仁川都市鉄道1号線

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仁川都市鉄道(仁川地下鉄)1号線は桂陽(ケヤン)〜国際業務地区(クッチェオンムジグ)間29駅29.4kmを結ぶ路線である。うち、桂陽〜橘峴(キュリョン)間は地上区間である。全区間複線(右側通行)で、架線集電方式による直流1,500V電化。軌間は1,435mm(標準軌)。ワンマン・ATO運転を実施している。車両基地は橘峴車両基地。1999年10月6日に朴村(パッチョン)〜東幕(トンマッ)間、同年12月17日に橘峴〜朴村 間、2007年3月16日に桂陽〜橘峴 間、2009年6月1日に東幕〜国際業務地区 間が開通した。

使用車両は1000系。1次車は大宇重工業製で、1998年〜1999年に4M4T(Tc-M-M-T-T-M-M-Tc)の8両編成25本(200両)が製造された。車体はステンレス製。韓国初のIGBT-VVVF制御車両で、また韓国の通勤型電車で初めてドアエンジンに電気スクリュー軸駆動式が採用された。先頭デザインは丸みを帯びたもの(俗に「トングリ」と呼ばれる形状)となり、このデザインは以後の韓国の通勤型電車で広く採用されることとなった。車体長18,000mm(先頭車18,180mm)、車幅2,830mm。加速度は3.0km/h/sで、設計最高速度は100km/h(営業最高速度は80km/h)。車両形式は桂陽寄りから1000形(Tc1)-1900形(M)-1800形(M)-1500形(T)-1400形(T)-1300形(M)-1200形(M)-1100形(Tc2)の順で、下2桁が編成番号を示す(第1編成(101F)ならば1001-1901-1801-1501-1401-1301-1201-1101となる)。

また東幕〜国際業務地区 間の開業に備えて2次車が導入された。2次車は現代ロテム製で、2007年〜2008年に4M4T(Tc-M-M-T-T-M-M-Tc)の8両編成9本(72両)が製造された。前面デザインはKORAILの5000系後期車をベースとし、電装品はソウルメトロ新2000系(215編成以降)に準じている。防犯カメラ・窓破壊装置は、韓国の通勤形電車で初採用。

現在全列車が8両編成で運転されているが、各駅のホームは10両編成分の有効長があり、プラットホームスクリーンドア(PSD)も10両分設置されている。

(路線図:管理人制作)

2007年3月16日に開通した桂陽〜橘峴間を走行する、1000系1次車。写真は仁川広域市地下鉄公社時代のもの。

橘峴にて
前面のロゴマークが「仁川メトロ」に変更された後の1000系1次車。
仁川メトロが仁川交通公社に吸収統合後も、ロゴマークは変更されていない(仁川交通公社も同じロゴマークのため)。

橘峴にて
特徴ある先頭車の前面デザイン。先頭部はFRP製で、丸みを帯びた前面形状は以後の韓国の通勤型電車のデザインの基礎となった。写真は仁川広域市地下鉄公社時代のもので、現在は先頭部側面のロゴマークは消されている。
側面のLED式行先表示機。行先表示の左に表示される数字は、先頭車から何両目かを表示したものである(号車表示ではない)。
写真のような朴村行き列車は、朴村駅到着後、橘峴車両基地へ回送される。
1000系1次車の車内の様子。不燃化改造に伴い、座席および化粧版・袖仕切・床敷物・ラインデリア・つり革等がすべて交換されている。また、車内案内表示機も液晶ディスプレイ(LCD)式に変更された。
1000系1次車の不燃化改造未施工車の車内。全車に不燃化改造が施工されたため、現存しない。
1000系1次車の不燃化改造落成時の車内。車内案内表示機は8色PDP(プラズマディスプレイパネル)を採用していたが、後に前述のとおりLCD式のものに交換された。また、網棚は不燃化改造時に撤去された。
8色PDP式車内案内表示機。韓国で唯一の採用例で、諸外国でもPDPを旅客用案内表示機に用いる例は稀であった。アニメーション機能付き。
LCD式のものに全車両交換されたため現存しない。
東幕〜国際業務地区 間開通に備えて2007年〜2008年に増備された1000系2次車。8両編成9本が在籍。

写真は仁川広域市地下鉄公社時代のもの。側面ラッピング編成。

橘峴にて
橘峴駅で離合する、1000系2次車。同駅は仁川都市鉄道1号線で唯一、ホームが地平にある。
仁川メトロ(仁川交通公社)になった後の、1000系2次車外観。前面のロゴマークが変更されている。

