大邱都市鉄道3号線 車両紹介

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大邱都市鉄道3号線は現在3000系で運行されている。Mc1-M-Mc2から成る3M0Tの3両固定編成で、開業に備えて2013〜2014年に3両編成28本(84両)が製造された。うち、最初の1編成(301編成)が日立製作所製、残りの27編成(302編成〜328編成)が宇進産電製である。

車体はアルミ合金製。火災対策として、各車両の内装は不燃材で構成されていることに加え、天井にウォーターミスト式の消火設備が設置されている。また、両先頭車の前方ドアには脱出用シュート(スパイラル式)を備える。車両寸法は長さ15,100mm(中間車は13,900mm)×幅2,900mm(最大幅2,980mm)×高さ5,240mm(うち桁上面3,620mm、桁下面1,620mm)。加速度は3.5km/h/s(減速度は4.0km/h/s(常用最大)・4.5km/h/s(非常))、最高速度は70km/h(設計最高速度は80km/h)。

沿線住民のプライバシー保護を考慮して、側窓には自動制御式ミストグラス装置(瞬間くもりガラス)が使用されており、マンション等の近くを通過する際には自動で窓がスモークガラスに変化する(ドア窓と前面窓は変化しない)。両先頭車最前部の座席は、韓国の通勤形車両初のクロスシート(2人掛け)となっており、前面展望を楽しむことができる(但し進行方向先頭の右側の座席は「安全要員指定席」のため着席不可)。

前期車と後期車で側面の塗装が異なるが、現在は全車両の側面に広告ラッピングが施されているため、識別は困難である。

関連ページ:大邱都市鉄道3号線

大邱都市鉄道3号線の3000系。車体はアルミ合金製で、前面には非常時に他の編成と連結して通り抜けられるよう、非常用貫通扉を備えている。写真は後期車の325編成(車両番号は貫通扉に表記されている)。

漆谷慶大病院にて
前期車の313編成。前期車と後期車は車両側面の塗装が異なる(窓下が黄色塗装が前期車、ダークグレー塗装が後期車)。ただ、現在は全車両がラッピングされているため見分けがつきにくい(ドア脇のみラッピングが僅かに切れているため、その部分にて判別できる)。

達城公園にて
301編成。この編成のみ日立製作所製で、同社の笠戸事業所で製造された。その他の編成は韓国の宇進産電にて製造。
303編成と304編成は韓国のテレビアニメ「ロボカーポリー」をテーマにしたラッピングが車両内外に施されている。この2編成は運行ダイヤが固定されており、駅にダイヤが掲示されている。

八達にて
「ロボカーポリー」テーマ列車の側面。

寿城区民運動場にて
離合する通常塗装の編成(327編成)と、「ロボカーポリー」テーマ列車(303編成)。
3100形(Mc1)。漆谷慶大病院寄り先頭車。各車両の屋根上には冷房2基と、その間にウォーターミスト式消火設備用の水タンクを備えている。
3200形(M)。
3300形(Mc2)。龍池寄り先頭車。
前面には3色LED式行先表示器が設置されており、韓国語・英語で交互表示する。写真は「龍池」行き表示。
「漆谷慶大病院」行き表示。
車両先頭部側面。中国の重慶向けの車両は各客用扉の上にスローダン(避難器具)を引っ掛ける金具が設置されているが、大邱都市鉄道3000系では両先頭車の車内側にスパイラル式脱出用シュートが内蔵されているため、外側の器具は省略されている。車両の高さは5,240mm。
両先頭車側面に描かれている「Colorful DAEGU」(カラフル大邱)のマーク。
車両妻面の諸元表記。

車両製作者:HITACHI・(株)宇進産電
車重:28.4t
荷重:40.4t
連結面間 距離:14.6m
車内の様子。両先頭車最前部を除いてロングシートである。車内照明はLED。車体幅は2,900mmで、1号線や2号線の2,750mmよりも広い。
沿線住民のプライバシー保護のため、側窓には自動制御式ミストグラス装置(瞬間くもりガラス)が使用されている。マンションの近く等を通過する際は瞬時に窓がスモークガラスに変化する。
ガラス端のマーク。MAGIC GLASSと表記されている。
吊り革。背が低い乗客を考慮して、一部の吊り革は位置が低くなっている。
ドア。開口幅は1,310mm。軌道床までの位置が高いため、ドアには「足踏み外し注意」の注意喚起が貼られている。
鴨居部の路線図。
ドアがみだりに開けられないよう、ドアコックは最近の韓国の通勤形車両では珍しく鴨居部に設置されている(最近の車両はドア脇に設置されているものが主流)。
先頭車の最前部。2人掛けのクロスシートが左右1組ずつ設置されている。座席とドアの間のスペースには、スパイラル式脱出用シュートを格納している。
最前部の座席からの前面展望。
3号線は全列車とも原則全自動運転を行っており、無人運転も可能であるが、非常時の脱出が乗客だけでは困難であるため、各列車には「安全要員」と呼ばれる運転士の資格を持った職員が添乗している。進行方向先頭の右側の座席は「安全要員指定席」のため着席できない。
非常用貫通扉の内側。非常時には貫通扉は上に開き、渡り板で救援車両と接続する。
先頭車の貫通路。左右に機器室があり、通路が長い。
車端部の製造所銘板(日立製作所・宇進産電の併記)。なお、日立製作所で製造された301編成も同様の2社併記銘板が設置されている。
貫通路上にはLED式案内表示器が設置されている。また、その手前には防犯カメラを備える。
乗換駅や主要駅では韓国語・英語・中国語・日本語の順で案内が表示される。
新南駅到着時の日本語表示。
中間車の車内。中間車のみドア付近の通路中央にスタンションポールを備える。
中間車の車端部。座席とフリースペースが設置されている。フリースペースは設計時は「自転車駐車空間」扱いだったが、3号線は現在自転車持込が禁止されている(折り畳み自転車を除く)ため使用用途が変更された。
各車両の台車部分の床には点検蓋が設置されている。
「ロボカーポリー」テーマ列車(303編成・304編成)の車内。車内までキャラクターのラッピングが施されている。

大邱都市鉄道3000系走行音(鶴亭→東川)IGBT-VVVF制御で、制御装置は日立製作所製。
MC1-M-MC2(3M0T)の3両編成。

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