広島電鉄900形906 広島より搬出・船積み

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広島電鉄900形は大阪市電から1969年に14両が移籍した車両で、元大阪市電2601形である。1955年〜1961年製(主要機器は旧型車より流用)で製造会社は大阪車輌工業。車両寸法は長さ12,480mm×幅2,469mm×高さ4,024mm。最高運転速度は40km/h。車体は鋼製。

1998年より老朽化による廃車が発生している(他、1977年に902号が車庫火災により廃車)。そのうち、2017年2月まで運行していた906号(大阪市電時代は2627号)が在日本大韓民国民団を仲介してソウル特別市蘆原区に譲渡されることが決まり、2017年9月20日に広島電鉄と蘆原区の間で譲渡契約書締結が行われた。

なお、蘆原区は当初広島電鉄より車両を購入する予定であったが、広島電鉄が鉄道公園建設の趣旨に共感し無償譲渡されることとなった。

車両は2017年12月21日未明に広島電鉄江波車庫より搬出され、同日朝に広島市内の宇品外貿埠頭より船積みされた。

※広島電鉄江波車庫・宇品外貿埠頭の写真は、注記あり写真を除いて敷地外より撮影

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広島電鉄で現役だった頃の900形906(写真左)。

江波車庫にて2015年7月12日撮影(許可を得て撮影)
2017年12月20日の日中に江波車庫にて陸送準備が行われた906。同日夜に訪れてみると、ブルーシートで覆われて、搬出の時を待っていた。

江波車庫にて(以下、敷地外より撮影)
終電後、江波車庫に集う仲間とも最後の夜を過ごす。
深夜、寝静まった江波車庫の中でトラックのエンジンが始動。ヘッドライトを点灯し、出発の準備が始まった。
誘導車を先頭に、江波車庫を出発。
正面入口を抜けて、公道へと出る。
江波車庫の前で広電の線路を横断。
皆実町六丁目電停前を通過。広島電鉄の軌道とも最後の別れ。
トレーラーは軌道を東西に横断し、さらに東へ。

皆実町六丁目電停にて
翠3丁目3番交差点で右折したのち、宇品外貿埠頭へ一直線。
広島高速3号線の高架橋をくぐり、宇品波止場公園前に差し掛かる。ゴールはもう目前。
宇品外貿埠頭のゲート前に到着。
ゲートが開き、埠頭内へと入っていく。
翌朝。埠頭内で待機する906。
起重機船が到着。
吊り具の準備中。
スリングを八の字に広げて、その中へ車両を移動。
定位置に移動完了。
玉掛け作業中。
吊り上げ開始。
車体は完全にブルーシートに覆われているが、車輪が僅かに下から見えている。
海上へ。
空中で車両の向きを時計回りに回転。
「第五佐賀丸」に積み込み。
起重機船と第五佐賀丸。
慎重に車両を降ろしていく。
船倉へと吸い込まれていく906。姿が見えなくなるまで、じっと見守った。

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