橘峴にて
1000系2次車の側面(戸袋部)には、「Fly Incheon」のシンボルマークが貼付されている。
1000系2次車の車内。6人掛けの座席には、中央にスタンションポールが設置されている。座席の色は水色。枕木方向にLCDが8台設置されている。また、非常時の脱出の容易化のため、ドアコックの位置が1次車は鴨居部に設置されていたが、2次車はドア横に設置されている。
側扉の鴨居部には、マップ式案内装置が千鳥配置で設置されている。既に走行した区間を赤、これから走行する区間を緑で表示する。
非常脱出窓に取り付けられた、窓破壊装置。カバーをあけてボタンを押すと、窓ガラスが割れる仕組みになっている。割れた窓を押し出して脱出する。韓国の通勤形電車で初採用。
各車両に設置された防犯カメラ。こちらも韓国の通勤形電車で初採用。各車両の両端に1台ずつ(1両あたり2台)設置されている。「CCTV作動中」の案内もカメラ下に掲げられている。
橘峴駅に隣接している橘峴車両基地。仁川都市鉄道1号線唯一の車両基地である。
2007年3月16日に開業した桂陽駅。仁川都市鉄道1号線で最初にプラットホームスクリーンドア(PSD)が設置された(開業時より設置)。橘峴〜東幕間の各駅も順次プラットホームスクリーンドアが追加設置されている。
桂陽駅では空港鉄道の列車との離合が見られる。
桂陽駅の留置線に入線する折り返し列車。
2009年6月1日に開業した、キャンパスタウン〜国際業務地区 間の6駅は、駅ごとにホームやコンコースの柱・壁などのデザインを変えている。プラットホームスクリーンドア(PSD)は開業時から設置。すべて地下駅である。
東幕駅に入線する、桂陽行きの列車。
仁川都市鉄道1号線橘峴駅に入線する、国際業務地区行きの1000系1次車。
仁川都市鉄道1号線橘峴駅で離合し、発車する1000系2次車。
大きくカーブした橘峴駅に到着〜発車する、桂陽行きの仁川交通公社1000系2次車。
仁川都市鉄道1号線橘峴駅に入線する、国際業務地区行きの1000系2次車。

仁川交通公社1000系1次車走行音(桂陽→橘ヒョン)IGBT-VVVF制御で、制御装置はGECアルストム製。
Tc-M-M-T-T-M-M-Tc(4M4T)の8両編成。
ドアエンジンは韓国初の電気スクリュー軸駆動式。また、韓国初のIGBT-VVVF制御車両。頻繁に回生失効する。
仁川交通公社1000系1次車走行音(鵲田→京仁教大入口)
仁川交通公社1000系1次車走行音(朴村→林鶴)
仁川交通公社1000系1次車走行音(新延寿→源仁斎)2012年7月1日より、乗換駅到着時及び終着駅到着時は自動放送の前に仁川交通公社のロゴソングが流れる。
ロゴソングの歌詞は「ヘンボグル マンナゴ、サランイ トンハヌン セサン、インチョンキョトンコンサ(幸福ウル マンナゴ、サランイ 通ハヌン 世上、仁川交通公社)」
(幸せに会い、愛が通じる世の中、仁川交通公社)

乗換駅では、韓国語・英語・中国語・日本語の順の4ヶ国語放送が流れる。
仁川交通公社1000系1次車走行音(林鶴→朴村)朴村行き列車で収録。終着駅到着時は自動放送の前にモーツァルトの「ディヴェルティメント第17番ニ長調 K334 第3楽章 メヌエット」が流れていた(現在は上記のロゴソングに変更された)。
仁川交通公社1000系1次車走行音(東樹→富平)乗換駅到着時は自動放送の前にヘンデルの「ハープ協奏曲変ロ長調op.4-6 hwv294 第1楽章」が流れていた(現在は上記のロゴソングに変更された)。
仁川交通公社1000系2次車走行音(桂山→京仁教大入口)IGBT-VVVF制御で、制御装置は現代ロテム製。
Tc-M-M-T-T-M-M-Tc(4M4T)の8両編成。
仁川交通公社1000系2次車走行音(東春→東幕)
仁川交通公社1000系2次車走行音(東幕→国際業務地区)2009年の延伸区間 全区間を収録。
仁川都市鉄道1号線接近チャイム+接近放送(東幕行き)接近チャイムは仁川交通公社オリジナルの、船の汽笛とカモメの鳴き声をイメージしたものである(港都市・仁川を表現している)。

関連ページ:仁川都市鉄道1000系2次車登場仁川都市鉄道国際業務地区駅

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