老朽化した従来の301系や103系1000番台/1200番台を置き換える目的で登場した車両で、JR東日本標準車両のE231系を元に
地下鉄乗り入れ仕様という事で800番台という新区分番台となった。2003年に全10連7本が製造された。東西線に乗り入れる形式でJR車としては33年ぶりの
新系列車両である。車体幅は東京メトロの車両限界からE231系標準の広幅車体にはならず、従来の2800mmである。前面は常磐緩行線/千代田線の209系1000番台と
似たものとなった。また車内では貫通扉が2両に1つの割合で設置され、JR東日本通勤形車両初の閉定位になるもの(開けても自動的に扉が閉まる)が採用された。
これはドアレールを扉上部に斜めに設置されているものと思われる。この結果、床側のドアレールも省略されバリアフリーになっている。扉の取っ手も大型化された。
車内案内表示機は総武線E231系と共通のものとし、1段表示タイプとなっていて行先・次駅案内などを日本語と英語で案内する(表示機能は総武線E231系のものよりも
進化)。また、自動放送装置も設置されJR線内・東京メトロ線内では各社別に作ったそれぞれの自動放送が放送される。その他特筆すべきところは、
常磐線・山手線E231系では準備工事で終わっていた車外スピーカーが初採用されたことだ。この車外スピーカーでは乗車促進ブザーなどを
流すことが出来る。
性能関係では、まずMT比が従来の8M2Tから6M4Tに変更され、さらに山手線E231系と同じく純電気ブレーキを採用。VVVF装置は
三菱製IGBT-VVVFで通勤型E231系標準の音である。パンタグラフはシングルアーム式で3台が搭載されている。また、屋根上のラジオ受信アンテナは
設置されず、屋根上はよりすっきりしている。冷房装置は山手線E231系ヤテ504編成から採用されているファン2つの大型タイプ。
2003年1月30日から順次投入され、試運転・乗務員訓練・性能試験などが繰り返された後2003年5月1日より営業運転を開始し、
それから1が月もたたぬ2003/05/31に従来車をすべて置き換えた。(2003/06/02、同06/10のみ301系が臨時運用) |