ミャンマー国鉄元 JR東海キハ11形

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キハ11形は非電化ローカル線向けの軽快気動車で、1988年〜1999年に製造された。暖地向けの0番台10両、寒地向けの100番台23両、東海交通事業城北線向けの200番台4両、ステンレス車体・トイレ付となった300番台6両の計43両が製造され、高山本線・太多線・紀勢本線・参宮線・名松線・城北線に導入された。製造会社は新潟鐵工で、キハ11-122及び123の2両のみJR東海名古屋工場製。0番台・100番台・200番台の車両寸法は長さ18,000mm×幅2,998mm×高さ3,945mm。最高速度は95km/h。車体は鋼製(300番台はステンレス製)。

後継のキハ25形の導入に伴い、300番台を除いて2015年より置き換えが進んでいる(キハ11-9は2007年に事故廃車となっている)。高山本線・太多線では2015年3月13日をもって営業運転を終了した。廃車となった車両のうち、0番台・100番台の31両(キハ11-1〜8,10,101〜122)が2015年度にミャンマー国鉄へ順次譲渡されている(その他、キハ11-123,203,204は2015年に、ひたちなか海浜鉄道に譲渡された)。

ミャンマー国鉄譲渡車は現地到着後、ドアへのステップ・手すりの設置、車軸の改造、冷房装置搭載部分の低屋根化、屋根上機器の撤去、座席のオールロングシート化及びFRP製座席化等の改造が施された。塗装はJR東海時代から変更されていない。

2015年8月16日より5両編成で営業運転を開始した。営業開始後はヤンゴン環状線で運賃300チャットのアトゥーヤター(アトゥー:特別、ヤター:列車)として運行され、自動ドアは常時使用されていたが、2016年5月9日より冷房の使用を中止し運賃を200チャットに値下げ、さらに2016年7月1日より環状線の全列車の運賃が100チャットに値下げされた。また、一部編成はヤンゴン-マンダレー線、ヤンゴン-ピィ線、コンピューター大学支線、ダゴン大学支線等でも運行されているほか、ヤンゴン地区以外へ転出した編成も存在する。

【新旧車両番号対照表(JR東海時代→ミャンマー国鉄、の順に表記)】
■2015年5月にミャンマーに到着した第1陣(16両)
キハ11-  6:RBE3006
キハ11-102:RBE3007
キハ11-103:RBE3008
キハ11-106:RBE3009
キハ11-111:RBE3010
キハ11-112:RBE3011
キハ11-113:RBE3012
キハ11-114:RBE3013
キハ11-115:RBE3014
キハ11-116:RBE3015
キハ11-117:RBE3016
キハ11-118:RBE3017
キハ11-119:RBE3018
キハ11-120:RBE3019
キハ11-121:RBE3020
キハ11-122:RBE3021

2015年8月16日より最初の1編成がヤンゴン環状線で営業運転を開始したキハ11形。Yangon駅基準で東側からRBE3017(キハ11-118)+RBE3006(キハ11-6)+RBE3021(キハ11-122)+RBE3010(キハ11-111)+RBE3011(キハ11-112)+RBE3007(キハ11-102)の5両編成でデビュー。

Inseinにて
デビューに備えて、RBE3007(キハ11-102)を先頭に6両編成でヤンゴン環状線を回送運転。RBE3007は幌枠がミャンマー国鉄にて黒色に塗装された。

Inseinにて
DRCにて営業運転開始前の最終整備中。
JR東海時代には見られなかった、「岐阜」行き表示の6両編成(営業運転開始時は「アトゥーヤター」のステッカーを行先表示部に貼付)。

DRCにて
キハ47形と並んで整備中。

DRCにて
車体中央部に設けられた低屋根部の排水口。外見上の最大の変化である。
各出入口に設置されたステップ。
車内の様子。定員数増加のためにオールロングシートに改造された。座席はモケットの劣化対策と悪戯による破損対策(担当者談)のため、FRP製を採用。窓の上半分には冷房効果を高めるために遮光フィルムが貼られている。
冷房装置直下の低屋根化改造部。天井に段差が生じている。
運転台周り。
当地では使用しない運賃表示器も存置されている。
運転台。
Carriage and Wagon Workshop - Myitngeにて、24系客車・キハ183系とともに工場フル稼働で改造中のキハ11形。2015年8月12日に訪問した際、キハ11形は第1陣の10両が入場中(先に竣工した6両はヤンゴンに回送済み)。
改造中のRBE3016(キハ11-117)、RBE3019(キハ11-120)、RBE3009(キハ11-106)。
同じく改造中のRBE3018(キハ11-119)(左)、RBE3020(キハ11-121)(右)。
これから冷房装置部の低屋根化改造が行われるRBE3018(キハ11-119)。
車内の様子。低屋根化する部分は化粧板が一旦外され、屋根の骨組みを切断して下げた後に再度接合する。切断時・溶接時の火花対策で、壁や床は鉄板で覆われている。
断熱材も剥がされ、あらわになった屋根構体。
低屋根化改造直後のRBE3014(キハ11-113)の屋根の様子。冷房搭載前で、改造された箇所の様子がよく観察できる。まさにミャンマー国鉄の匠の技。
新たに設けられた低屋根化部分の排水口。
車内の様子。改造部分の天井が窪んでいるのが確認できる。
冷房が搭載されたRBE3019(キハ11-120)の屋根。
排水口を内側から見る。
改造箇所の塗装は同じ色を調合して、綺麗にリタッチされている。排水口の下には雨樋も設置。
天井周りの改造が進むRBE3020(キハ11-121)の車内。
新たにアルミ合金パネルを設置して天井形状を整形する。この上からさらに元の天井パネルを再度取り付ける。
ロングシートのFRP座席の設置工事が行われているRBE3019(キハ11-120)。
取り外されたキハ11形の元の座席。これらのボックスシートは長距離列車の優等客車の座席として転用されている模様。
網棚も改造中の車両からは一旦外す。改造後に再度設置。
取り外された運賃箱・整理券発行機・列車無線アンテナ。
改造工事竣工間際のRBE3008(キハ11-103)+RBE3015(キハ11-116)。床下機器も車体の改造部・腐食部も再塗装され、ピカピカな姿に蘇った。
座席の取り付けが完了したRBE3008(キハ11-103)の車内。
掲示されたままのJR東海の路線図。
DRCにてエンジンの最終調整中のRBE3021(キハ11-122)。建屋内にアイドリング音が響く。
最終整備を終え、Yangon Repair ShopからInseinのDRC(車両基地)までヤンゴン環状線時計回りで回送されるキハ11形6両編成(RBE3017(キハ11-118)+RBE3006(キハ11-6)+RBE3021(キハ11-122)+RBE3010(キハ11-111)+RBE3011(キハ11-112)+RBE3007(キハ11-102))。営業列車では通常5両編成なので、6両編成で走ることは珍しい。

Full HD Video
DRC(Insein)にて営業運転開始前の車両の最終整備中のキハ11形。エンジンが不調のキハ11-122の前にエンジニアが集まってエンジンを調整している。

Full HD Video
2015年8月16日の「キハ11・キハ47・新RBT編成の運行開始記念式典」に向けて、Inseinより式典会場のYangonまで回送されるキハ11形5両編成(先頭からRBE3017(キハ11-118)+RBE3006(キハ11-6)+RBE3021(キハ11-122)+RBE3010(キハ11-111)+RBE3011(キハ11-112))。

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※各車両基地・工場での写真はすべて事前許可を得て、職員の方立会いのもと撮影

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