ミャンマー国鉄ティラワ港線

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ティラワ線はToe Gyaung Kalay(トーチャンカレー)〜Thilawa(ティラワ)間26.6kmを結ぶ路線である。全区間が単線で、Kwaytma、Ohkposu駅に列車交換設備がある。Ohkposu(オーポス)からは東大学支線が分岐している。

1993年にToe Gyaung Kalay〜Ohkposu間、2003年にOhkposu〜Thilawa間が開通した。

列車はすべてToe Gyaung Kalayよりヤンゴン-マンダレー線に直通し、Yangon(ヤンゴン)まで運行される(Toe Gyaung Kalayでスイッチバックする)。列車は1日に2往復しか運行されておらず、出入庫列車はInsein始発・終点となる(1日の列車の運行の流れはInsein→Thilawa→Yangon→Thilawa→Insein)。Toe Gyaung Kalay〜Ohkposu間は東大学支線直通の列車が1日3往復運行される(Yangon〜East University間運行)ため、両者を併せて5往復運転される。

Yangon〜Thilawa間37.9kmの所要時間は約2時間40分。同区間を乗用車であれば1時間以内で移動できる。

(路線図:管理人制作)

沿線に立つ大きなパゴダ(ミャンマー様式の仏塔)と、ティラワ港線を行くRBE2547(元 松浦鉄道MR-104)+RBT800客車。

Jama〜Thilawaにて
ティラワ港に並ぶ巨大クレーンをバックに走行するティラワ港線の列車。
Toe Gyaung Kalayを発車し、分岐を渡ってヤンゴン-マンダレー線からティラワ港線に入る列車の前面展望。直線の複線がヤンゴン-マンダレー線、左の単線がティラワ港線である。
Industrial Zone 1駅。1面1線の無人駅で、駅前の空き地では地元の住民がよく球技を行っている。ティラワ港線をはじめヤンゴン近郊の支線の保線状態は劣悪だ。最高速度は20〜30km/h程度である(地方の幹線の方がまだ保線状態が良い)。
Kwaytmaは1面3線の有人駅である。砕石輸送列車も当駅まで運転され、駅構内には砕石が並んでいる。
Kwaytmaで列車の行き違いを行う。わずかな停車時間に駅構内は果物や軽食等の物売りで賑わう。
バゴー川に架かるYangon-Thanlyin大橋を渡る。この橋は中央に鉄道、両側に有料道路の上下線が配置された鉄道道路併用橋で、中国の援助により1993年に開通した。橋の長さは鉄道橋が2,939m、道路橋が2,151mである(鉄道橋は川の両岸部分にも高架部分がある為長い)。ミャンマー国鉄の橋梁でも有数の長さである(ヤンゴン近郊区間では最長)。
Yangon-Thanlyin大橋を通過中の列車。川の上に当たる約2kmは一直線となっており、トラスの骨組みが奥まで続く壮観な風景が見られる。
路線のほぼ中央に位置し、東大学支線との分岐駅であるOhkposu駅。1面3線の有人駅。
Ohkposu駅に停車中のRBE2577(元 松浦鉄道MR-111)+RBE2527(元 のと鉄道NT126)。
雨季には軌道が緑の絨毯へと変わる。草は放牧された牛の餌となる。

