ミャンマー国鉄元 JR東海キハ48形

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キハ48形は非電化路線向けの一般形気動車として、日本国有鉄道(国鉄)時代の1977年〜1982年に製造された車両である。製造会社は新潟鐵工・富士重工。全126両のうち、JR東海には40両が国鉄分割民営化時に継承された。車両寸法は長さ21,300mm×幅2,930mm×高さ4,055mm。最高速度は95km/h。車体は鋼製。

JR東海所属車は1990年度〜1991年度に全車両が冷房化改造され、またカミンズ製エンジンへの換装が1991年〜1992年(「C-DMF14HZ」化)及び1994年〜1999年(「C-DMF14HZB」化)に行われた。高山本線・太多線・紀勢本線・参宮線(・1999年までは武豊線)で運行されていたが、後継のキハ25形の導入に伴い、2015年より置き換えが進んでいる。廃車となった車両のうち、35両が2015年度にミャンマー国鉄へ順次譲渡されている。

現地到着後、ドアへのステップ・手すりの設置、車軸の改造、屋根上のベンチレーター・水タンクの撤去等の改造が施された。また、RBEで初めて、車内に防犯カメラが新たに設置された(各車両2台+乗務員室1台)。塗装はJR東海時代のままで、現地の車両番号が前面・側面に赤字で追加されている。

2015年7月5日より5両編成で営業運転を開始した。営業開始後はヤンゴン環状線で運賃300チャットのアトゥーヤター(アトゥー:特別、ヤター:列車)として運行され、自動ドアは常時使用されていたが、2016年5月9日より冷房の使用を中止し運賃を200チャットに値下げ、さらに2016年7月1日より環状線の全列車の運賃が100チャットに値下げされた。また、一部編成はヤンゴン-マンダレー線のYangon〜Bago間の普通列車としても運行されているほか、マンダレー地区に転属した車両も存在する。

【新旧車両番号対照表(JR東海時代→ミャンマー国鉄、の順に表記)】
■2015年5月にミャンマーに到着した第1陣(7両)
キハ48 3814:RBE3027
キハ48 3816:RBE3028
キハ48 5511:RBE3029
キハ48 5513:RBE3030
キハ48 5805:RBE3031
キハ48 6803:RBE3032
キハ48 6813:RBE3033

2015年7月5日より最初の1編成がヤンゴン環状線で営業運転を開始したキハ48形。Yangon駅基準で東側からRBE3032(キハ48 6803)+RBE3033(キハ48 6813)+RBE3031(キハ48 5805)+RBE3029(キハ48 5511)+RBE3028(キハ48 3816)の5両編成でデビュー。先頭のRBE3032は「大府」表示(本当の行先は前面窓に掲示)。

Pha Yar Lan〜Yangonにて
ヤンゴン-ピィ線直通Hlawga行き運用に就くRBE3028(キハ48 3816)+RBE3029(キハ48 5511)+RBE3031(キハ48 5805)+RBE3033(キハ48 6813)+RBE3032(キハ48 6803)。先頭のRBE2028は「名古屋」表示

Mahlwagonにて
ヤンゴン環状線とヤンゴン-マンダレー線との路線別複々線区間を行くRBE3032(キハ48 6803)以下5両編成。

Mahlwagonにて
Mahlwagonに停車中の、ヤンゴン環状線反時計回りのMingaladon行き。ミャンマー国鉄の各ホームは低床のため、増設されたステップを使って乗降する。
Insein駅で並ぶ、JR北海道とJR東海のキハ48形。
Pazundaung駅で並ぶ、JR西日本のキハ181形とJR東海のキハ48形。両者ともヤンゴン環状線で活躍。
ミャンマー国鉄の最主要駅、Yangon駅(ヤンゴン中央駅)に停車中のキハ48形。日本で引退してからわずか4か月弱でミャンマーの地での再起を果たした。
突然のスコールに打たれるキハ48形。

