台北捷運車両紹介301型

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台北捷運301型は1992年〜1994年に4M2Tの6両編成22本(132両)が導入された、台北捷運の鉄輪式車両の第一世代車両である。ビードレスステンレス車体の4扉車で、車内はセミクロスシート。4桁の車両番号のうち、301型は100の位が「0」となっている。制御装置はWESTINGHOUSE製のGTO-VVVF制御装置を採用している。川崎重工にて構体を製作し、アメリカのURC(Union Rail Car)で最終組み立てを行った。

車両寸法は長さ23,500mm×幅3,180mm×高さ3,590mm。設計最高速度は90km/h(営業最高速度は80km/h)。DM1(Mc1)-T-M2 + M2-T-DM1(Mc1)の6両固定編成。

北投機廠に所属し、淡水信義線の運用に就く。なお、1998年に6連1本(013/014編成)を3・4号車に先頭車化改造を施工し3連2本として淡水線新北投支線に投入したが、2006年7月21日をもって引退し、現在は再度6連1本に復元された。また、新蘆線開通前は中和線、松山線開通前は新店線でも運用されていた。

2011年に内装更新及び防犯カメラ・火災感知器の設置、2012年に車内のドア上LED式案内表示器・車外の行先表示器の更新・前面の運行番号表示のLED化・車内のインターホンの増設を行った。また、2013年よりVVVF制御装置の更新(WESTINGHOUSE製GTO-VVVF→Bombardier製IGBT-VVVF)が順次行われている。

※新北投支線の301型の紹介はこちら

淡水線・新店線の運用に就く301型(更新改造前の姿)。現在は全編成が6両固定編成。前面の塗装は銀色で3面折妻となっている。助士席側の前面窓の左下に掲げられている3桁の数字は運用番号。

關渡にて
台車。ボルスタレス台車。直流750V第三軌条集電式のため、台車枠中央に集電装置が設置されている。
WESTINGHOUSE製のGTO-VVVF制御装置。
連結部。
車内の様子。以後の各形式にも採用されたロングシートとクロスシートを組み合わせた「非」字型の配置で座席はFRP製。301型の特徴として、つり革の配置(中央1列に配置されている)、天井の形状(321型以降はレール方向に水色のラインが2本入っている)、床の色(301型のみ茶色の木目調)が挙げられる。
貫通路。
各ドアの上には、赤色LED式案内表示機が設置され、次駅案内、乗換案内、行先案内等が中国語と英語で表示される。
その両側には、扉の開く側を示すランプが設置されており、開く側の場合は緑色のランプが点滅する。
銘板は川崎重工とアメリカのURC(川崎重工の子会社)のものが並べて設置されている。
運転台。右手操作型のワンハンドルマスコンで、ATO運転に対応している。速度メーターはデジタル式。
登場より20年近く経過し、2011年より順次更新工事が行われている。2012年には行先表示器が更新され、行先の文字の色をラインカラーに合わせたものに変更。運行番号表示もLED化された。助士席側の窓には前方監視カメラを設置。

石牌にて
2012年に更新された行先表示器。ラインカラーに合わせた配色の文字で漢字・英語の交互表示。従来ラインカラーを表示していたフルカラーLED(前面窓上に設置)は使用停止しており、順次撤去中。
北投行きの側面行先表示。淡水線・信義線系統は赤文字で表示。
新店行きの側面行先表示。淡水線・新店線系統は緑文字で表示。
更新改造後の車内の様子。床敷物が木目調のものから他形式と同様の白色のものに張り替えられた。
運転台。右手操作型のワンハンドルマスコンで、ATO運転に対応している。速度メーターはデジタル式。
更新後のドア鴨居部のLED式案内表示器。文字の色が赤1色LEDから3色LEDになり、。現在時刻・行先の表示が画面両端部に追加された。
次駅で開く側のドアの上のLEDは、ドア開閉予告が文字及びイラストのアニメーションで表示される。なお、従来案内表示器の両脇に設置されていたドアランプは撤去された。
北投行きの表示。右端に常に表示される行先表示の文字の色は、車外の行先表示と同様にラインカラーに合わせている。
2011年に設置された防犯カメラ。371型以降は新製時より設置されているが、それ以前に登場した車両にも順次取り付けられた。現在は台北捷運のすべての営業車両の車内に防犯カメラが設置されている。
変調が非常に多いGTO-VVVFの磁励音を響かせて士林駅に到着〜発車する301型。2012年よりVVVF制御装置が順次GTO素子からIGBT素子のものに更新されている。

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外観・内装の更新が行われた301型。VVVF制御装置は製造時からのGTO-VVVF(Westinghouse製)で、何度も変調する磁励音が特徴。2012年よりVVVF制御装置が順次GTO素子からIGBT素子のものに更新されており、この特徴的な磁励音もまもなく聞き納めとなる。

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北投駅に入線する、淡水発新店行きの列車。当駅の前後のみ左側通行となっている。

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外観・内装更新に加えて2012年よりVVVF制御装置がGTO素子からIGBT素子のものに更新された301型。新しいVVVF制御装置はBombardier製。

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2013年よりVVVF制御装置が順次GTO素子のものからIGBT素子のものに更新されている301型。

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1駅間の車内の様子。変調音が多い独特な磁励音が特徴な301型が、2013年新規開業の信義線を走行する。

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2012年に301型全車両に対して実施された車内LED式案内表示器の更新工事(同時に車外の行先表示器の更新及び身障者用インターホンの設置が実施された)。
更新された車内案内表示器は3色LEDに変更された(従来は赤1色)。従来のものと比べて新たに現在時刻・行先の表示が画面両端部に追加された他、次駅で開く側のドアの上のLEDは、ドア開閉予告が文字及びイラストのアニメーションで表示される。文字のスライドも縦方向から横方向に改められた。なお、従来案内表示器の両脇に設置されていた扉開閉予告ランプは更新工事の際に撤去された。

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駅に発着する301型を真横から撮影。変調が非常に多いGTO-VVVFの磁励音を響かせる。
北投〜台電大楼 間を運行する系統は2012年9月30日〜2013年11月23日のわずか1年強の間のみ運行された。

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特徴的なGTO-VVVFの磁励音を響かせて駅に入線〜発車する、301型VVVF未更新車。

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変調が非常に多いGTO-VVVFの磁励音が特徴の301型同士が離合し、VVVF磁励音の輪唱が楽しめる。2012年よりVVVF制御装置が順次GTO素子からIGBT素子のものに更新されており、近い将来に聞き納めとなる。

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離合する淡水線の新旧列車。301型と381型の登場はおよそ20年離れているが、ほとんど歳の差を感じさせないデザインである。

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2012年9月30日〜2013年11月23日のわずか1年強の間のみ運行されていた北投〜台電大楼 間を運行する系統。赤文字での台電大楼行き表示は現在は見られない。

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信義線301型走行音(象山→信義安和) GTO-VVVF制御で、制御装置はWESTINGHOUSE製。
Mc-T-M+M-T-Mc(6M2T)の6両編成。
扉開閉時にはドアチャイムが鳴る。加速時および減速時の変調音の多さが特徴。
淡水線・中和線301型走行音(景安→永安市場)
淡水線・新店線301型走行音(奇岩→ロ其哩岸)
淡水線・新店線301型走行音(士林→剣潭)

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