14系客車は日本国有鉄道(国鉄)時代の1971年〜1978年に製造された客車で、寝台車251両、座席車325両の計576両が製造された。製造会社は新潟鐵工・富士重工・日本車両。国鉄分割民営化時にJR北海道に84両、JR東日本に218両、JR東海に37両、JR西日本に158両、JR九州に61両(全社計558両(他形式からの編入車両を含み、他形式への改造車両を除く))が継承された。車体は鋼製。 このうち、JR西日本から7両、JR九州から6両が2010年にマレー鉄道公社(KTMB)に譲渡された。2010年11月29日に下関港で船積みされ、同年12月11日にKlang港で陸揚げされた。譲渡された車両は以下の通りである。 ■JR西日本 オハ14 185 オハ14 257 スハフ14 11 スハフ14 202 スハフ14 204 オハフ15 23 オハフ15 42 ※この他、JR西日本所属の24系客車「オハネフ25 47」も同時期に譲渡。 ■JR九州 スハネフ14 6 スハネフ15 2 オハネ15 1102 オハネ15 1246 オハネ15 2004 オロネ15 3001 国際協力機構(JICA)が主導となって日本人専門家の派遣とKTMBのエンジニアの技術研修(JR北海道にて寝台車の保守・点検業務の研修)を実施した。譲渡された14両は現地にて塗装の変更、車軸の改造、ドアへのステップの設置等の改造が行われた。 2011年12月19日よりTumpat(トゥンパ)〜JB Sentral(JBセントラル)間723.1kmを結ぶ夜行列車「Malayan Tiger Train」(マラヤン・タイガー・トレイン)として運行を開始。1編成を用いて隔日運行されていた。しかし、車両故障等により2012年10月24日を以て営業運転を中止した。 その後、時期不明ながらGemas(グマス)〜Woodlands CIQ(ウッドランズ)間197.5kmを結ぶShuttle 61/ 62列車(各駅停車)で営業運転に復帰したが、2016年5月19日のダイヤ改正で再び運用離脱(2015年7月1日以降はGemas〜JB Sentral間195.4kmに短縮)。そして2016年9月頃によりPulau Sebang(Tampin)〜JB Sentral間247.9kmを結ぶShuttle 40/ 41列車(各駅停車)で再度営業運転に復帰した。2017年2月1日からは営業区間がGemas〜JB Sentral間195.4kmに再び短縮され、運用も主に深夜帯を走るShuttle 44/ 45列車に変更された。5〜7両編成程度で運行されており、予備編成はないため車両点検時等にはKTMBのオリジナル車両(ASCクラス)で代走となる。 座席車だけでなく寝台車も連結されるが、寝台車は電源車として使用されており客扱いはしない(施錠はされていないため、立ち入ることはできる。但し、照明・冷房装置の電源は切られている)。 なお、譲渡された14両のうち半数の7両は「Malayan Tiger Train」時代を含めてほとんど運用実績がなく、その7両は現在、Tumpat駅構内で留置(放置)されている(使われていない車両の中には唯一の24系客車も含まれている)。現在運用されている車両はすべて14系客車である。 |