LRT Jabodebek−第1編成搬入

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2019年10月11日〜13日、LRT Jabodebek(LRTジャボデベック)向け車両の第1編成が、Cibuburにある建設中のHarjamukti駅近くに搬入された。

LRT Jabodebekは1期区間(フェーズ1)として、Cawang-Cibubur線(Cawang〜Harjamukti間14.9km)、Cawang-Dukuh Atas線(Cawang〜Dukuh Atas間11.1km)、Cawang-Bekasi Timur線(Cawang〜Jatimulya間18.5km)の3路線から成るY字型の路線網を建設中で、2022年の開業を目指している(2020年4月23日現在)。全区間が地上で、全区間複線(右側通行)。第三軌条集電方式による直流750V電化である。軌間は1,435mm(標準軌)。営業最高速度は80km/hの予定。将来的にはHarjamuktiからBogor方面への延伸、及びDukuh Atasから西への延伸が計画されている。

車両はPT. INKA製で、2019年〜2020年に6両編成31本、計186両が導入される予定である。車両はアルミ合金製(先頭部はFRP製)。Dukuh Atas側からMC1-M1-T1-T2-M2-MC2から成る6両固定編成である。車両寸法は長さ17,300mm×幅2,650mm×高さ3,685mm。設計最高速度は90km/h。加速度は3.6km/h。インドネシアで初となる無人運転(全自動運転)を実施する予定である。

今回搬入されたのは最初の編成で、PT. INKAのあるMadiunから陸送された。2019年10月13日のMC1車(K1 1 19 01)の搬入時に関係者向けの式典が実施された。なお、PT. INKAからHarjamuktiまでの陸送、及びHarjamuktiでの搬入の様子は、PT. Adhi Karya(国営建設企業)の公式Youtube(こちらの動画)やPT. INKAの公式Youtube(こちらの動画)で紹介されている。

※路線名・駅名はすべて仮称。

情報提供・取材協力:「JABODETABEK COMMUTERS NEWS」様

Harjamukti駅付近に仮設されたガントリークレーンにて吊り上げられるLRT Jabodebek向け車両の第1編成。
ついにお目見えしたLRT Jabodebek向け車両。PT. INKA製。17m級車体で、6両編成で運行される。LRT PalembangLRT Jakartaに次ぐインドネシアで3番目のLRT車両で、初の3扉車となった(ドアは外吊り式)。なお、3者とも車体幅は2,650mm。
車両搬入現場。奥が本線の末端部に設けられた暫定的な検車庫。
検車庫。建屋は6両編成2本を収容できる大きさ。将来、Bogorまで延伸された際には本線上となる。
なお、LRT Jabodebekの本設の車両基地はJatimulya(Bekasi Timur)の東側に設けられるが、2020年4月現在、車両基地の用地買収が完了しておらず、工事が遅れている。
検車庫に先に搬入された5両。搬入中の先頭車を以て第1編成の搬入完了となる。
搬入場所のすぐ北側にあるHarjamukti駅。手前は高速道路。
車両の先頭部。先頭部の形状はLRT Palembangに類似。
台車。PT. INKA製で、同社初のインサイドフレーム台車を採用(海外メーカーからの技術供与?)。
台車形式は、M台車は「MB 718」であることを確認(T台車は不明、付番法則通りなら「TB 1318」か?)。集電靴はLRT Palembang、LRT Jakartaの車両と同様、STEMMANN-TECHNIK(ドイツ)製。
第1編成MC1車の運輸省番号(インドネシアの鉄道法規56号に従って付番された番号)。2019年に製造された電車の番号としてもトップナンバーである。
吊り上げ完了後、高架上にスライドさせる。
ゆっくりと降ろし、オンレール。
オンレール完了後、Harjamukti駅から続々と車両へと向かう記念式典参加者。
車両を記念撮影する関係者たち。
高架下に設けられた、記念式典の会場(関係者以外立入不可)。
LRT JabodebekのCawang-Cibubur線とCawang-Bekasi Timur線は、ほぼ全区間が既存の高速道路・幹線道路の敷地に沿って建設され、用地買収にかかる時間・費用を大幅に低減している。また、Cawang-Dukuh Atas線もSetiabudi〜Dukuh Atas間の一部を除いて、既存の幹線道路上に建設されている。
Cawang-Cibubur線はJagorawi高速道路(Jalan Tol Jakarta?Bogor?Ciawi)に沿って建設されている。

TMII〜Kampung Rambutanにて
LRT(軽量軌道交通)規格のためか、橋脚・橋桁ともに厚さが薄く、軽量構造となっている。また、大半をコンクリート橋として建設費を抑えている。
建設費低減のため、曲線部もすべて直線の橋桁を繋ぎ合わせている。
以下、Harjamukti駅からCawang駅まで、高速道路を行くタクシーから沿線・駅の様子を観察する。
写真はHarjamuktiの隣のCiracas駅の外観。
Ciracas駅の隣のKampung Rambutan駅。
Kampung Rambutan〜TMII間で高速道路をオーバークロスする。
TMII(=Taman Mini Indonesia Indah)駅。各駅のホームの屋根はLRT Palembangと同様、アーチ状で統一。
3路線のジャンクションとなるCawang駅。2面4線の構造。
Cawang-Dukuh Atas線のCiliwung〜Cikoko間の様子。Cikoko駅でCommuter LineのBogor線Cawang駅と接続。

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