上海鉄路博物館

上海鉄路博物館は中国国鉄 上海鉄路局の建局55周年を記念して建設され、2004年8月28日に開館した鉄道博物館である。博物館は中国国鉄の上海北駅(1987年に廃止)があった場所に位置し、博物館の建物は上海北駅の駅舎を実寸の80%で再現したものである。館内は6つのテーマに分けられ、1000件余りの展示物がある。また、屋外には実物の車両3両が展示されている。休館日は日曜日と月曜日で営業時間は9:30〜11:30と14:00〜16:00。入場料は10元。地下鉄の最寄り駅は3号線・4号線の宝山路駅。

上海鉄路博物館公式サイト:http://www.museum.shrail.com/

「上海鉄路博物館」の正門。
屋外に展示されている、KD7形蒸気機関車の641号機。1946年アメリカ製。全長20,370mm、重量110.95トン。1947年に国連から経済復興のために無償で贈られたもので、広州や上海等の鉄道局に配属されていた。当博物館での展示前に杭州機務段で修繕された。同型機は北京の中国鉄道博物館でも展示されている。
政府要人用客車。1930年代に中華民国の政府(南京)が発注したもので、アメリカ製。車体長23,100mm、車幅3,200mm、重量55.8トン。当博物館での展示前に上海車両段で修繕された。
SN型機関車26号機。1928年アメリカ製。600mmゲージの蒸気機関車で、車体長14,850mm、車幅2,400mm、重量31.65トン、動輪の直径が711mm。かつて雲南省の鶏个鉄路に配属されていて、2000年12月に保存目的で上海に運ばれた。わずか3両しか現存しない。当博物館での展示前に南翔機務段で修繕された。
同型は北京の中国鉄道博物館でも展示されている。
屋外展示場の広場。奥に上海地下鉄3号線・4号線の宝山路駅の駅舎が見える。
博物館の建物。上海北駅の駅舎を実寸の80%で再現したものである(上海北駅の実物は解体済み)。華東地区の鉄道について、4つのコーナー(「鉄道建設」、「鉄道輸送」、「鉄道の天地」、「鉄道の発展」)に分けて展示している。建物は4階建てだが、展示場は1階のみ。
屋内展示の「鉄道建設」コーナーの、中国初の鉄道である「呉淞鉄道」(1876年開通)に関する展示。奥の模型は呉淞鉄道の第1号の機関車である「先導号」を実物大で複製したもの。
日本軍による攻撃の惨状を伝えるコーナー。駅舎や線路の爆破被害の様子を写真と映像で展示。
鉄道建設の歴史を展示するコーナー。右手前は1936年開通の江南鉄道(江南鉄路)を紹介するパネル。
1990年代中頃の滬寧線の高速化改良工事の様子を紹介するパネル。この工事の完成により、京滬線(滬寧線)の最高速度は120km/hから200km/hに向上した(現在の最高速度は250km/h)。
25T客車の軟臥車の通路のような、博物館内の連絡通路。
「鉄道輸送」のコーナーの様子。中央のモニターは、鉄道車両入換作業のシミュレーター。
1950年代の小さな駅の駅事務室を再現したセット。通票閉塞機も置かれている。
DF11G型機関車の運転シミュレーターの外観。9:30、10:15、11:00、14:30、15:15、16:00に実演される。
DF11G型機関車の運転シミュレーターの内部。滬寧線の上海から蘇州までの映像が収録されている。基本的に係員がシミュレーターの実演を行うが、小さな子供に限り操作をさせてくれる。
滬寧線の前面展望。電化工事中の頃の映像である。上海から蘇州までの全区間が収録されているわけではなく、端折られている。

上海鉄路博物館の入場券(表/裏)
大人10元、小・中学生は5元。

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