KRL JABODETABEK HOLEC

「HOLEC」(別称:KL3-94/96/97/98/99/2000/2001型)は1994年〜2001年に、オランダの車両メーカーであるLa Brugeoise et Nivelles SA.(略称BN、現:ボンバルディアに吸収合併)とインドネシアの車両メーカーであるPT.INKAで製造された。1994年製の一部の編成はLa Brugeoise et Nivelles SA.で製造されたが、大半の編成はPT.INKAで最終組立が行われた。電装品はオランダのHOLEC製のものを使用している。

2M2T(Tc1-M1-M2-Tc2)の4両編成で、32編成(128両)が製造された。車体はステンレス製。側扉の開閉と連動する可動式乗降ステップが設置されているが、現在は使用停止中。車両寸法は長さ20,000mm(連結面間20,700mm)×幅3,180mm×高さ3,460mm。設計最高速度は100km/h。GTO-VVVF制御・非冷房車。

現地の架線電圧が非常に不安定であることから、VVVF制御装置をはじめ精密機器の故障が発生するケースが生じている。そのため、一部の編成が電気式気動車(KRDE)へ改造された上で、KRL JABODETABEK以外のPT. Kereta Api Indonesiaの非電化区間で運行されている。

2013年7月25日のエコノミー全廃よりも1年も前の2012年7月までに全編成が運用を離脱。現在は一部編成が冷房化・制御装置のIGBT-VVVF化等のリニューアル工事を行ったうえで復帰が予定されている。

HOLEC1次車。1994年に7編成が製造された。その後に増備された編成とは前面形状や可動式乗降ステップの形状が異なる。

Gambirにて
2次車以降のスタイル。1次車よりも前面形状が丸みを帯びている。写真の編成は1997年製。

Manggaraiにて
中央線内を行くHOLEC(1997年製)。車両によって前面窓の支持方法もまちまちである。
1998年製車両。検査の際に前面に緑色を入れた新塗装となった(編成によって塗りわけも若干異なる)。

Manggaraiにて
検査明け直後の1997年製HOLEC。
終点のBogor駅に入線する1997年製HOLEC。
朝ラッシュの運用に就く1997年製HOLEC。扉から乗客が溢れている。
2次車以降のHOLECの前面部。前頭部は凹凸が多い非常に複雑な形状となっている。台車はボルスタレス。
HOLECの連結部。連結器の長さが他車種と比較して長い。また、側扉の窓は大きい。
HOLEC(Tc車)の側面。
車内の様子。オールロングシートで座席はFRP製。戸袋部が車内側に出っ張っており、その部分の座席も他よりも前に出ている。
車端部と貫通路。
車内のINKA、Bombardier、BN(La Brugeoise et Nivelles SA.)の製造所銘板。
貫通路。渡り板は大半の車両で消失・破損しており、隙間からは連結器や線路が丸見えである。
2009年頃からは各車両に対して前照灯の移設(前面窓上中央→前面窓下左右)、前面窓の2分割化(ガラス破損時の交換の容易化)が施された。写真は改造工事数週間後の様子で、比較的きれいな状態を保っている。
環状線のJatinegara付近の複々線区間を行くHOLEC。
Duriの線路市場を行く。
ラッシュ時には、他のエコノミー車両と同様に屋根や最後尾の連結器の上にまで乗客で溢れる。
退役し、Balaiyasa Manggarai(Manggarai工場)に長らく留置されるHOLEC1次車。デビュー時は写真のように青い塗装を纏っていた。
KRDE(電気式気動車)に改造され、地方都市の近郊輸送用として活躍する元HOLEC。前面デザイン及び塗装を変更。TEC + M + T + T + TC(1M4T)の5両編成となっている。VVVF装置は東芝製のIGBT素子のものに変更されている。

Solo Balapanにて
KRDEに改造されたHOLECの車内。カーテンの追加、座席の交換、配色の変更などが行われている。冷房化は実施されていない。
変調音が多い独特な磁励音を奏でる。VVVF装置はHOLEC製。磁励音自体は非常に小さい為、車両の近くで録画・録音。

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床下からは僅かにGTO-VVVF制御の磁励音が聞こえる。他のエコノミー車と同様にドアは常に開放した状態で運行。

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VVVF車らしい加速音でJayakarta駅を発車する、Jakarta Kota行きのHOLEC。

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環状線の複々線区間を行くJatinegara行きのHOLEC。

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中央線 Gondangdia駅を発車する、HOLECによるエコノミー列車。

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屋根上や連結面、連結器の上にまで客が乗っている、夕方ラッシュ時のエコノミー列車。反対側の線路を行くのは東急8500系。

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VVVFの磁励音を響かせながら夜のJayakartaを発車するHOLEC。

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ラッシュ時のManggarai駅を発車するBogor行き列車。

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電気式気動車として生まれ変わった元HOLEC。TEC + M + T + T + TC(1M4T)の5両編成。

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HOLEC走行音(Pondok Jati→Jatinegara)GTO-VVVF制御で、制御装置はHOLEC製。
Tc1-M1-M2-Tc2(2M2T)の4両編成。
加減速時の変調音の多さが特徴。
HOLEC走行音(Kramat→Pondok Jati)

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