桃園捷運 機場線(桃園機場捷運)
ジーチャン線(タオユェン・ジーチャン・ジエユン) / Taoyuan Airport MRT

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桃園捷運機場線(別称:桃園機場捷運)は台北車站(タイペイチャージャン)〜環北(ファンベイ)間21駅51.0kmを結ぶ路線である。うち、地下区間は台北車站付近、体育大学付近、機場第一航廈〜機場旅館 間、環北駅付近で、残りは地上区間である。全区間複線(右側通行)で、第三軌条集電方式による直流750V電化。軌間は1,435mm(標準軌)。営業最高速度は100km/h(設計最高速度は110km/h)。保安装置はATO・ATC・ATP、信号システムはCBTC(Communications-Based Train Control)である。車両基地は青埔機廠と蘆竹機廠の2箇所。路線は台北市、新北市、桃園市に跨っている。

2017年3月2日に現営業区間が開通した(2017年2月2日にプレ開業)。

列車種別は「直達車」と「普通車」の2種類。「直達車」は台北車站〜機場第二航廈 間の運行で、途中停車駅は新北産業園区、長庚医院、機場第一航廈。全区間(台北車站〜機場第二航廈 間)の所要時間は38分。「普通車」は各駅停車で、所要時間は台北車站〜機場第二航廈 間で51分、全区間(台北車站〜環北 間)で79分。両種別とも15分間隔での運行(「直達車」と「普通車」の運行割合は1:1)で、通常、上下線とも長庚医院にて緩急接続を行う。運賃は「直達車」・「普通車」とも同一(「直達車」に乗車しても特別料金は取られない)。列車は「直達車」が5両編成(うち1両は荷物車)、「普通車」は4両編成で、使用車両は「直達車」が2000型、「普通車」が1000型。詳細は別ページにて紹介する。こちらをご覧ください。

台北車站ではインタウンチェックイン(ITCI)サービスを実施しており、搭乗便出発時刻の3時間前まで利用できる。対応している航空会社はチャイナエアライン、エバー航空、マンダリン航空、ユニー航空の4社。インタウンチェックインで預けられた荷物は、「直達車」の台北車站寄り先頭車の荷物車に搭載されて桃園国際空港まで輸送される(将来的に新北産業園区駅でもインタウンチェックイン対応予定)。

当路線は1997年に計画策定され、2003年に計画中止となった「中正機場捷運」(空港〜西門 間)及び1993年に計画策定された「桃園捷運藍線」をベースに整備された。当初、両路線は別々に整備される予定であったが、その後両路線が一体整備されることとなり、「中正機場捷運」は当初予定より各種規格の変更(ゴムタイヤ式→鉄輪式、複々線→複線、勾配の緩和)及び始発駅の変更(西門→台北車站)、途中駅の位置の見直しが行われた。機場線は最大勾配49.2‰、軌道最小曲線半径100mと急勾配・急曲線が多いが、それはゴムタイヤ式で整備予定であった「中正機場捷運」計画をベースにしているのも一因である。急勾配(特に下り勾配)、急曲線では徐行運転を強いられており、当路線のスピードアップの妨げになっている。

当初、2012年12月に部分開業(機場第一航廈〜高鐡桃園 間)、その後も順次延伸し2014年10月に全線開業予定であった。しかし、試運転時に各種不具合が多発し、7度もの開業延期を経ての全区間開業となった。

(路線図:管理人制作)

「直達車」で使用される2000型。前面は紫色のカラーリングで、車内は座席向き固定のクロスシート。台北車站〜機場第二航廈 間を38分で結ぶ。5両編成で、台北車站寄り先頭車はインタウンチェックインで引き受けた荷物を搭載するための専用車両である。

泰山にて
「普通車」で使用される1000型。前面は青色のカラーリングで、車内はロングシート。車両の性能は1000型・2000型とも極力仕様を合わせており、急勾配に対応するため全車両が電動車である。

