新トングリ営業運転開始

2005年12月の試運転の様子をお伝えした韓国鉄道公社5000系「新トングリ」(5x67F〜)だが、2006年初旬から本格的な営業運転を開始した(5x67Fのみ2005年12月より営業運転開始)。2006年8月現在、既に12編成が営業運転入りし、さらに初期抵抗車と中期抵抗車(一部)の置換え、および京元線 議政府北部〜逍遥山(ソヨサン) 間(22.3km)の広域電鉄化(開通は2006年12月の予定)に伴う車両増の目的で増備が続いている。最終的には10両編成33編成の計330両が投入される予定。なお、同車両の投入により、既に初期抵抗車先頭車化改造車は全廃となった(登場から約5年で全廃)。
同車両は前面デザインおよび内装が5000系従来車と大幅に変更された。その細部を紹介する。

関連ページ:新トングリ車両試運転

営業運転に就く5000系新トングリ。

軍浦にて
離合する新トングリ。同車両は急ピッチで増備が進められており、その姿も珍しくなくなった。

鷺梁津にて
5000系初期車(右)と並ぶ、新トングリ(左)。形式はどちらも「5000系」を名乗るが、長期にわたる増備のうちに外観や内装、足回りも変更され、形式は同一でも両者は全く異なる風貌となった。5000系はまさに「韓国の東京メトロ05系」のような存在である。

城北にて
新トングリの中間車内部の様子。従来車と比べて部品点数が減り、全体的にすっきりとした仕上がりとなっている。
先頭車の様子。乗務員室仕切り扉のガラスは従来車同様スモークガラスで、さらに基本的に遮光幕が下りているため(稀に開けていることはある)前面展望は不可。
座席の様子。新製時から難燃モケットとなっている。座席は初めて片持ち式となり、袖仕切の形状も変更された。
網棚も従来のパイプ式から変更された。
LED式車内案内表示機は配色が従来車の黒から白に変更された。各車両に2箇所計4ヶ所が設置されている。表示内容は従来車と同一で、停車中は列車の行先を、走行中は次駅・乗換路線・ドアの開く方向・広告などを表示する。(写真は停車中の「餅店ゆき」の表示)
車端部の様子。優先席および車椅子スペース(一部車両のみ)が設けられている。天井の形状も従来車から変更され、丸みを帯びたものとなった。
優先席の様子。貫通路は韓国鉄道公社の通勤電車としては初めてフラットとなった(従来車は貫通扉部に段差がある)。
優先席のステッカーも変更され、ピクトグラフのみで表すようになった。
車椅子スペースには寄りかかり用のクッションが設置され、車椅子利用時以外はフリースペースとして有効活用できるよう設計されている。車椅子固定器具も用意されている。
側扉の様子。ドアエンジンが電気式となり、開閉は非常に静か。ドアの取っ手の位置が従来車よりも高くなった。
ドアのステッカーも新規デザインのものとなった。
ドアコックの形状も従来車から変更され、大田地下鉄などと同様、ハンドルをひねるタイプとなった。

5000系新トングリ走行音(細柳→餅店)従来の5000系IGBT車と同様の宇進産電(東芝)製のIGBT-VVVF制御装置を搭載している。ドアエンジンが電気式になったため、ドアの開閉音は非常に静か。
5000系新トングリ走行音(清凉里→回基)

関連ページ:新トングリ車両試運転

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