台鐵深澳線 復活

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1989年に旅客営業休止、2007年に貨物営業廃止となり、休止路線となっていた台鐵深澳(シェンアオ)線。2014年1月9日、海洋科技博物館へのアクセス路線として瑞芳〜海科館 間4.2kmで営業運転を再開した。また、2016年12月28日には海科館〜八斗子 間0.5kmも営業運転を再開し、計4.7kmが復活した。2014年7月16日からは全列車が平渓線と直通運転を行っている。

深澳線の歴史は1936年に開通した、台湾鉱業運営の金瓜石線(軌間762mm)に遡る。1962年8月26日に金瓜石線は廃止となったが、1,067mmへの改軌や一部区間の新設により台鐵の深澳線として1965年4月8日に再出発した(瑞芳〜深澳 間)。1967年8月25日に深澳〜水南 間が復活し、旅客営業を開始した(使用車両はDR2100〜2400)。しかし、モータリゼーションの進展により1989年8月21日に旅客営業を休止し、深澳火力発電所への石炭輸送列車も、同発電所閉鎖に伴い2007年9月6日に廃止となった。従って、今回の営業再開は、深澳線(・金瓜石線)の2度目の復活となる。

使用車両はDR1000型。なお、今回の路線復活で新設された海科館駅は、海洋科技博物館の敷地内に位置する。また、八斗子駅は台鐵の通年営業の駅の中では最も海に近い駅である。

瑞芳駅に入線する深澳線(平渓線直通)の列車。
瑞芳駅に停車中。全列車がDR1000型で運転される。
瑞芳駅には深澳線・平渓線用の3番線が、今回の路線復活に併せて新設された。
3番線の発車案内。両方面の列車が発着する。なお、ホーム内の停車位置が行先によって異なる。
瑞芳駅の駅名標。
瑞芳駅の深澳線列車の停車位置目標。
深澳線区間はスタフ閉塞方式で、瑞芳駅ではスタフの受け渡しが行われる。
深澳線の車内の様子。平渓線からの直通列車で、平渓線区間では非常に混雑していたが、大半の客は瑞芳駅で下車した。
瑞芳駅から800m程西に位置する、宜蘭線との分岐地点。
単線の線路を進む。
現旅客営業区間で唯一のトンネルである瑞澳隧道。
駅手前の「海科館」標識。
海科館入線中。
海科館駅のホーム。1面1線の無人駅。
改札。ICカードリーダーが設置されている。
海科館駅に入線する八斗子発平渓線直通の列車。
海科館駅を発車し、一号隧道を抜けると、車窓には海が見えてくる。
程なく終点の八斗子駅に入線。眺望を考慮して、復活に際してホームが海側に増設された。従前の山側のホームは現在使われていない。
八斗子駅のホームと折り返し列車。
八斗子駅のホームの様子。道路を挟んで海が近接している。乗降客は観光客が大半である。
八斗子駅の駅名標。
八斗子駅のホームからの海辺の眺め。
道路(浜海公路)から見た八斗子駅。
改札にはICカードリーダーが設置されている。
八斗子駅の再開業前の様子。駅が再開業したのは2016年12月28日であるが、約3年前の2014年1月24日より海科館駅止まりの列車は当駅まで回送され、折り返し発車時刻直前まで待機していた。これは2014年1月9日に海科館駅まで開通した際、当初海科館駅に車両を折り返し時間まで停車させていたところ、周辺住民から騒音や排気の苦情が相次いだことによる措置であった。
再開業前の八斗子駅。ホームは残存しているが、駅の入口には「禁止行人通行」の札が立っていた。
八斗子駅の先に確認できた、深澳駅方面へと続く線路。手前に車止め標識が設置されており、この区間を列車が走ることはない。
DR1000型の八斗子行きの方向幕。
八斗子行き表示の駅の案内表示器。朝・夜以外は平渓線の列車すべてが深澳線と直通する。

十分にて
平渓線の名物である、十分の町の軒先すれすれを通過する深澳線直通列車。
海洋科技博物館のラッピングが施された車両。海科館駅開業に合わせて暫くの期間運行されていた(現在は運行終了)。ラッピングのテーマにあわせて各車両に「○○号」と名前がつけられていた。写真は海洋映像号(DR1024)。
海洋未来号(DR1032)。
海洋科技博物館のロゴと車両名。
海洋漁業号(DR1029)。
児童探検号(DR1027)。
■開業直後の頃の様子 以下の全写真ご提供:呉昌樺 様
瑞芳駅に停車中の深澳線の列車。ホームには復活を記念する装飾が施されている。
海科館駅を発車する列車。海洋科技博物館ラッピングのDR1000型3両編成が使用される。
海科館駅に停車中のラッピング車両。
DR1000型の側面行先表示。方向幕に「海科館」のコマが追加された。
海科館駅のホーム。1面1線。写真奥が瑞芳方面。
上写真の反対側(八斗子方面)。
海科館駅の駅名標。
海科館駅の八斗子側に隣接している一号隧道。
海科館駅に到着した深澳線の列車。
開業時の深澳線の時刻表(2014年1月9日現在)。
開業時は瑞芳〜海科館 間の区間運用であったが、現在は深澳線の全列車が平渓線に直通する。
2014年1月9日に復活した深澳線の前面展望。車両はDR1000型。

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