スカルノハッタ空港鉄道 車両紹介

Tweet

スカルノハッタ空港鉄道の車両は2017年に4M2Tの6両編成10本(60両)が導入された。全車両がPT.INKA製。「Seri EA203」や「KRL ARS」等と呼ばれている。

車体は軽量ステンレス製であるが全面塗装となっており、白地をベースに幕板付近と客用扉・乗務員扉を青、裾部付近にオレンジ帯を配している。車内は集団見合い式のクロスシート(先頭車のみ一部ロングシート)で、中間車の両車端部には大型荷物置き場、両先頭車にはトイレを備える。

Tc1-M1-M2-M2"-M1"-Tc2から成る6両固定編成。車両の制御方式はIGBT素子VVVFインバーター制御で、制御装置はBombardier製。直流1,500V架線集電方式で、パンタグラフは東洋電機製。台車はボルスタレス式で、台車の形式番号はM台車が「MB-514」、T台車が「TB-914」。

車両寸法は長さ20,000mm(先頭車は20,219mm)×幅2,992mm×高さ3,760mm。最高速度は100km/h。車両番号はインドネシアの鉄道法規56号に従って付番されており、第1編成(TS1)が「K1 1 17 07」(Tc1)-「K1 1 17 08」(M1)-「K1 1 17 09」(M2)-「K1 1 17 10」(M2")-「K1 1 17 11」(M1")-「K1 1 17 12」(Tc2)、第2編成(TS2)が「K1 1 17 13」(Tc1)-「K1 1 17 14」(M1)-「K1 1 17 15」(M2)-「K1 1 17 16」(M2")-「K1 1 17 17」(M1")-「K1 1 17 18」(Tc2)…と、「K1 1 17 07」〜「K1 1 17 66」の通し番号で付番されている。

スカルノハッタ空港鉄道の車両。全車両がPT.INKA製で、同社が特急用電車を製造するのは初。電車の製造も「KFW I-9000」(2011年〜2012年製)以来である。車体は新規設計のもの。
Tangerang線を走行する。

Taman Kota〜Pesingにて
環状線のSudirman駅付近を行く。
Tc1車外観。
車体は全面塗装だが軽量ステンレス製で、外板に継ぎ目があることからも判別できる。客用扉は両開き。
M1車。
M2車。
M2"車。上記のM2車と基本構成は同一だが、車両の向きがM2車と逆転しており、引通し線の配置等が一部異なる。
M1"車。上記のM1車と基本構成は同一だが、車両の向きがM1車と逆転しており、引通し線の配置等が一部異なる。
Tc2車。
車両の前面及び側面の窓上には、LED式行先表示機がある。表示は原則として「SHIA-MRI」の固定。

※SHIA=Soekarno-Hatta International Airport 、MRI=ManggaRaIの電略。
中間車の車内の様子。
座席配置は集団見合い式のクロスシート。
座席の拡大。写真は手前の座席のリクライニングを最大限倒したところ。座席は片持ち式。
集団見合い式の中心部のボックスシート部。
全座席にUSBポートを備えている。中央のひじ掛けの下にあり、ポートは2つある。
座席の列の端部にはLCDがあり、現在日時・行先・次駅案内や広告等を表示。
各ドアの付近に枕木方向に設置されているLCD。次駅・気温・現在速度等を表示する。
緊急時脱出用の窓と非常用ハンマー。
全中間車の両車端部には大型荷物置き場が設置されている。
ドア周り。ゴミ箱と大型荷物置き場がある。
PT.INKAの製造所銘板。
Bombardierの車内銘板。VVVF装置をはじめ、車両の主要機器はBombardier Transportation製。
先頭車の車内の様子。先頭車後部側のドアの脇に、2人掛けのロングシートが設置されている。
一部の編成には、広告等を放映する大型LCDが追加で設置された。枕木方向に設置されており、中間車は2箇所、先頭車は1箇所に設置されている。
LCDの設置状況。ハーフ型で、両面に設置されている。
両先頭車の車端部は通路両側にトイレ(洋式トイレ・男性用小便所)が設置されている。
洋式トイレ。便器はTOTO製。
男性用小便所。
乗務員室仕切り壁。窓はなく、前面展望は不可能。
乗務員室の様子。
運転台。進行方向右側に設けられている。右手操作式ワンハンドルマスコンで、マスコンは手前に引くと減速、奥に押すと力行(欧米式)である。コンソールは2画面設置されており、左側の画面が列車統合管理装置(TCMS)、右側が車外・車内のCCTV映像表示用である。

「スカルノハッタ空港鉄道」に戻る

Tweet