Yangonにて
Hletan駅を発車し、掘割の中を行く。「ワンマン」表示灯も点灯している(実際にはワンマン運転ではない)。
警笛を鳴らしてKamayut駅を発車。
駅構内が線路市場となっているDanyingon駅に停車中のHlawga行き。
終点のHlawga駅に到着。都会の喧騒を離れて、折り返しまでの数十分間の一休み。
Yangon Repair Shop(Yangon工場)で改造・整備中のRBE3027(キハ48 3814)+RBE3030(キハ48 5513)。床下機器や車体の腐食箇所等は再塗装され、美しい姿に蘇っている。
上から見たキハ48形。屋根上のベンチレーター・水タンクは撤去されている。キハ47形・キハ11形のデビューに合わせて、行先表示部には「アトゥーヤター」のステッカーが再度貼付された。
撤去されたベンチレーター・水タンク部の拡大。代わりに塞ぎ板が追加された。
道路橋の下を通過する。ヤンゴン環状線の高さ方向の建築限界は3,600mmのため、道路橋のアンダーパスはギリギリである。

Hletanにて
車両側面にはJR東海時代の車両番号表記の横に、ミャンマー国鉄の車両番号が追記された。
新設されたインテーク(空気取入口)。車体色に合わせて塗られている。
JR東海時代の優先席ステッカーもそのまま残されている。
側面の「ワンマン」表示灯と車外スピーカー。
「切符300チャット」と書かれた緑色のステッカー。
RBE3032(キハ48 6803)の車内の様子。冷房装置は床下搭載型のため低屋根化はされておらず、JR東海時代の面影を色濃く残している。窓の上半分には冷房効果を高めるために遮光フィルムが貼られている。
デッキ・トイレ周り。キハ48形はもともと全車両デッキ仕切り付きだが、ワンマン改造された3800番台、5300番台、5800番台、6300番台、6800番台はJR東海時代にデッキ仕切りが撤去されている。写真はRBE3031(キハ48 5805)。
ワンマン非対応車のRBE3029(キハ48 5511)。デッキ仕切りが存置されている。
ミャンマー国鉄にて新たに設置された防犯カメラ。各車両とも客室内に2基ずつ設置されている。RBEでこのような改造が施されるのは初めてである。
防犯カメラ(CCTV)が設置されていることを示す車内のステッカー(RBE3031(キハ48 5805))。
ドアボタン・ドアステッカーも存置されている。一部列車にてドアを半自動扱いにしてドアボタンを使用しているのを確認した(原則は自動開閉)。
トイレは締め切りにしている。トイレのドアには「開けるな」のステッカー。
乗務員室仕切り。
運賃表示器が存置されている車両もある。
運転台。ドア開閉は運転台のドア開閉スイッチにて運転士が行っている。
乗務員室(運転台側)の上にも防犯カメラがミャンマー国鉄にて新たに設置された。
「大府」行き表示でMahlwagon駅を発車する、ヤンゴン環状線反時計回りのJR東海キハ48形5両編成(RBE3032(キハ48 6803)+RBE3033(キハ48 6813)+RBE3031(キハ48 5805)+RBE3029(キハ48 5511)+RBE3028(キハ48 3816))。

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ヤンゴン環状線とヤンゴン-マンダレー線との複々線区間を行くJR東海キハ48形5両編成(RBE3032(キハ48 6803)+RBE3033(キハ48 6813)+RBE3031(キハ48 5805)+RBE3029(キハ48 5511)+RBE3028(キハ48 3816))。

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雨が降る未明のYangon駅(ヤンゴン中央駅)を発車する、ヤンゴン環状線運用のJR東海キハ48形5両編成(RBE3028(キハ48 3816)+RBE3029(キハ48 5511)+RBE3031(キハ48 5805)+RBE3033(キハ48 6813)+RBE3032(キハ48 6803))。

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1駅間の車内の様子。ミャンマー国鉄にて天井に防犯カメラが設置されたほかは大きな改造は行われておらず、JR東海時代の面影を色濃く残している。各種日本語表記も多く残っている。

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1駅間の車内の様子。乗務員室には運転士のほか複数の乗務員も添乗する。ドア開閉は運転台のドア開閉スイッチにて運転士が行っている。乗務員室からはミャンマーで有名な歌「A Lwan Tay Pann Chi」(歌手:Wine Su Khaing Thein)が聞こえてきて、和やかな雰囲気。

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1駅間の車内の様子。主要駅のInsein駅を発車して北上する。一部区間にて乗務員室背後より前面展望も撮影。
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※工場での写真は事前許可を得て、職員の方立会いのもと撮影

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