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今回のイベントでは、TB-7編成の8007号車の前面にKCI(PT Kereta Commuter Indonesia)色ラッピングが施され、さらにTB-3編成の8003号車の前面には、かつて「伊豆のなつ号」カラーのまま運行された東急8000系8007Fを模した装飾が施された。日本でKCIカラーのラッピング車両が走るのは史上初のことであった。
当日は、まず伊豆高原電車区にてTB-7編成の8007号車、TB-3編成の8003号車の撮影会が行われた。撮影会終了後、TB-7編成が伊豆高原→伊豆急下田
間を貸切列車として運行。伊豆急下田駅構内でもTB-7編成単独の撮影会が行われ、最後に伊豆急下田→伊豆高原 間で同編成による復路の貸切列車が運行された。
主催は毎度お世話になっているKLB様である。当管理人もご招待頂いたため、有難く参加させて頂いた。なお、ラッピング実施にあたり、事前にKCIより公式な許諾を頂いている(「JABODETABEK COMMUTERS NEWS」管理人のパクアン急行様経由で許可を取得頂いた)。この日のために数々の調整、準備等を頂いた関係者の方々にはこの場を借りて心から感謝申し上げる。
2021年11月14日に向けて、伊豆高原電車区にて縦列でラッピング・塗装作業が進められるTB-3編成8003号車とTB-7編成8007号車。ラッピング・塗装作業は2021年11月11日頃より開始された(スカートは塗装、車体前面はラッピングにて施工)。
伊豆高原にて2021年11月13日撮影
ラッピング作業が進められいるTB-7編成8007号車。
伊豆高原にて2021年11月13日撮影
撮影会当日の朝。伊豆高原電車区に並ぶ2100系「THE ROYAL EXPRESS」や8000系の中に、ひときわ存在感が際立つ赤に黄帯の電車が鎮座していた。
1日限りでインドネシアカラーに変身した、8003号車と8007号車の貸切撮影会。
8003号車(写真左)は「伊豆のなつ号」の塗装のまま2005年から2008年にかけて現地で走った8007Fの姿を忠実に再現している(運転台上の車両番号表記も「8007」に変更された)。
8007号車(写真右)は現行の8000系のカラーリングを再現している。また、行先表示器は主催者自作のフルカラーLEDを装着し、現地の行先等を順次切り替えて表示した。
並ぶ2つの8007号車(インドネシアでの姿、ビフォア・アフター)。
助士席側窓には、現地の行先表示を掲示。プレートは複製品だが、主催者のこだわりで本物と見紛うばかりの再現度である。
行先表示は方向幕風のものを順次変更して掲出された。右側の「TIDAK UNTUK PENUMPANG」は回送の表示。
フルカラーLEDを用いた「CIKINI-GONDANGDIA」の表示。勿論、ジャカルタ鉄道ファンのカラオケの十八番である、Duo Anggrekの「Cikini
Gondangdia」をオマージュした表示である(同歌の公式PVはこちらで視聴可能。205系の車内でロケが行われている)。
Bogor行きとJakarta Kota行きの表示。Jakarta Kota行きのLED表示は、現地のフォントと合わせている。この他にも、LEDではCommuter
Lineの各行先、電化開通間もないジョグジャカルタ地区の行先、はたまたMRT Jakartaや東急の行先表示等も表示された(100パターン近くのバリエーションがあったため、全パターンの掲載は割愛)。
次々と変わる行先表示を前に、シャッター音が鳴り止むことはなかった。
LEDを取り外して方向幕の掲示。実際にはない幕ながら、東急風のフォントにしているのもこだわりを感じる。
8003号車を真正面から。貫通扉にPT KAIの旧ロゴ風のステッカーを貼り、スカート周りをオレンジ色に変更した。
8007号車を真正面から。前面をKCIカラーにフルラッピングし、スカート周りを赤色に、ライトケース周りを白色に塗装した。車両番号はKCIの8003Fのように、東急時代のフォントのものが再現されている(参考までに実際の8007号車は2021年現在、黄色の帯が細帯仕様である)。
なお、予算や工期等の都合上、装飾を施したのは8007号車の前面のみで、両側面や反対側の先頭車の8252号車は装飾されていない。
8007号車の貫通扉に旧KCJ(PT KAI Commuter Jabodetabek)のロゴマークのプレートを掲出しての撮影も行われた。
なお、東急8000系はKCJ時代はPT KAIの所属車両であったため、KCJロゴのプレートを設置した車両は現地では存在しなかったのはご愛敬(KAI所属の車両は2017年9月にKCIに移籍し、移籍後の2018年〜2020年にKCIの白地のプレートが設置されていた)。
参考までに、KCIの8000系の実車の姿(2019年10月時点)。写真の8004号車は2016年より前面窓がポリカーボネートに試験的に交換されて金網が撤去されているほか、2019年7月には東急フォントによる車両番号表記が復活した。
方向幕を東急時代のものにし、助士席側にジャカルタ仕様の行先表示板を掲出。
エコノミーACのサボと、DURI行きの表示。
2018年1月よりKCIにて掲出されている緑色の編成札も助士席側に掲出。
BOGORとJAKARTA KOTAのダブル掲出。現地でもこの写真のように両方掲出されている場合も稀にある。
自作の模型とともに、インドネシア仕様の東急8000系3並び。
撮影会を終え、伊豆高原電車区を出庫するTB-7編成。いよいよこれからKCIカラーの車両が本線上を走行する。
伊豆高原駅3番線に入線。
KCIカラーの8007号車を先頭に、貸切列車として伊豆高原から伊豆急下田まで走行する。インドネシアで見慣れたカラーリングの車両が日本で走る姿は感無量である。なお、KCIの運行区間にトンネルはないため、トンネルから出てくるKCIカラーの車両が見られるのは本日限定である。
伊豆大川〜伊豆北川にて
同地点を走る姿を空撮。
海をバックに走る、KCIカラーの列車。気分は「伊豆のなつ号」ならぬ「ジャカルタの常夏号」!
