フィリピン国鉄(PNR)8000・8100 Series

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フィリピン国鉄8000 Series(8000系)・8100 Series(8100系)は、2019年〜2020年に製造された液体式気動車である。3両編成を8000 Series、4両編成を8100 Seriesと区分している。全車両がインドネシアのPT. INKA製。

8000 Seriesは2M1T(Mec1+T1+Mec2)の3両編成で、2019年に2本(6両)が製造された。2019年12月16日より営業運転を開始し、2019年12月16日にはDela Rosa駅で出発式が行われた。また、同日から2020年1月14日までは試運転を兼ねたプレ運行期間として無料で乗車できた(定員制)。主にTutuban〜FTI間で運行されている。

8100 Seriesは2M2T(Mec1+T1+T2+Mec2)の4両編成で、2019年〜2020年に4本(16両)が製造された。最初の2編成が2020年2月9日にマニラ港で陸揚げされ、同14日にTutuban駅で「バレンタインギフト」と銘打ってお披露目式が行われた。2020年2月18日からは試運転を兼ねたプレ運行を開始した(無料で乗車可・定員制)。2020年3月29日には残りの2編成がマニラ港で陸揚げされた。

8000 Seriesと8100 Seriesは編成両数以外はほぼ同一仕様である(T2車は8100 Seriesのみ連結)。車体は軽量ステンレス製で全面塗装されている。フィリピン国鉄初のPT. INKA製車両で、LED式行先表示器・LED式案内表示器・自動放送・車内防犯カメラはフィリピン国鉄で初めて採用された。車内設備は現代ROTEM製のDMR1に倣っており、車内はオールロングシート。窓はポリカーボネートまたは強化ガラスが使用され、投石除けの金網は省略された。車両寸法は長さ20,000mm×幅2,990mm×高さ4,028mm。最高速度は100km/h。

なお、フィリピン輸出前に、インドネシアのPT.KAIの本線上(Madiun近郊)にて試運転が行われている。

参考サイト:Asian Railway Plaza

編成 Mec1 T1 Mec2
TS1 8001 8002 8003
TS2 8004 8005 8006
編成 Mec1 T1 T2 Mec2
TS1 8101 8102 8103 8104
TS2 8105 8106 8107 8108
TS3
TS4
※2020年2月現在

2019年12月より営業運転を開始した8000 Series。2009年に導入された現代ROTEM製のDMR1から約10年ぶりの新製車両である。写真は第2編成(TS2)。

Dela Rosa〜Pasay Roadにて
車両を少し横がちに見る。混雑緩和のため3扉車で、ドア窓は側窓と比べて天地寸法が少し短い。前面デザインはPT. INKAのインドネシア国内向け車両(スカルノハッタ空港鉄道のSeri EA203電車、地方空港線向け電気式気動車)に類似している。

Dela Rosa〜Pasay Roadにて
Pasay Roadに停車中の8000 Series。なお、8000・8100 Seriesは車体幅が2,990mmあり、既存車両よりも広い(203系:2,800mm、DMR1:2,850mm)。このため、ホームと車体が接触する恐れがある一部の駅では、軌道を中心寄りに若干移設した(移設した駅では、写真のようにホーム付近の軌道上の雑草が移設時に除去され、軌道が若干中心寄りに曲がっているのが確認できる)。
EDSA駅を発車する8000 Series第1編成(TS1)。
線路脇にスラムや自動車の修理・解体を行う「青空工場」が広がる、Tutuban北側のデルタ線付近を行く。

Blumentritt〜Tutubanにて
砂煙を上げて走り去る。前面行先表示器は運行区間等を表示するが、運行列車によって表示内容がバラバラであるため、任意の文字を運転台で入力できる仕組みになっているのかもしれない。
Tutuban駅に停車中の第2編成。
台車。ボルスタレス台車を使用している。台車もPT. INKA製で、銘板が確認できる。
ドア脇に掲げられている、Prioritize Passengers to Disembark(降車優先)の表示。インドネシア国内の鉄道車両で使用されているものとほぼ同デザインである。
先頭車の車内。
中間車の車内。
座席はFRP製で、DMR1と同様にオレンジ色。
側窓はロールカーテンが設置されている(DMR1では省略されていた)。
ドア付近には三叉のスタンションポールが設置されている。
ドア周り。
車椅子スペース。車椅子固定器具も設置されている。
車内案内表示器。LED式で、各車両に枕木方向に両面2か所設置されている。LED式案内表示器はPNRの車両では初採用。
防犯カメラ。各車両の両車端部に設置されている。
車端部の非常用インターホン。
車端部。
貫通扉。
PT. INKAの製造所銘板。
乗務員室背後の扉の脇に排気管が設置されている(排気管は先頭車のみ設置)。
乗務員室仕切り。乗務員扉には小窓が設置されている。なお、進行方向先頭の車両は従前どおり女性専用車となる。
運転台の様子。マスコンは力行5段(P1〜P5)で、制動は常用制動7段(B1〜B7)と非常制動1段。手前に引くと制動、奥に押すと力行(欧米式)である。
2020年2月18日から運行を開始した8100 Series。先に登場した8000 Seriesの4両編成バージョンである。

Blumentritt〜Tutubanにて
EDSA駅を発車する8100 Series。
Tutuban駅に停車中の8100 Series。左側は8000 Series。
妻面のPT. INKAの製造所銘板。
8100 Seriesは2M2T(Mec1+T1+T2+Mec2)の4両編成で、中間車はいずれもT車である。写真はT1車。
T2車。8100 Seriesにのみ連結されている。T2車は基本的にT1車を点対称とした構造で、床下配線はT1車に合わせた向きとなっている。
窓はAPT Asia Pacific Pty Ltd製で、製造国はアメリカである。
2019年に3両編成2本が製造され、2019年12月16日より営業運転を開始した8000 Series(8000系)。インドネシア・INKA製の気動車で、2009年に製造されたHyundai Rotem製気動車から10年ぶりの新製車両である。車両の外観や内装、自動放送等はインドネシア国内向けのINKA製の車両のものと類似している。自動放送・LED式車内案内表示器はフィリピン国鉄の車両で初導入。

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2019年〜2020年に4両編成4本が製造され、2020年2月18日より営業運転を開始した8100 Series(8100系)。インドネシア・INKA製の気動車で、2019年に製造された8000 Serirs(8000系)の4両編成バージョンである。

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