苗栗鉄道文物展示館は1999年6月10日に苗栗(ミャオリー)に開館した、台鐵直営の鉄道博物館である。屋外展示では台鐵の車両の他、阿里山森林鐵路や台湾糖業鐵路の車両も展示され、保存車両数は16両。また、展示館横の「投煤練習場」では蒸気機関車の投炭練習施設やCK101の旧ボイラー等が展示されている。 当展示館は台鐵山線(台中線)苗栗駅の南側に位置し、新竹機務段苗栗機務分駐所に隣接している。苗栗駅から徒歩約5分。 休館日:土曜日・日曜日 開館時間:8:00〜17:00 入館料:無料 |
苗栗鉄道文物展示館の外観。入場無料。 | |
台鐵CT150型CT152号機。1918年汽車製造製で1978年に引退。 CT150型は日本の8620形蒸気機関車と同型機で、台湾総督府鉄道向けに43両(CT151〜CT193;製造時はE500形を名乗り500〜542)が製造された。 | |
台鐵DT560型DT561号機。1920年アメリカンロコモティブ(ALCO)製で1979年に引退。DT560型のトップナンバー車である。貨物専用機。 DT560型は日本の9600形蒸気機関車と同型機で、台湾総督府鉄道向けに14両(DT561〜DT574;製造時はE600形を名乗り600〜613)が製造された。DT560型は原設計を日本で行ない、製造をアメリカで行った唯一の蒸気機関車である。 | |
台湾糖業鐵路(糖鐵)の331号機(左)と、台鐵R0型R6号機(右)。 台湾糖業鐵路331号機は1935年日本車両製で、虎尾糖廠に新製配置されていた車両。軌間は762mm。蒸気ドームには日本車両の社紋が確認できる。 台鐵R6号機は1959年日立製作所製で1996年に引退。展示当初は晩年のオレンジ色の塗装であったが、後に落成当初の青色塗装に復元された。 R0型は電気式ディーゼル機関車で12両が日立製作所で製造された。ちなみに、R0型R1号機(トップナンバー車)は日本国鉄がDF91形として1959年8月の1ヶ月間、常磐線で各種試験を行った実績がある。 | |
台鐵S400型S405号機。1969年GM-EMD(Electro-Motive Division)製で1997年引退。こちらも展示当初は晩年のオレンジ色の塗装であったが、後に落成当初の青色塗装に復元された。 S400型は電気式ディーゼル機関車で5両が製造された。入換専用機関車。 | |
木造客車の25TPK2053号車。1921年台北鉄道工場(現 台北機廠)製で1996年引退。1961年に25ES2053に車番変更されたが、展示に当たって復元。 後ろに連結している木造客車は30SP2502号車で1953年台北機廠製、1996年引退。 | |
25TPK2053号車の車内。 | |
阿里山森林鐵路の28号機。3シリンダー28トンのシェイ式蒸気機関車で、1913年LIMA(アメリカ)製。1973年に引退した。 | |
阿里山森林鐵路のSPC2号客車。1971年日本車両製で、1982年引退。「光復号」用の高級客車として4両が製造された。 | |
台湾糖業鐵路(糖鐵)の巡道車、254号(ガソリンカー)。1962年台糖虎尾総廠製。運転台は右側にある。 | |
阿里山森林鐵路の11403-5号液体式ディーゼル機関車。1955年新三菱重工業(現 三菱重工業)三原製作所製で1982年に引退。 | |
阿里山森林鐵路の11403-1号液体式ディーゼル機関車。阿里山森林鐵路で最初に導入されたディーゼル機関車で、1953年新三菱重工業(現 三菱重工業)三原製作所製。1982年に引退。3軸ロッド式。 | |
台鐵LDH101型液体式ディーゼル機関車。1970年台鐵花蓮機廠製で、軌間762mmの台東線用機関車として製造。台東線の1067mmへの改軌が完了した1985年に引退。 同型は1両のみが製造された。 | |
台鐵LDR2200型LDR2201号気動車。1956年台鐵花連機廠製。上記のLDH101型と同じく軌間762mmの台東線用車両で、1982年に引退。 後ろの車両はLTPB1813号気動車で、同じく台東線用車両。1982年に引退。 | |
「投煤練習場」の内部。当展示館開館日の9:00〜17:00開館。CK101の旧ボイラーや投炭練習施設、台湾総督府等の資料が展示されている。 | |
「投煤練習場」内の投炭練習施設。かつて機関助士の練習用に設置されたものを流用している。自由に練習可能。 |