重慶軌道交通2号線

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重慶軌道交通2号線は較場口(ジャオチェンコウ)〜新山村(シンシャンツン)間18駅18.1kmを結ぶ路線である。日立製作所の技術による、中国初の跨座式モノレール(日本跨座式)の路線で、日本では「重慶モノレール」とも呼ばれる。全区間複線(右側通行)で、直流1,500V電化。大半が地上区間だが、較場口〜臨江門(リンジャンメン)間と大坪(ダーピン)駅付近は地下区間である。車両基地は大堰村駅が最寄の大堰車両段。地上駅には可動式ホーム柵(APG)が、地下駅にはプラットホームスクリーンドア(PSD)が完備している(可動式ホーム柵は追加設置)。2005年6月18日に較場口〜動物園(ドンウーユェン)間、2006年7月10日に動物園〜新山村 間が開通した。

列車は4両編成・6両編成で運転される(2012年11月19日より、6両編成の列車運行を開始)。将来の8両編成化も見越した設計となっており、各駅のホーム長は既に8両編成分(120m)の有効長がある。
使用車両はQKZ2型。詳細は別ページにて紹介する。こちらをご覧ください。

当路線の最大勾配は50‰、最小半径は100mである。また、路線の最大高低差は115mで、世界の都市鉄道の中でも最大級の高低差がある路線となっている。このような路線条件を満たすため、登坂能力が高く、急曲線走行が可能であるモノレールが採用された。軌道は基本的に道路の中央に位置するが、牛角沱駅の曽家岩寄りは、道路の橋脚の間を縫うように軌道が敷かれ、また牛角沱〜大坪 間は山岳区間となっている。大坪駅は地下駅であるが、2号線の駅で最も高い場所にある。他、平安〜大渡口 間の一部も山肌に沿って軌道が敷かれている。

現在、新山村〜魚洞 間の延伸工事が進んでおり、2013年頃に開業予定。

関連ページ:重慶軌道交通QKZ2型 車両紹介

(路線図:管理人制作)

長江の支流の嘉陵江沿いに走る、重慶軌道交通2号線のQKZ2型。

曽家岩〜大渓溝にて
牛角沱から大坪にかけては連続した登り勾配となっており、軌道は山肌に沿って敷かれている。
駅は、マンションの中層部に駅が設けられ、軌道が貫通している非常に特異な構造となっている。ホームはマンションの8階、コンコースは6階にある。駅の空間として使用できるスペースが限られているため、地上からコンコースへは1階ごとに区切られた6本のエスカレーター・階段で結ばれている。
また、山の斜面に建てられているため、較場口方面のホームに直結した改札口を出ると、山の中腹の住宅街に出ることが出来る。
急勾配を上って佛図関駅に入線するQKZ2型。左側に見えるのは嘉陵江。
全長1.1kmの佛図関・大坪隧道を抜ける列車。同トンネル内にある大坪駅は、2号線で最も高い位置にある駅である。大坪駅は1面2線の地下駅で、較場口寄りには車両留置・非常時折り返し用のY線がある。

大坪〜袁家崗にて
長江二路の道路中央部を行く列車。

大坪〜袁家崗にて
楊家坪正街に立つガラスの塔「九龍塔」を抜けるQKZ2型(量産先行車)。楊家坪正街はモノレール建設にあわせて、約500mの区間の道路を歩行者専用道路として整備し、ショッピングモールとして生まれ変わった。

謝家湾〜楊家坪にて
ライトアップされた「九龍塔」を貫通する列車。

楊家坪〜謝家湾にて
動物園駅を発車する、較場口行きの列車。
動物園駅の新山村寄りには、車両基地(大堰車両段)への分岐点がある。なお、本線の分岐器も日立製作所製。
本線を走行する較場口行きの列車(左)と、待機中の大堰車両段からの出庫列車(右)。
大堰車両段。大堰村駅の南側に隣接している。
動物園〜新山村 間は第2期区間として、2006年に延伸開通した。軌道の整備と併せて、並行道路も整備が進んでいる。第1期区間の較場口〜動物園 間とは異なり、下町の住宅街を走行する。

馬王場にて
平安駅付近は山沿いに走り、一部は地平区間である。その奥は高層住宅街となっている。

平安にて
全列車が運転士・車掌の2人乗務体制で運転され、車掌は中国では珍しく最後尾に乗務する。これは、車掌と運転士が兼任であることもひとつの理由で、折り返し時には両者が運転台を移動することなく、その場で役割を入れ替える。
駅停車時の安全確認は、車掌・運転士・駅員の3者で行い、車掌と運転士は車内の合図ブザーを使って連携をとっている。
なお、地上駅は可動式ホーム柵(APG)、地下駅はプラットホームスクリーンドア(PSD)が完備しており、装置は日本のナブテスコ+現地企業の重慶川儀+中国四連製。
一駅間の前面展望。案内放送のほか、広告やニュース等のBGMも流れる。
楊家坪駅に到着〜発車するQKZ2型。
楊家坪駅に到着する、較場口行きの列車。

Full HD Video
「九龍塔」を抜けるQKZ2型を横から眺める。

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ライトアップした「九龍塔」を抜けるQKZ2型。

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夜の楊家坪正街を走行するQKZ2型。

QKZ2型量産先行車 走行音(動物園→楊家坪)IGBT-VVVF制御で、制御装置は日立製作所製。
Mc-M-M-Mc(4M0T)の4両編成。
車両は扉開閉時にドアチャイムが鳴る。自動放送は北京語・英語の2ヶ国語。
QKZ2型量産先行車 走行音(大坪→佛図関)
QKZ2型量産車 走行音(馬王場→平安)IGBT-VVVF制御で、制御装置は日立製作所製。
Mc-M-M-Mc(4M0T)の4両編成。
合図ブザーの音が量産先行車から変更されている。
QKZ2型量産車 走行音(大坪→佛図関)
QKZ2型量産車 走行音(臨江門→較場口)
QKZ2型量産先行車 合図ブザー音日本の森尾電機製で、同社の日本向けのものと同じブザーの音がする。通常時はドア開操作前とドア閉操作後(側灯消灯確認後)に使用する。
QKZ2型量産車 合図ブザー音中国製と思われ、森尾電機製のものよりも甲高い音がする。

関連ページ:重慶軌道交通QKZ2型 車両紹介

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