平壌〜北京間国際列車新義州→丹東→北京

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(路線図:管理人制作)

新義州(シニジュ)駅では北朝鮮の出国審査(パスポートコントロール)及び手荷物検査が行われる。新義州での停車時間は1時間52分(平壌行きは1時間58分)。出入国管理の職員が各個室を回り、手荷物の中身を一つ一つ念入りにチェックする。
新義州駅停車中に機関車交換が行われ、中国国鉄の東風5型(DF5)機関車にバトンタッチする。
新義州駅発車。工場や倉庫、アンダークロスする線路を眼下に眺めながら中朝国境へとゆっくり進んでいく。
国境に架かる中朝友誼橋(朝鮮語:朝中友誼橋)に差し掛かる。全長946.2mの鉄道道路併用橋である。
中朝友誼橋を渡る。橋の周辺には長らく使われていなさそうな遊園地の施設が確認できる。
中朝の国境を流れる大河、鴨緑江(朝鮮語:アムノッカン、中国語:ヤールージャン)。川を挟んで写真手前が北朝鮮の新義州、写真奥が中国の丹東(ダンドン)である。
鴨緑江の上を通過中。川幅は約800m。
進行方向左手には鴨緑江断橋が見える。1909年に京義線(当時)の「鴨緑江橋梁」として建設され、1950年の朝鮮戦争の際に国連軍により空爆された。現在は丹東側から中朝国境付近までが残存し(新義州側へは繋がっていない)、観光施設として徒歩で渡ることができる。橋の中央部が旋回する可動橋で、旋回する部分は残存している(1934年に可動停止)。
中国(丹東)側に入る。
丹東駅に到着。丹東駅は2008年〜2009年に改修工事が行われ、ホームは大きな屋根で覆われた。
丹東駅到着後、中国の入国審査(パスポートコントロール)が行われる。
平壌〜北京間を直通する2両の客車の前に丹東〜北京間で運行される客車12両を連結した後、丹東駅のホームに降りることができる。丹東の停車時間は2時間6分(平壌行きは2時間43分)。
前に増結された丹東〜北京間運行の客車12両。丹東から先はK28列車(K=快速旅客列車)として運行する。
この後、一旦ドアを閉め、全ての車両がホームにかかるまで列車を後退させる。
K27/K28列車の「北京〜丹東」の行先票。
一方、平壌〜丹東間の区間運行の後ろ3両は、丹東で切り離される(中朝友誼橋は機関車+北京行き客車2両+丹東行き客車3両で渡る。食堂車を含む平壌〜新義州間の区間運行車両3両は新義州で切り離されている)。
丹東駅のホームから見た中朝友誼橋。新義州〜丹東間の駅間距離は2.0km。単線非電化の線路が両国間を結ぶ。
国際列車が発着する丹東駅のホームには、CRHの写真をバックに「建設和諧鉄路 促進経済社会又好又快発展」(=調和の取れた鉄路の建設で、経済社会の健全かつ急速な発展を促進する)のスローガンの看板が設置されている。
丹東駅のホームに停車中の、平壌発北京行きの国際列車の車両(タチム30型)。
丹東発車後に車内販売される弁当。丹東で連結した中国国鉄の食堂車で調理している。
翌朝。起床して最後尾から後方を眺めると、天津の近郊(津山線の塘沽〜軍糧城 間)を走行していた。沿線には高層マンションが林立し、進行方向右手には津秦客運専線(津秦高鉄)の高架軌道が並行している。
軍糧城駅付近で貨物列車と交差した。津山線(津山鉄路)の軌道は一直線に続き、列車は時速120km近くで走行する。
朝6:45、列車は3分ほどの早着で天津駅に到着した。
中国国鉄25B客車(左)と並ぶ、朝鮮鉄道省タチム30型客車(右)。
天津駅発車。次の停車駅は終点の北京駅。
天津北駅を通過。
朝鮮鉄道省タチム30型の車内。
隣の中国国鉄25T客車の車内。中国国内のみ利用の旅客が朝鮮鉄道省側の車両に来ないよう、カーテンで仕切られていた。写真手前側の個室は乗務員用。
行く手に北京城東南角楼が見えてきた。まもなく終点の北京駅に到着する。
同地点から見た、平壌・丹東発北京行きのK28列車。
最後尾2両の朝鮮鉄道省の車両。
車窓から朝ラッシュ時間帯の北京の街を眺める乗客たち。
北京駅に滑り込む。
22時間51分の長旅を終え、定刻に北京駅に到着。
牽引してきた韶山9型(SS9)電気機関車。
1,349kmの道のりを共にした車両に名残を惜しみつつ、ホームを後にする。
朝の北京駅。駅前広場はいつもの通り喧騒に包まれていた。
北京到着から約1時間後、列車は推進運転で北京車両段(車両基地)へと回送されて行く。
北朝鮮と中国の国境区間を行く。新義州駅を出発してまもなく両国の国境の鴨緑江に架かる全長946.2mの中朝友誼橋(鴨緑江大橋)をゆっくりと渡る。当橋は鉄道道路併用橋。橋の両側での街の雰囲気の違いが興味深い。

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北朝鮮との国境駅である丹東駅では、中国語・英語・朝鮮語の3ヶ国語による自動放送が行われている。
ただ、朝鮮語放送にて「列車」を北朝鮮式の「リョルチャ」ではなく、韓国式の「ヨルチャ」と発音しているように聞こえる。
また、北京は「ペイジン」ではなく、「北京」を漢字語読みした「プッキョン」と発音している。

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平壌発北京行きの国際列車(K28列車)の最後尾の朝鮮鉄道省の客車(タチム30 5313)より、流れゆく風景を見る。

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平壌発北京行きの国際列車(K28列車)の最後尾の朝鮮鉄道省の客車(タチム30 5313)から見た、天津駅発車の様子。

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