充電式トロリーバス

上海市の豫園(ユーユエン)の周りを環状運転する11路(11系統)のバスには、世界初の充電式トロリーバスが運転されている。このバスは「上海市科技創造行動計画プロジェクト」の一環で開発され、中国語では「超級電容公交車」と呼ばれる。停留所停車中に、停留所に設置された架線からパンタグラフを上げて充電をする仕組みで、充電時間は約1分。1回の充電で約5km走行することが出来、2・3停留所ごとに充電する。
2006年8月29日に11路の内回り(右回り)で充電式トロリーバスでの運転が開始され、7台の充電式トロリーバスが導入された。外回り(左回り)は従来どおり3台の普通のトロリーバスと4台のディーゼルバスで運転されているが、2008年中には7台の充電式トロリーバスが追加投入されて内回り・外回りともに置き換えが完了する予定。
普通のトロリーバスは1kmあたりの建設費が70万元でメンテナンス費が毎年5.7万元かかるのに対し、この充電式トロリーバスは1kmあたりの建設費が24万元、メンテナンス費が毎年1万元と格安であり、上海市は深刻化する大気汚染対策のために電気式バスの導入を積極化したい考えだ。しかし一方で、ディーゼルバスと比較すれば車両代は割高で、さらに急速に充電できるものの放電も早いことが問題点となっている。

11路に導入された、世界初の充電式トロリーバス。
停留所で充電のために上昇するパンタグラフ。停留所での客の乗降時間を兼ねて、約1分で充電する。
パンタグラフを下げた状態。
停留所の充電式トロリーバスの架線。11路の全停留所に設置されている。
充電式トロリーバスの前面ガラスには「上海市科技創新行動計画超級電容公交電車示範線」(上海市科技創造行動計画の充電式トロリーバス示範線)と書かれている。
充電式トロリーバスの車内。他の新型ディーゼルバス等と特に差異はない。
11路の外回りは普通のトロリーバスとディーゼルバスで運行されている。2008年中には外回りも充電式トロリーバスに置き換えられる予定。
外回りの停留所に2007年末に新設された架線。

充電式トロリーバスの充電風景パンタグラフの上昇・降下の様子。

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