KRL JABODETABEK KRL-I

KRL-Iは2001年に2M2T(Tc1-M1-M2-Tc2)の4両編成2本(8両)が製造された。全車両がインドネシアの車両メーカーであるPT.INKA製で、製造にあたっては同社と日本車両、住友商事等が出資するPT.REKAINDO GLOBAL JASAを通して日本車両が技術支援している。

前面・側面にLED式行先表示機が設置され、側扉の鴨居部にはLED式案内表示機が設置されるなど新技術が多数盛り込まれている。また、インドネシア初のIGBT-VVVF制御車で、制御装置は東芝製。冷房装置もKRL JABODETABEKオリジナル車両では初めて新製時から設置されている。各扉の下には、側扉の開閉と連動する可動式乗降ステップが設置されている。車体はオールステンレス製。第1編成は「Djoko Lelono 3」(ジョコレローノ ティガ)の愛称を持つ。形式名のKRL-IのI(アイ)はIndonesiaを意味し、当形式がインドネシア初の自国設計の電車であることに由来する(Kereta Rel Listrik Indonesia=インドネシア電車)。

車両寸法は長さ20,000mm(連結面間20,700mm)×幅2,990mm×高さ3,820mm。

環状線外回り(左回り)の運用に就くKRL-I(第2編成)。

Manggaraiにて
第1編成の旧塗装。2010年8月に上記の第2編成と同様の配色に変更された。

Manggaraiにて
Manggaraiに並んで停車中のKRL-I第1・2編成。
Duriの線路市場を行く、朝夕のみの環状線Feeder運用(Manggarai〜Angke間区間運用)のKRL-I。

Tanah Abang〜Duriにて
Bukit Duri基地にて待機するKRL-I 第1編成。
東京メトロ05系(右)と共に検修庫に佇むKRL-I。

Bukit Duri基地にて
ボルスタレス台車(電動台車)と、可動式乗降ステップ(写真は収納した状態)。台車はPT.INKA製で、日本車両からの技術供与。
可動式乗降ステップを展開したところ。なお、HITACHIにもほぼ同型の装置が設置されている(使用停止中)。
側面のLED式行先表示機。
パンタグラフ。中間2両の電動車にそれぞれ1基ずつ設置されている。シングルアームパンタグラフで、形状は日本で一般的に使用されているものと似ている(HOLEC・HITACHI・KFWは欧米型)。
連結面。連結器は棒式となっている。
第1編成の旧塗装時代、前頭部側面に記されたKRL-I(KRLI)のロゴマーク。新塗装化で消滅。
中間車の車内の様子。車端部を除いてロングシートで、扉間の座席は12席。座席はFRP製。天井にはラインデリアが設置されている。
先頭車の車内の様子。乗務員室仕切り扉の窓からは前面展望が可能。
車端部は変則的なクロスシートとロングシートの組み合わせである。貫通路の上には車両番号と着席定員が記されたステッカーが貼付されている。
扉の鴨居部にはLED式案内表示機が設置されている(KRL JABODETABEKの車両で初)。第2編成は2段式LED(写真上)で、第1編成は1段式(写真下)。
車内に設置されている、非常ブレーキ(EMERGENCY BRAKE)の表示灯。非常ブレーキをかけると自動的に点灯すると思われる。
PT.INKAの製造所銘板。
線路市場の中を警笛を鳴らしながら通過する列車。

Full HD Video
列車が近づいてくると、どこからともなく線路市場から「AWAS!AWAS!」(危ない!危ない!)、「Kereta!」(列車だ!)という声が湧き上がってくる。

Full HD Video

KRL-I走行音(Duri→Angke)IGBT-VVVF制御で、制御装置は東芝製。
Tc1-M1-M2-Tc2(2M2T)の4両編成。
KRL-I走行音(Angke→Kampung Bandan)

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