Ferrocarril General Roca(略称:FCGR、日本語訳:ロカ将軍鉄道)、通称Roca(ロカ)線(LGR)は首都ブエノスアイレス特別区とアルゼンチンの6つの州にまたがる広大な路線網を持つが、このうちブエノスアイレスの近郊で都市鉄道が運行されている。都市鉄道運行区間は全9路線(総延長198km)で、うち55kmが電化。都市鉄道の運営は2015年3月2日より国営の「Ferrocarriles
Argentinos Operadora Ferroviaria」。以下、Roca線のうち、近郊電車が運行される電化区間について紹介する。
電車の運行区間はPlaza Constitución〜Alejandro Korn間、Plaza Constitución〜Ezeiza間、Plaza
Constitución〜Claypole間、Plaza Constitución〜Quilmes間の4系統である。架線集電方式で、電圧は交流25,000V(50Hz)。電化は日本の技術供与によって実施され、アルゼンチン唯一の交流電化である。軌間は1,676mm(広軌)。全区間が左側通行の複線である。1985年11月9日に最初の電化区間であるPlaza
Constitución〜Temperley〜Glew及びTemperley〜Ezeiza間が電化開業した(大統領を迎えての開業式は3日前の1985年11月6日に実施)。現在、ブエノスアイレスの近郊鉄道の中で最も利用客数が多い路線である。
列車は7両編成(3両+4両編成)または8両編成(4両+4両編成)で運転される。
路線はイギリス資本のFerrocarril del Sud(ブエノスアイレス南鉄道)によって1865年より順次開業した。1948年にはアルゼンチンのすべての鉄道が国有化されたが、道路交通の発達に伴い財政が悪化したため、1991年より路線別に順次民営化が行われた。Roca線は民営化準備のため1991年〜1994年に政府出資のFerrocarriles
Metropolitanos SA(FEMESA)が暫定的に運営した後、1995年1月1日より民間会社のMetropolitano傘下のTransportes
Metropolitano Roca(TMR)による運営を開始した。しかし、民営化によって逆に車両や施設の近代化が遅れ、サービスの低下が深刻化したため、2007年5月22日を以て運営権を取り消して再度国有化されることになった。2007年5月22日から2013年8月21日までMetropolitanoが運営していたRoca線・San
Martín線・Belgrano Sur線を引き継ぐために暫定的に設けられた政府出資会社のUnidad de Gestión
Operativa Ferroviaria de Emergencia (UGOFE;緊急鉄道運行事業組織) 、2013年8月21日から2015年3月2日までArgentren
S.A.が運営を行い、2015年3月2日より現運営体制に至る。
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(路線図:管理人制作) |
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