ソウル市電381号 復元

ソウル市電300形381号が、2009年9月よりソウル歴史博物館にて原状に復元の上、展示されている。

381号は1930年頃に日本車輌製造で製造され、1968年11月29日のソウル市電運行最終日までの約38年間活躍した車両である。車両寸法は長さ13,700mm×幅2,400mm。ソウル市電廃車後、オリニ大公園にて展示されていたが、保存状態は悪く、腐食が進行していた。また、末期は車体全体が赤色に塗られ、現役時の姿とは大きく異なっていた。

そこで、「電車保存処理事業」によって、381号をソウル歴史博物館に移設し、復元されることとなった。資料調査と考証作業を経て、塗装は現役当時(戦後)のアイボリーと緑のツートンカラーに戻された。また、日本車輌製造から提供された図面によって、外観・内装共に忠実に復元された。2010年には登録文化財第467号に指定された。

ソウル歴史博物館の屋外展示物として展示されている。見学は無料。また、時間を区切って車内を公開している。

アクセス:ソウル地下鉄5号線 光化門駅・西大門駅から徒歩約5分
入場料:無料
車内公開時間:10:00〜11:00、12:00〜13:00、14:00〜15:00、16:00〜17:00(毎週月曜日は終日非公開)

関連ページ:旧ソウル市電の保存車両

現役時の姿に見事に復元された300形381号。オリニ大公園で保存されていた時と比べると、その差は一目瞭然である。
上写真の反対側の先頭部。なお、300形の落成時は3扉車であったが、現役時に後位寄り(乗務員室左側背後)の客用扉を撤去し、2扉車に改造している(今回の復元では2扉車のままである)。
ソウル歴史博物館の前の広場(新門路の歩道沿い)に展示されている381号。
381号の前面。社紋が再現されている他、塗りつぶされていた車両番号も復活している。また、前照灯も復元当初はプラスチック製のままであったが、現在はガラス製のものに交換・復元されている。
なお、軌間は1,067mmである。
ビューゲル。オリニ大公園公開時は撤去されていたが、復活した。
台車。
車内の様子。日本車輌製造提供の図面等を基に、美しい状態に甦った。床板はすべて張り替えられ、木製の内装も整備された。
ドア周り。ドアは原型に復元されている。
復活したつり革。当時の資料を基に再現された。国立ソウル科学館に保存されている363号にはつり革は設置されていない。
当時の広告が忠実に再現されている。
モケット張りの座席も復元された。オリニ大公園保存時は板張りの座席であった。
乗務員室背面。
マスコンとブレーキハンドル。
マスコンは三菱電機製で、漢字で書かれているのが特徴的。
381号の前に設置されている解説板。韓国語・英語・日本語・中国語で書かれている。
日本語の解説。
解説板の隣には大型LCDが設置され、復元・保存処理過程が写真を用いて紹介されている。写真は、オリニ大公園から移設された際の381号。
381号の前には、「電車と遅刻生」と題された像が設置されており、弁当を忘れた乗客の学生と、追いかける母親と妹弟の姿が描かれている。
日没後、街灯に反射する381号。
夜間は車内の照明が点灯する。

電車381号および「電車と遅刻生」の解説が載ったパンフレット
381号の車内で配布している。

関連ページ:旧ソウル市電の保存車両

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