KRL JABODETABEK HITACHI

「HITACHI」(別称:KL3-97型)は海外経済協力資金(OECF)によって1997〜98年に2M2T(Tc1-M1-M2-Tc2)の4両編成6本(24両)が製造された。日立製作所製だが、完成車として納入された第1編成を除いてPT.INKAにて最終組立が行われた。インドネシア初の軽量ステンレス車両で、GTO-VVVF制御車。制御装置・主要機器・台車等は日立製作所製。冷房は従来形式と同様に搭載されていない。

車両寸法は長さ20,000mm(連結面間20,700mm)×幅2,990mm×高さ3,820mm。加速度は1.8km/h/s、減速度は2.9km/h/s(非常時3.6km/h/s)で、設計最高速度は100km/h。側扉の開閉と連動する可動式乗降ステップが設置されているが、現在は使用停止中。

2013年7月24日の「Ekonomi」の廃止とともに、同日までに全車両が引退した。

環状線のJatinegara付近の複々線区間を行く、Bekasi行きのHITACHI。

Manggarai〜Bekasiにて
Manggarai駅に入線するHITACHI。
Bukit Duri基地にて整備中。
全般検査後、4両編成でManggarai〜Bogor間で試運転を行うHITACHI。全般検査で非常に美しい状態に蘇った。
晩年は4両編成3本のみが整備され、2本を併結して8両編成とし、1本を編成組替時用の予備編成として使用した(4両編成単独での営業運転は原則行わず、8両編成で運行していた)。残りの未整備の4両編成3本はDepok基地やManggarai工場等の隅に留置されていた。
Rheostaticや東急8500系等の他形式に囲まれ、実質1本(4両編成2本併結)のみの運用で孤軍奮闘するHITACHI。

Manggaraiにて
ボゴール線・環状線直通運用に入る東葉1000形1090FとManggarai駅を同時発車する、中央線のHITACHI。
東京メトロ5000系59Fと並ぶHITACHI。落成は5000系の方が30年以上先だが、非冷房のEkonomi用車両ということが仇となり、HITACHIが先に引退することとなった。
中間電動車。3扉のステンレス車で、屋根上にはシングルアーム式パンタグラフが並ぶ。また、全車両の屋根にはグロベン(グローブ型ベンチレーター)が搭載されている。床下にはGTO-VVVF制御装置が見える。
扉が閉まった状態。扉の窓は小型。営業運転では走行中も開放していたため、通常は見ることができなかった(写真は試運転時のもの)。各扉の下には自動可動式ステップが設置されているが、全車両使用停止している。
GTO-VVVF制御装置。日立製作所製。
車内の様子。オールロングシートで、座席はFRP製。天井にはファンデリアが並ぶ。
車端部及び貫通路。
運転台。ワンハンドルマスコンで、マスコンは手前に引くと力行、奥に押すと減速(日本式)である。
一部の編成は、速度計がLED式のものに換装された(他の形式の一部の車両も同様の改造が施されている)。
1997年日立製作所の製造所銘板。
旧塗装時代のHITACHI。前面の投石除け金網も未設置。

Bekasiにて(2009年1月撮影)
中央線を行く旧塗装のHITACHI。

Gondangdiaにて
両先頭車の連結部。スカートの塗装は編成により異なっている。
故障により、東急8500系8613Fの推進運転による16両編成でボゴール線を走行するHITACHI。

Depokにて
故障救援列車のHITACHIと東急8500系8613Fの連結部。
対向列車に日本からの譲渡車両(東葉1000形・東京メトロ05系・東京メトロ7000系・JR東日本203系・東急8500系・東急8000系)や今はなきEkonomiの車両(Rheostatic)を望みながら、中央線を走行する。加速時には日立製作所製GTO-VVVFの磁励音が聞こえる。
Jakarta Kota発車直後より車両故障が発覚し、低速で走行している。当初はBekasi行きであったが、Manggaraiで車両交換を行うためManggarai止めとなった。

※許可を得て乗務員室から撮影


※一部、音声が欠落しています(Juanda駅発車直後約20秒間)。ご了承ください。

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VVVFの磁励音と共に夜のジャカルタを縦断する。終日混雑しているエコノミーも、夜の上り列車は比較的空いている。

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Gambirはすべてのエコノミーが通過。珍しく副本線経由でGambir駅を通過した(本線に列車が止まっていないにも関わらず副本線を走行するのは稀である)。

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朝ラッシュ時のピークを過ぎた後のエコノミー列車の車内。全開のドアからジャカルタの街並みを望む。

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4両編成での走行は試運転列車ならでは(通常の営業列車では8両編成)。ピカピカな状態に甦ったHITACHI。

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日立製作所製のGTO-VVVFの磁励音を響かせながら、Jakarta Kota駅を発車するHITACHI。

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東急8000系8007Fの隣でJatinegara・Bekasi方面へ向けて発車するHITACHI。

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車内はそれほど混んでいなくても、風が当たって涼しい為にドア付近に立つ乗客が多いようである。

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夜のJayakarta駅を発車する、Jakarta Kota行きのHITACHI。

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Bogor行きの東急8500系8607F、Jatinegara行きの東葉1000形1090F、Jakarta Kota行きのHITACHIが行き交う。

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Jatinegara行きのRheostatic、Jakarta Kota行きの東急8500系、Bekasi行きのHITACHIが行き交う。

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引退間際(引退の3か月弱前)の頃のHITACHI。同じくステンレス車の東急8000系8003Fと離合する。

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短時間に何本もの列車が行き交う、朝のラッシュ時間帯の環状線Jatinegara付近。

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屋根まで乗客を満載したHITACHIがGondandia駅を発車する。

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HITACHI走行音(Manggarai→Gondangdia)GTO-VVVF制御で、制御装置は日立製作所製。
Tc1-M1-M2-Tc2(2M2T)の4両編成。
後期タイプの日立製作所製GTO-VVVF制御を搭載した車両(日本の車両であれば東急2000系・京王8000系・西武6000系
・南海1000系・南海50000系・神戸市交3000形・福岡市交2000系等)の典型的な磁励音である。
日本以外のアジアの都市鉄道車両では唯一の採用例である。
HITACHI走行音(Gondangdia→Juanda)
HITACHI走行音(Juanda→Mangga Besar)

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