Ferrocarril General Bartolomé Mitre(略称:FCGBM、日本語訳:バルトロメ・ミトレ将軍鉄道)、通称Mitre(ミトレ)線は首都ブエノスアイレス特別区とアルゼンチンの5つの州にまたがる広大な路線網を持つが、このうちブエノスアイレスの近郊で都市鉄道が運行されている。都市鉄道運行区間は全5路線(総延長180km)で、うち57.5kmが電化。都市鉄道の運営は2015年3月2日より国営の「Ferrocarriles
Argentinos Operadora Ferroviaria」。以下、Mitre線のうち、近郊電車が運行される電化区間について紹介する。
電車の運行区間はRetiro〜Tigre間、Retiro〜José León Suárez間、Retiro〜Bartolomé
Mitre間の3系統である。第三軌条集電方式で、電圧は直流830V。軌間は1,676mm(広軌)。全区間が左側通行の複線である。
列車は6両編成で運転される。車両は長らく「Toshiba」と呼ばれる日本製(日本車両・川崎重工・近畿車輛・東急車輛製)及びアルゼンチン製の電車で運行されていたが、2014年11月から2か月半ですべての車両が中国南車製のものに置き換えられた。
Retiro〜Tigre間がFerrocarril del Norte de Buenos Aires、その他の区間がFerrocarril
Buenos Aires a Rosarioによって1862年〜1891年に順次建設され(両社ともイギリス資本の鉄道会社)、その後両社は共にFerrocarril
Central Argentinoに吸収合併された。1948年にはアルゼンチンのすべての鉄道が国有化されたが、道路交通の発達に伴い財政が悪化したため、1991年より路線別に順次民営化が行われた。Mitre線は民営化準備のため1991年〜1995年に政府出資のFerrocarriles
Metropolitanos SA(FEMESA)が暫定的に運営した後、1995年より民間会社のTrenes de Buenos Aires(TBA)による運営を開始した。しかし、民営化によって逆に車両や施設の近代化が遅れ、サービスの低下が深刻化し、2011年・2012年には同社が運営するSarmiento線で重大事故が立て続けに発生したため、2012年より再度国有化されることになった。2012年〜2014年にTBAが運営していたMitre線・Sarmiento線を引き継ぐために暫定的に設けられた政府出資会社のUnidad
de Gestión Operativa Mitre-Sarmiento (UGOMS) 、2014年〜2015年3月2日まで同様に政府主管の非公開会社Corredores
Ferroviariosが運営を行い、2015年3月2日より現運営体制に至る。
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(路線図:管理人制作) |
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