空港鉄道1000系

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空港鉄道1000系は、同線の「直通列車」(チットンヨルチャ)用の車両である。全車両がROTEM・現代ROTEM製で、開業に合わせて2007年に3M3T(Tc-M-M-T-M-Tc)の6両編成3本(18両)が製造された。また、金浦空港〜ソウル駅 間の延伸開業に合わせて、2009〜2010年に6両編成9本(54両)が2次車として増備された。現在は第101編成〜第112編成の合計12本が在籍する。

韓国鉄道技術院(KRRI)が開発した「標準中型電動車」をベースに車体幅を拡大したアルミ車両(ダブルスキン構体)で、2扉クロスシート車となっている。車内はKTXとほぼ同一の座席が集団離反式に配置されており、車端部にはパソコン用のテーブルとコンセントが用意された単独席が設置されている。車両寸法は長さ20,000mm(先頭車20,450mm)×幅3,020mm×高さ4,000mm。加速度は3.0km/h/s、減速度は3.5km/h/s(非常時4.5km/h/s)で、営業最高速度は110km/h(地下区間最高速度は100km/h)。車両形式は金浦空港寄りから1100形(Tc1)-1200形(M2)-1300形(M1)-1400形(T)-1700形(M1)-1800形(Tc2)の順で、下2桁が編成番号を示す(第1編成ならば1101-1201-1301-1401-1701-1801となる)。1800形は車両の3分の2程度が荷物室となっており、ソウル駅でのチェックインサービスで預けられた乗客の荷物をこの車両に積み込む。

空港鉄道1000系1次車外観。プラグドアや連続窓風のデザインが特徴。

黔岩〜桂陽にて
桂陽駅に入線する1000系1次車。前面はFRP製で、同時期に製造されたKORAIL5000系新トングリと似た形状となっている。
1000系2次車(104編成)。1次車とほぼ同一仕様。

デジタルメディアシティ〜金浦空港にて
漢江にかかる麻谷鉄橋を渡る。

デジタルメディアシティ〜金浦空港にて
仁川地下鉄の車両基地の横を走行する1000系。

金浦空港〜桂陽にて
永宗島(ヨンジョンド)内を走行する。
上写真:黔岩〜雲西にて
下写真:雲西〜空港貨物庁舎にて
車内の様子。側扉間には2人掛けの座席が集団離反式に配置されている。
座席はKTXとほぼ同一のものが使用されている。簡易リクライニング機能付きで、KTXと同様に座面が前にせり出すタイプ。
座席番号は数字+アルファベットの組み合わせ。
デッキ仕切り。LCD(液晶ディスプレイ)が設置されており、終日「聯合ニュース」を放映する(「聯合ニュース」を契約受信している)。
デッキ仕切りの鴨居部には2段式LEDが設置されており、韓国語・英語・中国語・日本語の表示に対応している。
車端部にはスーツケース置き場と単独席が設置されている。
単独席の様子。パソコン用のテーブルとコンセントが用意されており、ビジネス客の利用を意識していると思われる。
単独席の座席番号は「S1」。
側扉はプラグドア。営業用車両としては韓国初のプラグドア採用の電車である。ドア窓は側窓にあわせて全体的に低くなっている。
貫通扉は電動で、開ける際はドア横のボタンを押す。
1800形は先頭寄りの約3分の2は荷物室であり、客室スペースは狭い。写真奥の扉の向こうが荷物室。
ソウル駅の直通列車ホームの先端に位置する手荷物処理サービス(BHS;Baggage Handling System)の設備。ソウル駅でのチェックインサービスで預けられた乗客の荷物を、この設備で車両に積み込む。
仁川国際空港駅のBHSの設備。1000形の荷物室用のドアおよびBHS部のプラットホームスクリーンドアは、他の客用ドアとは異なり個別制御が出来る仕組みになっている。
空港鉄道の直通列車での、韓英中日の4ヶ国語放送・LED表示による、ソウル駅発車後の案内。
デジタルメディアシティ駅の北側の地上区間から、麻谷鉄橋上までの車窓。
空港鉄道の直通列車での、韓英中日の4ヶ国語放送・LED表示による、仁川国際空港駅到着時の案内。

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