2003年2月18日に発生した大邱地下鉄火災事故を教訓に、韓国全国の各鉄道事業者では車両の不燃化工事を進めてきた。このうち韓国鉄道公社の広域電鉄は2006年8月現在1876両の車両を保有しているが、既に2000系・3000系・5000系は不燃化工事を全車に施工済みで、1000系も予備車である数両を残して改造工事を完了した。また、ソウルメトロは1944両、ソウル都市鉄道は1564両を保有するがそれぞれ不燃化改造・準不燃化改造を全車完了している。 2006年8月現在、確認した限りでは1000系のうち1063,1065,1163,1165(以上中期抵抗車),1440,1540(以上初期抵抗車)の6両(中期抵抗車4両+初期抵抗車2両)のみが不燃化改造未施工であった。これらは通常予備車扱いであり、検査などに伴う車両不足の際に九老車両基地で編成を組み替えて使用される。 |
不燃化改造未施工車である、1x63F。この編成のうち、1163,1540,1440,1063の4両が不燃化改造未施工である。不燃化改造では、前面・側面の行先表示機をLED化するため、広域電鉄では方向幕は風前の灯である。 鷺梁津にて | |
京仁線急行運用に就く、1x63F。 駅谷にて | |
京仁線複々線の外側を行く1x63F。編成は初期抵抗車と中期抵抗車が混結になっているが、九老車両基地では頻繁に編成を組み替えるためこのような編成をよく見かける。 富開にて | |
夕方の倉洞駅に入線する1x63F。 | |
方向幕。方向幕は広域電鉄のすべての形式で採用されていたが、不燃化改造により急激に姿を消し、現在は大変貴重な存在に。なお、ソウルメトロでは不燃化改造車でも引き続き方向幕を使用している。また、釜山地下鉄も1000系では方向幕をしていたが不燃化改造完了により現存しない。 韓国で使用している巻取機は森尾電機、幕は小糸工業の技術提供であるため、仕組みは日本のものと同様となっている。制御はバーコード式である。 | |
中期抵抗車不燃化改造未施工車車内。ごく最近まで当たり前であったこの光景も、まもなく見納めに。 | |
中期抵抗車先頭車不燃化改造未施工車車内。日本の103系譲りの寒色系の化粧板である。 | |
座席の様子。不燃化改造により、ソウルメトロやソウル都市鉄道公社では座席はステンレス製(一部難燃モケット)となり、広域電鉄でも難燃モケットであるが非常に硬く、座り心地はあまりよろしくない。このクッションが利いた柔らかい座席も韓国の通勤電車からは消えようとしている。 | |
乗務員室仕切り壁。 | |
貫通扉と優先席。 | |
初期抵抗車不燃化改造未施工車車内。 | |
ドアコック位置表示板も日本の国鉄〜JRなどで採用されているものとデサインはそっくりであったが、不燃化改造に伴い新デザインのものに取替えられてており消滅寸前。 | |
天井埋め込み式の扇風機。不燃化改造では扇風機を廃止している。 | |
中期抵抗車不燃化改造車車内。新車と見紛うばかりの徹底したリニューアル振りである。窓や扉を除いてすべて不燃材に交換されており、往時の面影はほとんどない。 | |
初期抵抗車不燃化改造車車内。初期抵抗車は5年以内に全廃予定であるが、こちらも窓サッシ、扉を除いて全て不燃材に交換されている。 |