九段下駅 大開口ホームドア実証試験

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2016年3月より、九段下駅2番線(中野方面)の後方2両分(1・2号車停車部)に大開口ホームドア(可動式ホーム柵)が設置され、実証試験が行われている。東西線でのホームドア実証試験は2015年3月〜9月に妙典駅1番線の中野寄り先端の1開口分で行われたものに続き、2例目。

2016年3月6日始発前に本体が設置され、同年4月23日より稼働を開始した。

ホームドアはナブテスコ製。前回の実証試験で妙典駅に設置されたものよりも多くの改良が施され、設備も本格的なものとなっている。前回の妙典の試験の際はホームドア本体以外の付帯設備はほとんど取り付けられなかったが、今回の試験では定位置停止状態検知装置及び表示灯、ホームドア状態表示灯等が取り付けられ、また発車メロディーの操作やホームドア閉扉操作のリモコン化も行われた。これはホームドア操作に伴う停車時間の増加を抑制する狙いがあると思われる。ホームドアの開扉は定位置停止を検知して車掌が操作せずとも自動で開く仕組みを構築しており、妙典での実証試験の際よりも到着から発車までの所要時間を短縮している。

ホームドア本体のデザインも妙典駅での試験機とは異なり、ガラスを多用して洗礼されたものとなった。また、一部の躯体には液晶画面が設置されており、完成イメージ図によると運行状況等を表示する模様である(2016年5月現在、未稼働)。ホームドアの寸法は、開口幅3,585mm(一部3,320mm)、高さ1,350mm、奥行き280mm(妙典の実験機より20mm薄くなった)。

関連ページ:「妙典駅 大開口ホームドア実証試験」「東西線九段下駅 常設ホームドア稼働開始」

九段下駅2番線の後方2両分に設置されたホームドア(可動式ホーム柵)。2015年に妙典駅で1開口分に設置された試験機よりも設備が本格的になり、より実用に近づいた感がある。妙典駅の試験機と同様にナブテスコ製である。
ドアはすべて二重引き戸式で、開口幅は3,585mm(一部3,320mm)。ドアのガラス面積が妙典の試験機よりも広がった。躯体部分の表面もガラス張りとなっている。
躯体の一部には、LCDが組み込まれている。
後方(竹橋寄り)2両分、8開口分に設置されたホームドア。安全確保のため、警備員が常駐している。
ホームドアが設置されていない箇所のホームの縁には紅白の縞模様のシートが追加された(ホームドア設置箇所は省略)。
ホーム最後尾。ホームドア設置に伴い、各種表示灯が天井に設置された。
表示灯の拡大。左側が「定位置停止状態表示灯」、右側が「ホーム柵状態表示灯」である。
「定位置停止状態表示灯」は、車両が定位置に停止したことを検知すると「D」表示が出る。
「ホーム柵状態表示灯」は全閉扉の間、「●」表示が出る。
写真の状態は、車両が定位置に停車しており、ホームドアが開いていることを示す。
以下、列車到着から発車までの流れを紹介する。
列車が定位置に停車。「定位置停止状態表示灯」は「D」表示。
「ホーム柵状態表示灯」はまだドアが開いていないため「●」表示。
定位置停止を検知した直後、自動でホームドアが開く(車掌は操作しない)。「ホーム柵状態表示灯」は滅灯。
発車メロディー操作・ホームドア閉扉は車掌がリモコンで行う。
原則、車両側のドアを閉めてからホームドアを閉める。
「ホーム柵状態表示灯」が点灯(閉扉)したことを確認し、車掌が運転士へ車内ブザーによる出発合図を行う。
列車が発車すると、「定位置停止状態表示灯」は滅灯する(「ホーム柵状態表示灯」は点灯したまま)。
定位置停止を検知する装置。1号車と2号車の連結部付近に設置されており、連結部の位置等から検知していると思われる。
ホームドアを対向ホーム(1番線)側から見る。
車掌操作部。ドアは躯体に設置されたボタンからでも手動で開閉できるようになっている。また、発車メロディー用のボタンも設置されている(両者とも通常は操作しない)。
車掌側表示灯。「定位置停止」、「全閉」、「ラッシュモード中」、「ドア異常」と書かれた表示灯がある。
(ラッシュモード:車内混雑時、閉扉の際に係員が乗客を車内に押し込むことを考慮して、車両側とホームドア側の閉扉を連動させないモードのこと)
停止位置付近には、車種別の停止位置許容範囲を示す表示が設置された。青が15000系、赤が07系、緑がそれ以外の車両を示す。
東西線を走行する全編成の両先頭車の海側(中野方面行き列車基準で進行方向左側)の乗務員扉脇には、停止位置確認用のテープが追加された(山側には貼られていない)。このテープの位置が上記の車種別停止位置許容範囲表示板内に収まって停車した場合はドアを開けて良い。
15000系は青色のテープ。
07系は赤色のテープ。07系の乗務員扉の位置はその他の車種と大きく異なっているため区別されている(先頭車の長さが、05系が20,270mm、15000系が20,520mmであるのに対し、07系は20,070mm。さらに07系は乗務員扉の位置が他の車種よりも車両中央寄りにある)。
その他の形式(05系(ワイドドア車、ドア配置変則車の6次車〜10次車を含む)、E231系800番台、2000系)は緑色のテープが貼られている。
ホームドアが設置されていない前方(飯田橋寄り)ホーム端にも、運転士用の車種別停止位置許容範囲表示板と「定位置停止状態表示灯」・「ホーム柵状態表示灯」が設置された。
ホームに掲示されている、ホームドア実証試験の案内。
ホームドアに掲示されているお願い。
躯体に組み込まれたLCDは、ドア稼働開始から暫くして使用を開始した。
LCDの表示内容。先発・次発の列車案内(日本語・英語)、列車の走行位置、運行情報等を表示する。
2016年4月23日より稼働した九段下駅のホームドアの開閉の様子。開扉は停止位置が許容範囲内であるかを検知して自動で行い、発車メロディーと閉扉は車掌がリモコンで操作する 。
05系16F(ワイドドア車、B修車)の発着の様子。

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05系24F(ドア配置変則車、アルミリサイクルカー)の発着の様子。

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15000系55Fの発着の様子。

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05系37F(ドア幅・ドア配置標準車)の発着の様子。

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