大連快軌3号線

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大連快軌3号線は大連火車站(ダーリェンフォーチャージャン)〜金石灘(ジンシータン) 間13駅49.1kmを結ぶ路線である。全区間が地上に位置し、山岳トンネルは1箇所(長さ1.1km)、高架区間は16.4kmで高架駅は7駅、その他の区間は地平区間である。全区間複線(右側通行)で、架線集電方式による直流1,500V電化。軌間は1,435mm(標準軌)。第一期区間である香炉礁(シャンルージャオ)〜金石灘 間46.7kmは2003年5月1日に正式開通(2002年11月8日に試運行を開始)し、2004年9月29日に第二期区間の大連火車站〜香炉礁 間2駅2.4kmが開通した。

快軌車両段(クァイグイチェーリァンドゥアン)駅はその名の通り快軌の車両基地内に設置された駅であるが、大連火車站行き列車しか停車せず(ホームも片側にしか設置されていない)、しかも全列車が停車しすべての扉が開くにもかかわらず乗降は快軌の職員しか許可されていないという非常に特異な駅である(快軌車両段駅までの切符も販売されていない)。

車両はDloco FG型と呼ばれる中国北車集団大連機車車両(Dloco)製の4両編成の車両で、先頭車は2扉、中間車3扉という変則的な扉配置が特徴。ワンマン運転を実施している。

大連快軌3号線のDloco FG型電車。2M2T(Tc+M+M+Tc)の4両編成の電車で、20編成が導入された。車体長19m、車幅2800mm、最高速度は100km/h。車両の開発には東芝が協力し、電装品は主に東芝製のものが採用されている。

泉水にて
金石灘駅前にあるテーマパーク「発見王国」の全面ラッピング車両。同テーマパークは敷地総面積47万平方メートルを誇る。

双D港にて
パンタグラフはシングルアーム式で、集電舟を支持する上枠も1本の鋼管で支持する日本式である。東芝が車両設計に関与した為と思われる。この形状のシングルアームパンタグラフを中国で採用しているのはここだけである(中国では上枠をV字型に配置した2本の鋼管で支持するヨーロッパ式が主流)。車体側面には車両製造メーカーである「大連機車」の文字。
ボルスタレス台車を採用している。車体側面下部(写真の右側)には金色の車両製造メーカーの銘板が見える。
中間車の車内の様子。2+1人掛けのボックスシートが展開している(車端部はロングシート)。
乗務員室仕切り壁の後ろは2+2人掛けのボックスシートで、その手前には車椅子スペースが2箇所設けられている。車端部の上側にはLED式案内表示機が設置されている。
運転台の様子。右手操作式ワンハンドルマスコンタイプである。
2005年に増備された5編成は車内のデザインが変更された。つり手やスタンションポールは黄色に着色され、つり革は省略。乗務員室仕切り壁の背後はロングシートとなった。写真は先頭車の様子。
2005年に増備された編成は各扉の上にマップ式案内表示機が設置された。既に走行した区間を緑色、これから走行する区間を青色のLEDで表示する。
駅の自動券売機。硬貨の他、お札も対応している。右隣には、プリペイドICカードのチャージ機が設置されている。普通乗車券の場合の初乗りは1元、全区間乗車ならば8元であるが、プリペイド式の「ICカード」なら初乗り0.9元、全区間乗車7.2元に、快軌専用の「快軌ICカード」なら初乗り0.8元、全区間乗車6.4元に割引される。
自動改札機。乗車券は一般乗車券を含めて全てICカード式のため、入場側には切符挿入口がない。
自動改札機のICセンサー部。
2004年9月29日に開通した大連火車站駅。国鉄の大連駅の北側に位置し、全面ガラス張りの駅舎が特徴。ホームは2階に位置する。混雑緩和のため、乗降ホームが分離されている(乗車専用ホームが中央1面、降車専用ホームがその両側に2面の3面2線)。
終点の金石灘駅。ホームは相対式(2面2線)で、基本的に片側のホームしか使用しない。駅前には大型テーマパーク「発見王国」の入口があり、駅前ではダフ屋が同テーマパークのチケットを販売している。金石灘駅到着前の右側の車窓から同テーマパーク内の様子を伺うことができる。また、金石灘は高級リゾート地で、砂浜やゴルフ場へのバスも発着している。
大連湾〜金馬路 間にある快軌の車両基地。
その車両基地の敷地内にある、職員専用の「快軌車両段」駅。一般客の利用は禁止されており、かつ基地の外への出口も無いにも関わらず全ての列車が停車し、ドアも開く。車内の路線図にも掲載されている。ホームは大連火車站方面側にしか設置されていないため、金石灘行き列車は通過する。
駅名標には正式な駅名ではなく、「快軌職工乗降站」(快軌従業員乗降駅)と書かれている。

大連快軌3号線Dloco FG型電車走行音(保税区→双D港) IGBT-VVVF制御で、装置は東芝製である。VVVF制御装置の型式は以下の通り。
1次車(0001~0010編成):SVF058-A0
2・3次車(0011~0028編成):SVF058-B0。現在は中国大連電力牽引製 CNE PW-1000/D/H08 に更新済。
4次車の大半(0029~0035,0038):SVF058-D0
(情報提供:Tony Lu  在中國中國人様)

車体は防音構造になっておらず、特に貫通路付近から鳴る軋み音がうるさい。ドア開閉時はチャイムが鳴る。
自動放送は中国語と英語で放送するが、英語放送でも駅名の部分は英語名ではなく中国語名で発音している(中国や韓国等では駅名が現地語名と英語名で異なる場合がある。到着駅の「双D港」駅の英語名は「DD Port」だが、中国語名に倣って「Shuang D gang(シュアンディーガン)」と放送している)。

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