泰山にて
桃園捷運の台北車站の駅舎外観。台鐵の駅舎の西側にあり、地下通路で台鐵・高鐡・台北捷運の台北駅及び台北捷運の北門駅と結ばれている。
台北車站の駅舎内の吹き抜け。改札は地下1階及び地下2階、ホームは地下3階にある。
タクシー乗り場は地下1階にある。
送迎用停車場(乗用車・タクシー・小型バス用)も地下1階に設けられている。
地下1階のインタウンチェックイン(ITCI)のカウンター。チャイナエアライン、エバー航空、マンダリン航空、ユニー航空の乗客が利用できる(コードシェア便を除く)。
チェックインカウンターの横に併設されている自動手荷物預け機。
チェックインカウンター付近にある、桃園国際空港の発着便案内。
地下1階の改札口。
地下3階の直達車専用のホーム。1面2線で、地下2階から吹き抜けとなっている。通常、1線のみ使用している。
地下3階の普通車専用のホーム。1面2線で、こちらは吹き抜け構造ではない。通常、1線のみ使用している。また、このホームの南側に留置線1線がある。
淡水河を地下で越え、新北市に入ると地上に出る。

三重にて
三重駅の外観。円形の屋根で覆われている。改札外で中和新蘆線の三重駅と連絡通路で結ばれている。(桃園捷運と台北捷運は別料金)
三重駅のホーム。地上駅としては機場線唯一の1面2線の島式ホームである。
大台北都会公園の脇を行く機場線の電車。
新北産業園区駅に入線する直達車。当駅は2面4線で、中央2線(本線)に直達車、両脇2線(副本線)に普通車が発着する。ホームが分けられているが、現状のダイヤでは当駅での緩急接続は行われない。
新北産業園区駅の台北車站寄りには、台北捷運環状線(未開業)のホームへの連絡通路が既に整備されている(開業するまで閉鎖中)。
新荘副都心〜泰山 間では快速公路五股土城線の高架道路を跨ぐため、アップダウンが大きくなっている。
泰山貴和〜体育大学 間は山間部を行き、連続急勾配(体育大学方面への連続上り勾配)が続く。
泰山貴和〜体育大学 間の車窓。高架は最も高いところで高さ47m(ビル14階相当)もある。
長庚医院駅。2面4線で、中央2線(本線)に直達車、両脇2線(副本線)に普通車が発着する。当駅では終日、「普通車」と「直達車」の緩急接続を行う。
長庚医院駅を発車する、機場第二航廈行きの直達車。

長庚医院〜林口にて
長庚医院駅を発車する、環北行きの普通車。

長庚医院〜林口にて
長庚医院〜林口 間で離合する普通車。
長庚医院〜林口 間で離合する普通車と直達車。

林口にて
林口駅は中央に通過線(本線)を備え、両脇の副本線に相対式ホームがある。直達車は通過線を走行する。
林口駅にて副本線に入線する普通車。
林口駅にて通過線(本線)を通過する直達車。
林口〜山鼻 間では再び山間部を行く。
林口〜山鼻 間の車窓。高い高架と連続急勾配(山鼻方面への連続下り勾配)が続く。当駅間は8.4kmあり(機場線で最長駅間距離)、途中に本線両脇に副本線を備える緊急停車駅がある(緊急時以外未使用)。
連続急勾配を下り終わり、山鼻駅に入線(通過)する直達車。連続下り勾配で徐行運転を余儀なくされており、スピードアップの妨げとなっている。
坑口駅の東側にある蘆竹機廠。坑口駅のホームから見える。
坑口駅を出ると、急勾配で地下へと向かっていく。

坑口〜機場第一航廈にて
機場第一航廈駅(空港第1ターミナル)のコンコース。天井には世界の主要都市の経緯度が刻まれている。改札口は地下2階、ホーム(1面2線)は地下3階にある。

