ベトナム国鉄ロンビエン駅・ロンビエン橋

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Long Bien(ロンビエン/龍編)駅はハノイ市ホアンキエム区(ハノイ旧市街のドンスアン市場付近)にある駅である。

フランス統治時代の1902年に完成した。ドンダン線・ハイフォン線・ラオカイ線・クアンチュウ線の共用区間にあり、当駅と隣のハノイ駅の間は踏切渋滞を避けるため、日中はほとんど列車運行がなく、大半の列車が当駅始発・終点となる。ホームは1面1線。2016年現在、ベトナム国鉄で唯一の高架駅である。

また、ロンビエン駅の東側には、紅河(ホン河)に架かる全長約1,700mのロンビエン橋(Cau Long Bien/橋龍邊)が隣接している。1902年に完成し、完成当時は世界で2番目に長い橋梁であった。橋梁の中央に鉄道の軌道(単線)があり、その両側にバイク・自転車専用道と歩道がある。トラス橋であるが、ベトナム戦争時にアメリカ軍から何度も爆撃を受け、一部のトラス部分が欠損している。補修を繰り返して100年以上経過した今でも使用され続けているが、老朽化が著しく列車は減速して通過する。

ロンビエン駅の駅舎。盛土上にある。ハノイ駅の隣駅で、ハイフォン線・ラオカイ線・ドンダン線・クアンチュウ線の各列車が発着するにもかかわらず、こじんまりとした駅である。
駅舎側から駅前を見る。ロンビエン橋から続くバイク専用道(原則一方通行)しかなく、狭隘な地である。タクシーや乗用車等の駅前乗り入れも不可。
ロンビエン駅舎前から見たロンビエン橋。
ロンビエン駅の駅舎内部。写真は閑散としているが、列車発車前は非常に混雑する。
ホーム。1面1線。駅舎はホームの東端にある。
ホームは高架上にある。1902年の開業時からこの立地で、2016年現在でもベトナム国鉄唯一の高架駅。
ホームは低床。
高架下は食器店・キッチン用品店・食堂等が連なっており活気に溢れている。
ハノイの旧市街に溶け込んでいる石造りの高架。
駅舎の裏手側(西側)からアプローチする道。旧市街の裏路地に繋がっている。
駅舎の裏手。中央に木が生え、その脇に売店がある。
ロンビエン駅の東端から続いているロンビエン橋。全長約1,700m。トラスの上の赤い看板には「交通安全はすべての家庭にとって幸せ」と書かれている。
ロンビエン橋をゆっくりと渡ってくる列車。
ロンビエン駅の駅舎と、到着した列車。踏切渋滞対策で、日中は大半の列車がハノイ方面へは行かず、ザーラム方面へと折り返す。
ロンビエン駅を発車して、ロンビエン橋を渡る列車。
ロンビエン橋のトラスには、工事を請け負ったDayde & Pille社の銘板が取り付けられている。橋は1899年に着工し、1902年に完成した。
ホアンキエム区側(ロンビエン駅側)から見たロンビエン橋。錆びて老朽化はしているが、優雅なアーチ状のトラスが連なっている。
橋の中央が軌道(単線)で、その両側がバイク専用道+歩道となっている。
ベトナムの道路は右側通行だが、この橋の部分だけは左側通行になっている。
ロンビエン橋は紅河(ホン河)に架かっているが、全長約1,700mのうち紅河の川の上に当たる部分は約650m程で、残りの部分は河川敷や住宅地である。
ロンビエン橋を渡る、ロンビエン駅発の列車。牽引はD12E機関車。
ロンビエン駅で折り返す列車はロンビエンで機回しが出来ないため、編成の両端に機関車が連結されている(協調運転は行っていない)。
紅河(ホン河)の直上部。多くの船が川を行き交う。
ロンビエン橋の約650m下流側には、Chuong Duong(チュオンズオン)橋が架かっている(1985年竣工)。かつてロンビエン橋は自動車も通行可能であったが、チュオンズオン橋が開通したことに伴い自動車とバイクの通行が禁止となった。その後、チュオンズオン橋の混雑緩和のため、2005年にバイクの通行許可が再開されている。
なお、チュオンズオン橋は歩行者通行不可である(歩道もない)。
ベトナム戦争時のアメリカ軍による度重なる爆撃の影響で、川の直上部はトラスが消失している。
橋の上の鉄道信号機。
ロンビエン区側のトラス。
ロンビエン区側(ザーラム駅側)の橋梁終端部。
ロンビエン区側の川岸から見たロンビエン橋。アーチ状の優雅なトラスが連なる一方、爆撃によりトラスが途切れている箇所もある。激動のベトナムの歴史を100年以上見てきた「時代の生き証人」は、今もなお交通の要所となっている。
ロンビエン駅からハノイ駅側も1km程高架となっている。
下町の軌道。日中は滅多に列車が走らず、線路は生活道路となっている。

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