Ohkposuにて RBE2547(元 松浦鉄道MR-104)+RBT800客車
Ohkposu構内の南側で東大学支線と分岐する。列車が走っている線路がティラワ港線で、写真左奥に分岐している線路が東大学支線。
Ohkposu〜Thilawa間は1日の列車本数は2本のみ。一部は写真のようにPC枕木化されているものの線路は曲がっている。
行く先に輝く金色のパゴダと、線路の脇で列車を待つ乗客たち。
Ohkposu〜Thilawa間は駅でない非公式の停留所(ホームはないが、特定の踏切等決まった地点)で停車し乗降が行われる。
草が埋もれた線路をかき分けるように超鈍足で走る、Thilawa行きの列車。
終点のThilawa駅に入線する列車。Thilawaは1面3線の有人駅。
Thilawa駅の駅舎。駅舎は駅の出入口とは反対側にある(駅舎を通り抜けて外に出ることはできない)。
Thilawa駅の側線には、陸揚げされたまま忘れ去られてしまったかのようにJR北海道の元「北斗星」の24系客車2両(オロハネ25 554+オハ25 551)が留置されていた。相当長い間手付かずのようである。
なお日本からの譲渡車両は、すべてThilawa国際港(Myanmar International Terminals Thilawa;略称MITT)で陸揚げされ、港前の踏切でオンレールされる。
オハ25 554側から見た24系客車2両と、Thilawa駅。オハ25 554の北斗星エンブレムは撤去されている。
24系客車の隣で機回しを行うRBE2547。日本では巡り合うことのなかった北海道と九州の車両がミャンマーでは共存する。
客車の横の側線を通過するRBE2547。
機回しし、客車との連結が完了した折り返しInsein行きの列車。
Thilawa駅の窓口の上の掲示。ミャンマー数字で書かれた時刻表も掲げられている。
内容は和訳すると以下の通り。

列車番号  発車時刻  行先
 ア2     朝 9:20  ヤンゴン
 ア4     夕方3:45 インセイン

列車番号  到着時刻
 ア1     朝 7:20
 ア3     夕方3:05

時間表記は24時間表示でなく12時間表示になっている。
なお、当時刻は撮影時の2013年8月現在のものである。
Toe Gyaung Kalay駅に入線する、Thilawa発Yangon行きの列車。
ティラワ港線のすべての列車はToe Gyaung Kalay駅でスイッチバック(機回し)を行う。
切り離されて機回し中のRBE2577。ホームの屋根との隙間は僅かしかない。
機回し中に一瞬並ぶRBE2577(元 松浦鉄道MR-111)とRBE2527(元 のと鉄道NT126)。RBE2527はこの時はトレーラー扱いであった。
編成再組成が完了し、出発待機中。
Toe Gyaung Kalay駅には大抵、機回しの都合で暫く停車する。写真を撮っていると地元の子供がポーズをとってくれた。
信号が青になり、Yangonに向けて去りゆく列車。転線してヤンゴン-マンダレー線に入る。
全区間ノーカットの前面展望映像。雨季の草に埋もれた軌道をゆっくりと進む。途中、駅でもない非公式の停留所に停車し、乗客を乗せる。

※ミャンマー鉄道運輸省の許可及び乗務員の方々の多大なるご厚意の下撮影

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途中、ミャンマーでも屈指の長さのYangon-Thanlyin大橋(全長2,939m)を渡る。保線状態はよくない為、ゆさゆさと揺れながら走る。Toe Gyaung Kalay駅では到着後の機回しも収録。

※ミャンマー鉄道運輸省の許可及び乗務員の方々の多大なるご厚意の下撮影

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エンジン音を高らかにToe Gyaung Kalay駅を発車する、Yangon(ヤンゴン中央駅)行きの列車。車掌が旗を振って発車合図を送っている。

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Toe Gyaung Kalay駅にて機回しを行い、RBE2527(元 のと鉄道NT126)と連結するRBE2577(元 松浦鉄道MR-111)。

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Ohkposu駅に入線するYangon方面Insein行きのRBE2577(元 松浦鉄道MR-111)+RBE2527(元 のと鉄道NT126)。

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金色に輝くパゴダ(ミャンマー様式の仏塔)をバックに走る、Thilawa行きの列車。

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駅でもないところで停車し客扱いを行う、ティラワ港線の列車。

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草生したThilawa駅に入線するRBE2547(元 松浦鉄道MR-104)+RBT800客車。

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Thilawa駅構内に忘れ去られたように佇んでいる元JR北海道24系客車2両(オロハネ25 554・オハ25 551)の前を行き交う、入替作業中のRBE2547(元 松浦鉄道MR-104)。

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機回しし、客車(Rail Bus Trailer)と連結するRBE2547。

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