営団5000系5041ほか 解体

2000年の引退後、長らく三菱重工の工場に保管されていた5000系5041が、同社所有の他の鉄道車両と共に2013年6月初旬に広島県内の解体業者に移送された。

5041は千代田線用の車両として登場し、2007年4月にKRL JABODETABEKに譲渡された5000系59Fが日本を離れた後は、日本国内で唯一、車体が完全に残存する5000系セミステンレス車であった(カットモデルを含めると、東西線南砂町駅前の新砂あゆみ公園の5833と併せて2両が残存)。

2013年7月初旬に全車両の解体が完了した。同時に解体された車両は、湘南モノレール400形401、HSST-100L型、香港国際空港内APM1次車(モックアップ)、ドバイ国際空港内APM(モックアップ)である。

営団5041 車両経歴
 ・1969年12月3日 東急車輛にて竣工。編成:5841-5317-
5041。千代田線に配置(北千住〜大手町 間開業に伴う導入)。
 ・1970年      5両編成化。編成:5841-5317-5679-5327-
5041
 ・1971年      10両編成化。編成:5841-5317-5679-5327-
5041+5842-5318-5680-5328-5042。
 ・1981年      3両編成化の上、千代田線北綾瀬支線(北綾瀬分岐線)に転属。編成:5841-5327-
5041
 ・1994年2月16日 冷房化改造
 ・2000年3月6日  廃車
 ・2000年      三菱重工へ売却・搬送。
 ・2013年6月    三菱重工から解体業者へ搬送。
 ・2013年7月    解体



※写真は一部、事前許可を得て敷地内で撮影。

広島県内の解体業者の敷地内に集められた6両。活躍した場所も期間も異なる名車が一堂に会している姿は、まるでちょっとした博物館のようだ。
左からHSST-100L型(1995年東急車輛製)、湘南モノレール400形(1980年三菱重工製)、営団地下鉄5000系5041(1969年東急車輛製)。
営団地下鉄5041。台車は三菱重工保管時からなく、車体のみ保存されていた。現役時はエメラルドグリーンの帯であったが、何故か東西線のカラーに近い水色が上塗りされている。同車は東西線で活躍したことは一度もない。
車外の車両番号や営団地下鉄の「Sマーク」等の銘板は営団地下鉄での廃車時にすべて撤去されている。
車体はクレーンのワイヤーで直に吊って搬入されたようで、その際についたと思われる凹みが雨どいや裾部に確認できる。
号車番号表記のステッカーが「3号車」となっていることから、千代田線北綾瀬支線(北綾瀬分岐線)の車両と判別できる。右上にはSマークのプレートを撤去した跡がある。
パンタグラフ台。5000形のパンタグラフは東西線の車両はすべて撤去されており、千代田線北綾瀬支線の車両のみ存置されていた。
帯は所々エメラルドグリーンが見え隠れしている。塗装の剥がれている方向を見ると、エメラルドグリーンを剥離したのではなく、上から水色の塗装を上塗りしたことが分かる。
車体は地面に直置きされていた為、自重で車上子や床下機器は変形してしまっていた。
5041の車内の様子。扇風機が撤去されている他は、ほぼ現役時の面影をとどめている。

※許可を得て撮影
車端部周辺。優先席のモケットも残存している。こちら側の車両番号銘板、製造銘板は撤去されていた。

※許可を得て撮影
乗務員室仕切り部。助士席側に張り出したCS-ATCの箱は千代田線用車両のみ見られたもの。

※許可を得て撮影
5041の車両番号銘板(車内外含めて、5041の車両番号銘板はこの写真のもののみ残存)。

※許可を得て撮影
3号車のステッカーと、禁煙の銘板。

※許可を得て撮影
ドアの内側。化粧板は白。

※許可を得て撮影
一部の戸袋窓には当時の広告が貼られたままであった。

※許可を得て撮影
運転台(速度計周りのパネルは撤去済み)。

※許可を得て撮影
前面の行先表示機の内側(北綾瀬支線用の為、方向幕のコマ数は少ない)。

※許可を得て撮影
重機に囲まれて、静かに解体の時を待つ5041。
湘南モノレール400形401の前面非常扉には、引退時に掲出されたヘッドマークが掲出されたままとなっていた。
HSST-100L型。HSST(常電導磁気浮上システム;High Speed Surface Transport)の試験用車両で、名鉄築港線に沿ったHSSTの大江実験線(全長1.5km)にて長らく試運転が行われた。GTO-VVVF制御で、制御装置は東洋電機製。2004年に廃車。
HSST-100L型の側面には、HSSTのロゴも確認できる。
前面にはLEDが設置されている。現役当時は「試運転」等の表示をしていた。
HSSTの軌道桁も同じ解体工場に搬入された。大江実験線のものか、三菱重工内で使用されていたものかは不明。
HSSTの左隣に置かれているAPMのモックアップ2種。左がドバイ国際空港内APM(クリスタルムーバー)のモックアップ、右が香港国際空港内APM1次車のモックアップ。
モックアップの先頭側。両者とも前面ガラスはなく、ドバイ国際空港APMは、前面ごとなくなっている(搬入当初からこのような姿であったのかは不明)。

※許可を得て撮影
ドバイ国際空港APMの側面ロゴマーク。モックアップとはいえ、このロゴマークが日本で見ることができたのは貴重である。

※許可を得て撮影
ドバイ国際空港内APM(クリスタルムーバー)のモックアップの銘板。銘板によると、モックアップは2006年1月11日 ヤマハ発動機製とのことである。
香港国際空港内APM1次車のモックアップの内部。実車と内装はほぼ同じである。

※許可を得て撮影
ドバイ国際空港内APM(クリスタルムーバー)のモックアップの内部。座席や天井板の木材などが散乱している。

※許可を得て撮影
今回の解体車両の移送で使用した艀。全車両が海上輸送された。

新砂あゆみ公園5833
カットモデルではあるが、2013年8月現在、日本国内に唯一存在するセミステンレス車の営団5000系である。終日解放されており、車両の状態は悪い。
千代田線北綾瀬支線 5045
2000年まで、5841-5327-5041の編成と共に千代田線北綾瀬支線で活躍していた5846-5322-5045の編成。2000年3月6日に廃車後も、新木場CR内で2005年まで試験車として使用された(2005年解体済み)。

2004年9月26日 新木場検車区一般公開時に撮影
千代田線北綾瀬支線 5846
上記の編成反対側から撮影。
5045
5322
5846
5846試験台車
ボルスタレス台車に換装されていた。

■おまけ
中国地方で唯一かつ日本で最西端の4象限チョッパ制御(高周波分巻チョッパ制御)の車両である。加速時に独特の音色が地下に響く。

Full HD Video
ATCによる手動運転を行っている。

Full HD Video

「東西線NEWS」に戻る