なお、KCIの運行区間に海沿いを走る区間はない。
片瀬白田〜伊豆稲取にて
青い海と赤い顔の電車のコントラストが美しい。
片瀬白田〜伊豆稲取にて(空撮)
伊豆急下田に到着した貸切列車。伊豆急行線を定期列車で走る全車両形式が一堂に会した。
E257系の両側に並ぶ、2色の8000系。この日限りの特別な並びである。
伊豆急下田駅構内にて撮影会第2段(TB-7編成撮影会)開始。隣には留置中のE257系2000番台(NA-02編成)が並ぶ。
「団体特別(KRL ISTIMEWA) ジャカルタ・コタ」表示のTB-7編成。今回の貸切列車にふさわしい表示。
(なお、実際の本線走行時は「団体」表示であった)
伊豆急下田でも行先掲出内容を順次変更して撮影会が行われた。
かつての花形列車、EKSPRES AC(冷房付き急行列車)「PAKUAN BOGOR」の姿を再現。
エコノミーAC(Ekonomi AC)表示。
以下、路線別に掲げられた行先表示板を紹介する(バリエーションが紹介しきれないほど多かったため、一部割愛)。
まずは、中央線ボゴール線・環状線系統。路線記号(中央線=Central Lineの「C」)表記付きのJAKARTA KOTA行き。
MANGGARAI行き。
DEPOK行き。
BOGOR行き。
DURI行き。
環状線経由JATINEGARA行き。環状線のラインカラーはオレンジ。
続いてBekasi線(Cikarang線)。ラインカラーは水色。
Bekasi線のJAKARTA KOTA行き。
BEKASI行き。
ピンク色のラインカラーのTanjung Priok線。
KAMPUNG BANDAN行き。
TANJUNG PRIOK行き。
黄緑色のラインカラー、Serpong線。
RANGKASBITUNG行き。(8000系は通常Serpong線の運用には入らない)
そして電化開業で話題のジョグジャカルタ地区。8000系による幻のYOGYA(ジョグジャ)行き!
(ジョグジャカルタ地区は2021年11月現在、KFWと205系のみの運行である)
この日のために数えきれないほどの行先表示等の装飾の準備をして頂いた主催者には本当に頭が下がる。
おかげさまで非常に充実した撮影会となった。
再び自作の模型とともに。
伊豆急下田駅構内での撮影会を終え、伊豆急下田駅2番線に入線する復路の貸切列車。
2100系「THE ROYAL EXPRESS」と並ぶ貸切列車。
復路は貸切列車に乗車して伊豆高原に戻る。
車内にも当日限りの装飾が施され、参加者はビンタンビールを片手に車内で思い思いの時間を過ごしていた。
稲梓駅で特急「踊り子」号と離合する。
終着の伊豆高原駅に到着。
伊豆高原駅2番線に停車したKCIカラーの8000系の両側を、定期列車が行き交う。
日も暮れた伊豆高原で、E261系「サフィール踊り子」と並ぶ。
伊豆高原電車区入庫のための入換。これがKCIカラーでの最後の本線走行となった。
翌日(2021年11月15日)にはTB-3編成・TB-7編成共にラッピングの解除、スカートの塗装の原状復帰が完了した。
関係者の皆様、夢のような1日を誠にありがとうございました。
2021年11月14日、インドネシアで活躍する元 東急8000系をイメージしたラッピングを施した伊豆急行8000系の撮影会及び貸切列車の運行が行われた。
当日の伊豆高原電車区・伊豆急下田駅構内での撮影会の様子、並びに貸切列車の走行の様子を紹介する。
Full HD Video (空撮部のみ4K画質)
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