釜山都市鉄道2号線

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釜山都市鉄道(釜山地下鉄)2号線は萇山(チャンサン)〜梁山(ヤンサン)間43駅45.2kmを結ぶ路線である。うち、東院(トンウォン)〜梁山 間は地上区間である。全区間複線(右側通行)で、架線集電方式による直流1,500V電化。軌間は1,435mm(標準軌)。ワンマン・ATO運転を実施している。車両基地は湖浦車両事業所。1999年6月30日に西面(ソミョン)〜湖浦(ホポ)間、2001年8月8日に金蓮山(クムニョンサン)〜西面 間、2002年1月16日に広安(クァンアン)〜金蓮山 間、同年8月29日に萇山〜広安 間、2008年1月10日に湖浦〜梁山 間が開通した(曾山(チュンサン)駅は駅周辺の開発が完了していないため現在のところ全列車通過)。

運転系統は萇山〜梁山 間(全区間)を運転するものと、萇山〜湖浦 間を運転するものの2つ。

使用車両は2000系。韓進重工業及び韓国鉄道車両(KOROS)製で、1997年〜2002年に3M3T(TC1-M1-T1-M1-M2-TC2)の6両編成56本(336両)が製造された(第28編成までは韓進重工業製で、残りは韓国鉄道車両製)。車体はステンレス製(ビードレス)。韓国の通勤形電車で初めて、両先頭車に電気連結器が本格設置された(非常時の救援用)。車両寸法は、長さ17,500mm(連結面間18,000mm)×幅2,750mm×高さ3,640mm。加速度は3.0km/h/sで、設計最高速度は100km/h(営業最高速度は80km/h)。車両形式は梁山寄りから2000形(TC1)-2100形(M1)-2600形(T)-2700形(M1)-2800形(M2)-2900形(TC2)の順で、下2桁が編成番号を示す(第1編成ならば2001-2101-2601-2701-2801-2901となる)。

現在全列車が6両編成で運転されているが、各駅のホームは8両編成分の有効長があり、車両も8両編成化に対応している(2200形(M2)-2300形(T)を2100形と2600形の間に連結して4M4Tとする計画)。但し、各駅に設置されたホームドアは6両編成分のみで、将来的に8両編成化する可能性はほぼなくなった。

(路線図:管理人制作)

釜山都市鉄道2号線の2000系。第28編成まで(1次車)は韓進重工業製で、全側窓が開閉可能(内折れ窓)となっている。

金谷にて
2000系第29編成以降(2次車以降)は韓国鉄道車両(KOROS)製で、車端部の窓以外は1枚窓化された(車端部窓のみ開閉可能)。

金谷にて
電動台車。韓国のVVVF制御の通勤形電車の中で唯一ボルスタ付き台車(ダイレクトマウント方式の空気バネ台車)を採用している。
側面の行先表示機。緑色で縁取りされて表示される。
2000系1次車の車内の様子。不燃化改造に伴い、座席および化粧版・袖仕切・床敷物・ラインデリア・つり革等がすべて交換されている。
2000系2次車の車内の様子(不燃化改造後)。ドア間の窓が固定窓に設計変更されている。
各車両の両端部(貫通路上)にはLED式案内表示機が設置されている。
韓国鉄道車両(KOROS)の車内銘板(2001年製)と、ロテム(ROTEM)の不燃化改造銘板(2006年5月改造)。不燃化改造は2000系全車に施工された。

なお、「韓国鉄道車両」は1999年7月に現代精工+大宇重工業+韓進重工業の鉄道製造部門が合併したもの。しかし社名の英略がKOROS(コロス)で、日本語で縁起が悪いことが発覚したため、2002年1月にROTEM(ロテム)に社名変更された(KOROS=Korea Rolling Stockの略 / ROTEM=Railroading Technology Systemの略)
2000系不燃化改造未施工車の車内(2次車)。全車に不燃化改造が施工されたため、現存しない。
運転台。右手操作式ワンハンドルマスコンである。マスコンは手前に引くと力行、奥に押すと制動(日本式)。また、戸閉め知らせ灯(黄色いランプ)は扉開時に点灯し、閉時に消灯する(日本と逆)。
東院駅の北側(梁山方面)は掘割となっている。なお、東院駅自体は地下駅(ホーム端から地上)。

東院にて
東院〜湖浦 間はKORAIL京釜線の線路と地上で並行している。地平のマルチプルタイタンパー(マルタイ)は京釜線を走行している(マルタイはKORAILでは線路閉鎖をしないで走行可能)。

金谷にて
湖浦駅の北側にある湖浦車両事業所。釜山都市鉄道2号線唯一の車両基地である。
南梁山(ナミャンサン)駅を発車する、萇山行き列車。

南梁山〜釜山大梁山キャンパスにて
慶尚南道梁山市内を行く、梁山行きの列車。奥に見える駅は釜山大梁山キャンパス駅。

釜山大梁山キャンパス〜南梁山にて(梁山タワーより撮影)
梁山線の沿線では、急ピッチで高層マンション建設が進む。

南梁山〜梁山にて(梁山タワーより撮影)
梁山駅のホーム。曾山〜梁山 間は開業時からプラットホームスクリーンドア(PSD)が完備している。
南梁山駅前(西口)。駅舎背後に梁山タワーが見えている。開業時は、駅前開発はこれからという状況であった。
梁山駅の先の北側終端部。ここから先、北亭までの延伸計画がある。
ホームに追加設置された液晶ディスプレイでは、次の列車の行き先と列車接近情報(5駅前から表示)を流す。
湖浦行きの列車と梁山行きの列車は、データイムはおよそ2:1ないし3:1の割合で運転されている。

写真のディスプレイでは
今度の列車:湖浦 行
次の列車:梁山 行

と表示している。

徳川にて
GEC製GTO-VVVF制御の磁励音を地下に響かせながら、発車する2000系。

Full HD Video
上下線の発着。2000系は回生失効が早い。

Full HD Video

釜山都市鉄道2000系走行音(水亭→徳川)GTO-VVVF制御で、制御装置はGEC製。
Tc-M-T-M-M'-Tc(3M3T)の6両編成。
ドアエンジンは空気圧作動式。乗換駅や主要駅では韓国語と英語のほかに日本語と中国語(北京語)の自動放送が入る。
釜山都市鉄道2000系走行音(甘田→沙上)
釜山都市鉄道2000系走行音(南梁山→梁山)終着駅到着時はクラシック(ベートーヴェンの「6つのメヌエット第2番ト長調」)のBGMが流れる(BGMは路線ごとに異なる)。
釜山都市鉄道2000系走行音(梁山→金谷)始発駅発車前もBGMが流れる。
釜山都市鉄道2号線 萇山行き列車接近放送
(韓・英・日・中4ヶ国語放送)
2007年より釜山地下鉄全駅の自動放送が韓国語・英語・日本語・中国語(北京語)の4ヶ国語放送になった。
※2015年に放送順序が韓国語・英語・中国語(北京語)・日本語の順に変更された。また、2017年に開通した、1号線の多大浦海水浴場〜トンメ 間の各駅の自動放送は韓国語と英語の2ヶ国語放送である。
釜山都市鉄道2号線 梁山行き列車接近放送
(韓・英・日・中4ヶ国語放送)
釜山都市鉄道2号線 湖浦行き列車接近放送
(韓・英・日・中4ヶ国語放送)
釜山都市鉄道2号線 当駅止まり列車接近放送放送は韓国語のみ。

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