列車の車両以外にも、現代ROTEMのOEMで韓国鉄道公社311000系・ソウル地下鉄2号線新2000系4次車・ウェリントンの近郊電車「Matangi」・カイロ地下鉄・アルマトイ地下鉄・チュニジア国鉄(SNCFT)等の電車製造を手掛け、また、宇進産電のOEMでインドネシアのメダン空港線の気動車を製造した。その他、ガボン・コンゴ共和国・タンザニア向け等の客車、国内外向けの各種ディーゼル機関車、貨車、保線車両等の製造実績もある。
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