台湾高速鐵路車両外観

現在、台湾高速鐵路の営業用列車は全て700T型で運転される。700T型は東海道・山陽新幹線の700系新幹線をベースに最高速度を300km/hとした車両である。9M3Tの12両編成で、開業時までに30本(TR01〜TR30編成)が製造された。製造は川崎重工、日本車両、日立製作所の3社で、第1編成は2004年5月25日に高雄港に陸揚げされた。車幅は日本のフル規格新幹線と同様、3,380mm。車両長は先頭車が27,000m、中間車が25,000m。

先頭車のノーズは台湾高速鐵路のトンネル断面積が日本の新幹線よりも大きい欧州規格で建設されたため700系よりも350mm短い。2006年グッドデザイン賞を受賞している。

2012年〜2015年に2次車となる12両編成4本(TR31〜TR34編成)が順次導入されている(全車両川崎重工製)。

白をベースに台湾高速鐵路のコーポレートカラーであるオレンジと黒の帯を配した700T型。
先頭車のノーズ部分。700系よりも350mm短くなり、さらに乗務員用扉は省略された。従って乗務員は背後の客用扉から出入りする。
700T型の台車。700系と同様のヨーダンパ付きボルスタレス台車である。
連結面。700系と同様、車体間ダンパが設置されている。
パンタグラフはシングルアーム式。カバーの形状も700系と同様である。
700系と同様の4両(3M1T)1ユニットの700T型は、ユニット間である4-5号車、8-9号車間に特高圧渡りのケーブルヘッドが設置されている。
6号車に位置する商務車(ビジネスクラス)の外観。側扉付近に日本のグリーン車のようなシンボルマークは貼られてはいない。
7号車は車椅子対応車両。8号車寄りの扉は車椅子対応の幅となっている。また、客室内の座席も一部(4席分)が1+1列配置となっている。
両先頭車の先頭寄りの扉の横には編成番号が記されている。また、前面窓にも右側に編成番号が記されている。
第1編成(TR01編成)には、両先頭車の先頭寄りドアの戸袋部に記念ステッカーが貼付されている。
運転席部分。開業当初、運転士は全員フランス人でTGV運転士退職者であったが、順次台湾人の運転士に切り換わりつつある。
700T型は日本の新幹線のような車掌用窓がないため、車掌は客用扉から停車時に安全確認をする。そのため、他の客用扉が閉まった後も車掌の使用する客用扉は開いている。使用する客用扉は限定されていない。これは在来線の台鐵でも同様である。発車後はホーム上の監視員に安全確認を任せ、車掌は走行中は安全確認作業を行わない。
側面のLED式行先表示機。行先のほか、列車番号と車両の等級を中・英で切替表示する(表示の順序は左写真の上から下の順)。列車番号の横は列車種別を表示するスペースがあるが、現在は空白となっている。
板橋〜左営区間開業時に見られた「板橋」行きの表示。2007年3月2日の全区間開業日以降は見ることが出来なくなった。
「試運転(試運行)」の表示。
両先頭車の側面に「台湾高鐡第一組運営列車」のステッカーが貼付された外観が特徴の700T型第1編成。

Full HD Video
時速約300km/hで嘉義駅を通過する700T型。

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