KORAIL 京春線

KORAIL京春(キョンチュン)線は、忘憂(マンウ)〜春川(チュンチョン)間20駅80.7kmを結ぶ路線である。全区間複線(左側通行)で、架線集電方式による交流25,000V電化。軌間は1,435mm(標準軌)。ワンマン運転を実施している。車両基地は坪内車両事業所(ピョンネチャリャンサオプソ)。1939年7月25日に開業、2010年12月21日に複線電鉄化が完了し、広域電鉄(首都圏電鉄)の路線となった。併せて忘憂〜退渓院(トェゲウォン)間(7.7km)が開通し、城北(ソンブク)〜退渓院 間(9.8km)が廃止となった。複線電鉄化の際に、大半の区間の線路や駅は移設され、退渓院〜春川 間は旧線と比較して4.5km短縮されている。

全列車が忘憂線の上鳳(サンボン)〜忘憂 間(0.6km)に直通し、同区間は中央線との路線別複々線となっている。「ITX-青春」登場(2012年2月28日)までは急行列車が運行されていた(停車駅は上鳳・退渓院・思陵・坪内好坪・磨石・清平・加平・江村・南春川・春川(清平・江村は休日のみ停車))。

列車は8両編成で運転される。使用車両は361000系で、製造は現代ROTEM(ヒョンデロテム)。2010年に15編成(120両)が製造された(うち、36114編成と36115編成は急行廃止に伴う運用減により、塗装変更の上、2012年に中央線に転属)。京義線の331000系電車をベースとしており、車体はアルミ合金製。白地に青帯の塗装が施され、先頭車の側面には波をイメージしたデザインがあしらわれている。車両寸法は長さ20,000mm(先頭車20,250mm)×幅3,120mm×高さ3,800mm。最高速度は110km/h。

2012年2月28日より、龍山(ヨンサン)〜清凉里(チョンニャンニ)〜春川 間を結ぶ「ITX-青春」が運行されている。(「ITX-青春」については別ページで紹介予定(現在作成中))

2013年11月4日より、上鳳より忘憂線を経由して京元線の光云大(クァンウンデ)駅まで延長運転が行われている(平日に限り1日2往復運行。土休日は運行なし)。

※下記路線図で、新内駅は未開業(2013年11月現在)
(路線図:管理人制作)

京春線の複線電鉄化にあわせて営業を開始した、361000系。基本設計は京義線331000系と同一ながら、白地に青帯の独自の塗装が採用された。

金谷にて
上鳳駅の折り返し線に停車中の361000系(右)と、中央線の321000系(左)。
忘憂駅に入線する、春川行き列車。京春線の全列車が忘憂線の上鳳〜忘憂 間に乗り入れており、同区間は中央線と併せて路線別複々線化された(上鳳駅自体も同時に新設)。
忘憂駅は京春線と中央線のホームの間に貨物留置線が設けられ、両線のホームは長い跨線橋で結ばれている。
ソウル郊外の高層マンション群をバックに行く。

葛梅にて
坪内好坪(ピョンネホピョン)駅に入線する列車。
同駅の西側には京春線唯一の車両基地である坪内車両事業所があり、早朝・深夜には出入庫運用のため同駅始発・終着の列車が設定されている。
北漢江鉄橋を渡る列車。

屈峰山〜加平にて
氷点下の冬に、凍った北漢江を渡る361000系。

屈峰山〜加平にて
雪煙をあげながら加平駅に入線する列車。
複線電鉄化に伴い、大半の区間は新線に切り替えられた。新線は長大トンネルの連続で、全トンネルの総延長は全体の44%にあたる35.9km。トンネルの数は全部で23。

屈峰山にて
駅の両側がトンネルに挟まれ、ホームが川の上に架かる屈峰山駅。
白楊里駅付近では、北漢江に沿って走る。
金裕貞駅に入線する春川行きの列車。当駅は韓国初の人名を駅名とした駅として有名である(駅名の由来は韓国の作家である金裕貞の生家が近いことから)。当駅から江村まで、旧線を活用したレールバイクに乗ることができる。
南春川(ナムチュンチョン)駅に入線する列車。同駅付近は高架化されており、同駅は将来的に2面4線とすることが可能な構造となっている(現在は2面2線の相対式ホーム)。
春川駅構内で離合する上下線の列車。
終点の春川駅。列車は北側の留置線に一旦入線してから折り返す運用もある。200000系を用いた臨時列車「韓流観光列車」(左)と並ぶ。
2013年11月4日より、上鳳より忘憂線を経由して京元線の光云大(クァンウンデ)駅まで延長運転が行われている。(平日に限り1日2往復運行。土休日は運行なし)。単線の里門鉄橋(1963年架橋)を渡る。
(※開業初日の様子はこちら

