KRL JABODETABEK KFW I-9000

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KFW I-9000(略称:KFW)は2011〜2012年に2M2T(Tc1-M1-M2-Tc2)の4両編成10本(40両)が製造された。全車両がPT.INKA製。ドイツ復興金融公庫の資金協力により製造され、主要機器はドイツ(ベルリン)に本社を置くBombardier Transportation製となっている。形式名のKFWは、ドイツ復興金融公庫の略称「KFW」(Kreditanstalt fuer Wiederaufbau)に由来する。

車体はINKAが設計したもので、KRL-Iと同様に日本車両が技術協力している。前面にはLED式列車番号表示機・行先表示機が設置され、各扉の車内の鴨居部には当初、LCD式案内装置が設置されていた(KRL JABODETABEKの新造車両では初採用。なお、後に全車両撤去)。IGBT-VVVF制御車で、制御装置はBombardier Transportation製。各扉の下には、側扉の開閉と連動する可動式乗降ステップが設置されている。車体はオールステンレス製(ビードレス)。幕板が省略され、窓下の帯ステッカー部で上下の側板が接合されている(継目の隠蔽処理)等、日車式ブロック工法に準じた構造となっている。

車両寸法は長さ20,000mm(連結面間20,700mm)×幅2,990mm×高さ3,820mm。

2013年2月19日に営業運転を開始した。

編成 Tc1 M1 M2 Tc2
TS 1 K3 1 11 01 K3 1 11 02 K3 1 11 03 K3 1 11 04
TS 2 K3 1 11 05 K3 1 11 06 K3 1 11 07 K3 1 11 08
TS 3 K3 1 11 09 K3 1 11 10 K3 1 11 11 K3 1 11 12
TS 4 K3 1 11 13 K3 1 11 14 K3 1 11 15 K3 1 11 16
TS 5 K3 1 11 17 K3 1 11 18 K3 1 11 19 K3 1 11 20
TS 6 K3 1 11 21 K3 1 11 22 K3 1 11 23 K3 1 11 24
TS 7 K3 1 11 25 K3 1 11 26 K3 1 11 27 K3 1 11 28
TS 8 K3 1 11 29
K3 1 11 30 K3 1 11 31 K3 1 11 32
TS 9 K3 1 11 33 K3 1 11 34 K3 1 11 35 K3 1 11 36
TS10 K3 1 11 37 K3 1 11 38 K3 1 11 39 K3 1 11 40
※2013年9月現在

タンゲラン線で4両編成×2編成併結の8両編成で運用に就くKFW I-9000。前照灯は前面窓下2箇所・上部2箇所(その他のライトは尾灯・標識灯)。窓下の前照灯はシールドビーム、窓上はHIDを採用している。
環状線のFeeder運用(Manggarai〜Duri間の区間運用)に入るKFW I-9000。現在のところ前面窓には投石除けの金網が設置されていない(前面窓のガラスは強化ガラスを採用)。

Manggaraiにて
元 東急8000系8003Fと離合するKFW。

Manggaraiにて
Duriの線路市場を行く、環状線Feeder運用のKFW I-9000。
線路市場を横切る、タンゲラン線の列車。

Duriにて
夕暮れのTangerang駅に到着。
Jakarta Kota〜Kampung Bandan間のFeeder運用に入るKFW I-9000(第10編成)。
Jakarta Kotaにて朝日を浴びて停車中。
Kampung Bandanに入線する。
Bukit Duri基地にて待機中のKFW I-9000(第4編成)。
前面窓の下にはLED式列車番号表示機と行先表示機を設置。列車番号は4桁、行先表示は6文字まで表示できる。駅名が長い場合は6文字の略称で表示されるが、入力は手動の為、同じ駅名でも運転士によって表示が異なる場合もある。写真はMNGRAI(=Manggarai)行き表示。
なお、KRL-Iでは側面にもLED式行先表示機が設置されていたが、KFW I-9000では省略されている。
台車(写真は付随台車)。ボルスタレス台車で、台車形式は「TB-809」。
可動式乗降ステップ(写真は収納した状態)。全ての客用扉の下に設置されている。
車両番号。写真は第3編成Tc1。
車両番号は同国の鉄道法規56号に従って、以下の法則で付番されている。

K3  11 09
*1  *2  *3  *4

*1:車両の等級を示す。K1=Eksekutif(エグゼクティブ)、K2=Bisinis(ビジネス)、K3=Ekonomi(エコノミー)
*2:車両の種類を示す。0=客車、1=電車、2=電気式気動車、3=液体式気動車
*3:車両の導入年(西暦)を示す。11であれば2011年導入。なお、本形式は2011〜2012年導入だがすべて「11」で統一。
*4:車両固有番号。

同じ冷房付電車でも日本からの譲渡車両の新車両番号はK1(Eksekutif)に分類されているが、このKFW I-9000ではK3(Ekonomi)に分類されている。
連結面。連結器は棒連結器となっている。
先頭車同士の連結部。
Tc1車。
K3 1 11 05(第2編成)
M1車。パンタグラフと反対側の屋根には抵抗器を搭載している。
K3 1 11 06(第2編成)
M2車。M1車と同様に抵抗器を搭載している。
K3 1 11 07(第2編成)
M3車。
K3 1 11 08(第2編成)
車内の様子。オールロングシートで、KRL JABODETABEKオリジナル車両で初めて座席はモケット張りとなった(従来の車両はFRP)。
先頭車の車内。8両編成の場合は両先頭車が女性専用車(Kereta Khusus Wanita)として運用される(4両編成の場合は設定なし)。
各車両のドアの鴨居部にはLCDが設置されている(KRL JABDETABEKのオリジナル車両では初採用)。なお、現在は全車両とも撤去されている。
貫通路。貫通扉は両側に設置されている。
INKAの製造所銘板。
乗務員室仕切り扉。
運転台。他のKRL JABDETABEKオリジナル車両と同様に運転台は進行方向右側に設けられている。右手操作式ワンハンドルマスコンで、マスコンは手前に引くと減速、奥に押すと力行(欧米式)である。TMSが設置されており、装置・システムはBombardier製。
第1編成の配給輸送の様子。車体をブルーシートで全周保護されて輸送された。

Manggaraiにて(許可を得て撮影)
可動式ステップはドアの開閉と連動して動作する。VVVFの磁励音と共にManggarai駅を後にする。

Full HD Video
警笛を鳴らしながら夕暮れのTangerang駅に入線するKFW I-9000。

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列車が近づいてくると、どこからともなく線路市場から「AWAS!AWAS!」(危ない!危ない!)、「Kereta!」(列車だ!)という声が湧き上がってくる。

HD Video
環状線Feeder運用(Manggarai〜Angke間区間運用)に就くKFW I-9000が警笛を鳴らしてDuriの線路市場を通過する。

Full HD Video
中央線の線路を横切って、Manggarai駅2番線に入線する環状線Feeder運用のKFW I-9000。

HD Video
ドア開閉時にブザーが鳴る。IGBT-VVVF制御で、装置はBombardier Transportation製。

HD Video

KFW走行音(Batu Ceper→Poris)IGBT-VVVF制御で、制御装置はBombardier Transportation製。
Tc1-M1-M2-Tc2(2M2T)の4両編成。
ドア開閉時にはブザーが鳴る。
KFW走行音(Rawa Buaya→Bojong Indah)

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