なお、機場第一航廈〜機場第二航廈〜機場旅館の駅間のみ乗車する場合、ICカード利用時に限り無料となる。
機場第二航廈駅(空港第2ターミナル)のコンコース。天井には世界の主要都市の標準時間帯(タイムゾーン)が刻まれている。改札口は地下2階、ホーム(2面2線)は地下3階にある。
当駅から先、環北方面は普通車のみの運行。
機場旅館駅。ホテル「Novotel台北桃園国際空港」に隣接しており、実質、同ホテル利用者のための駅である。改札口は地下2階、ホーム(1面2線)は地下3階にある。
ホームがライトアップされた大園駅に停車中の環北行き普通車。当駅から興南までの各駅は、上下線のホームが前後に少しずれている。
横山駅に入線する台北車站行きの普通車。当駅の周りはのどかな風景が広がっている。
横山駅に入線する環北行きの普通車。
領航駅の東側に隣接する青埔機廠。機場線のメインの車両基地である。
領航駅に入線する台北車站行きの普通車。建物が近くにある急曲線では、防音壁が整備されている。
高鐡桃園駅付近で台湾高速鉄道(高鐡)と並走する機場線の電車。機場線は15分に1本の運転で、高鐡も運行本数は多くないが、丁度タイミングよく並走シーンが見られた。

高鐡桃園〜領航にて
台北車站行きの普通車と、高鐡桃園駅発桃園国際空港行きの統聯客運のバスが同時に高鐡桃園駅を発車する。
機場線開通後も統聯客運のバスは存続しており、高鐡桃園駅〜機場第一航廈(空港第1ターミナル)間の所要時間は機場線18分に対してバスが約10分、運賃も機場線が35元に対してバス30元と、利便性では統聯客運に軍配が上がる。
桃園体育園区に入線する環北行きの普通車。高鐡桃園の周辺は高鐡の開通によって再開発が進められている。
桃園体育園区にて高鐡と顔を合わせる機場線の電車。
環北駅の手前で列車は勾配を降りていく。

興南〜環北にて
中山高速公路(写真奥)をアンダーパスし、環北駅に向けて地下へと潜っていく。

興南〜環北にて
現在の終点の環北駅。1面2線の地下駅。この先、2018年開通を目標に中レキ車站までの延伸工事が進められている。
長庚医院駅では上下線とも普通車と直達車の緩急接続が行われる。

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林口駅はダイヤ上、上下線の普通車・直達車が連続してやって来る。桃園捷運機場線で唯一、通過線が設けられた駅で、直達車は通過線を走行する(この駅で普通車が直達車の通過待ちをすることは、通常ダイヤでは皆無)。

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泰山駅を高速で通過する台北車站行きの直達車と、発車する環北行きの普通車。

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山鼻駅を発車する台北車站行き普通車と、高速で通過する機場第二航廈行き直達車。

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終電発車前には終電案内の肉声放送が流れる。映像は環北行き普通車の終電案内(停車中の電車は機場第二航廈行き直達車の終電)。

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次列車発車時刻案内表示
各駅のコンコース付近に設置されている。案内を中国語と英語で表示する。
発車時刻の表示は、は始発駅以外では現在の時刻と次の列車の到着までの時間から算出している模様で、
電車の運行状況により適宜変動する。
ホーム上発車案内表示(1)
次列車の発車時刻や現在時刻等を中国語・英語で表示する。
写真は次列車が「直通車」の場合の表示で、英語では「Express」と案内している。
ホーム上発車案内表示(2)
写真は次列車が「普通車」の場合の表示で、英語では「Commuter」と案内している。
ホーム上発車案内表示(3)
写真は次列車が通過列車の場合の表示で、下にその次の停車列車の時刻も併せて表示する。
ホーム上発車案内表示(4)
何らかの不具合により再起動しているところ。OSはWindows XPの模様。

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