光云大〜上鳳にて
361000系Tc車。床下にはSIV、コンプレッサー、蓄電池を備える。
M1車。床下にはVVVF制御装置を搭載する。
M2車。屋根上にはパンタグラフ、床下にはVVVF制御装置と主変圧器を備える。
T1車。隣接のT2車もほぼ同一仕様。
321000系の先頭車側面。京春線に沿って流れる北漢江と、湖畔の都市春川を象徴する青い波をイメージしたデザインが取り入れられており、同車の外観上の最大の特徴となっている。
IGBT-VVVF制御装置。装置は宇進産電製で、東芝の技術供与によるもの。
側面の行先表示。写真は「春川急行」表示で、韓国語と英語を交互表示する。
(急行は「ITX-青春」登場(2012年2月28日)に伴い、その前日で運行を終了した)
入庫運用の「坪内好坪」行き。
車内の様子。各車両には、枕木方向に22インチのLCDが8台設置されている。座席のモケットは緑。貫通扉は最近主流のタッチ式透明自動ドアを採用している。車内灯はすべて白色LEDを使用。
LCD式車内案内表示機。従来の319000系、321000系、331000系では各扉の鴨居部に2台ずつ設置されていたが、361000系ではソウルメトロの車両のように枕木方向に設置された。装置自体もソウルメトロ新3000系とほぼ同一の仕様である。
両先頭車には、自転車固定装置が設置されており、自転車愛好者が電車に乗ってハイキングを楽しめるよう考慮されている。
複線電鉄化により移設された金谷駅。
金谷駅のホームから見える、京春線の旧線。線路は既に撤去されている。
先述の江村〜金裕貞 間のほか、加平〜京江 間等はレールバイクとして再整備されている。
一部の駅に設けられた、空調設備付の待合室。

屈峰山にて
ミュージックホーンを鳴らしながら屈峰山駅を通過する京春線急行。

ミュージックホーンは韓国の童謡「自転車」の音色である。
♪「タルルン タルルン ピキョガセヨ」(チリリン チリリン お避けなさい)

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凍った北漢江を渡る、京春線361000系。

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南春川駅に入線する、春川行き列車。

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南春川駅を発車する龍山行きの「ITX-青春」と、入線〜発車する春川行きの普通列車。

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韓国初の人名を駅名としたことで有名な金裕貞駅 (駅名の由来は作家の名前)に入線する春川行きの列車。

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丘陵の高規格路線を行く通勤列車。

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軽やかな接近メロディーとともに駅に入線する上鳳行きの列車。

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カーブを曲がって葛梅駅に入線する春川行きの列車。

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ホームの案内表示機はフルカラーLEDを使用している。

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忘憂駅を出発して上鳳駅に入線する当駅折り返し列車。両駅の距離は非常に短い。忘憂駅では両側のホームの自動接近放送が流れている。

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京春線ではワンマン運転を行っているため、各駅のホームの乗務員扉位置には、ホーム監視カメラからの映像を映すLCDが設置されている。

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坪内好坪駅に入線する、上鳳行き列車。

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屈峰山駅に入線する、春川行き列車。

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金谷駅を発車する、上鳳行き列車。

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留置線を発車して上鳳駅に入線する、京春行き急行列車。

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夜の上鳳行き急行の車内。

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ミュージックホーンを吹鳴してトンネルに進入する列車。

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側面の行先表示機は、春川・上鳳・上鳳急行の場合、韓国語と英語を縦スクロール表示する。

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春川急行の場合、韓国語と英語の交互表示を行い、英語は横スクロール表示をする。

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坪内好坪行きの場合も、韓国語と英語の交互表示を行い、英語は横スクロール表示をする。

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361000系走行音(坪内好坪→金谷)IGBT-VVVF制御で、制御装置は宇進産電製。
Tc-M1-M2-T1-T2-M1-M2-Tc(4M4T)の8両編成。
ドアエンジンは電気スクリュー軸駆動式。
361000系走行音(金谷→思陵)
361000系走行音(忘憂→上鳳)
361000系走行音(坪内好坪→磨石)急行急行列車の駅到着前の自動放送では、その次の停車駅を案内するほか、駅発車前にも運転士が肉声放送で案内する。なお、急行列車は「ITX-青春」登場と共に廃止された。
終着駅到着時 車内自動放送(上鳳到着時)終着駅到着時の車内放送前に流れるBGMは、KORAILのロゴソングである。
歌詞は「クンミネ チョルト コーレイル(国民エ 鉄道 コーレイル)」(国民の 鉄道 KORAIL)

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