タイ国鉄13・14列車乗車記

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JR西日本の14系・24系客車は、2016年11月11日までバンコク(フアランポーン/クルンテープ)〜チェンマイ間751.4kmを結ぶSpecial Express13列車及び14列車の運用に就いていた。

SP Exp 13列車:バンコク19:35発→チェンマイ8:40着(途中、バーンスー、アユタヤ、ロップリー、ナコーンサワン、ピチット、ピッサヌローク、ウッタラディット、シラアット、デンチャイ、バーンピン、ナコーンラムパーン、クンターン、ラムプーンに停車)
SP Exp 14列車:チェンマイ18:00発→バンコク6:15着(同上(停車駅順は上記と逆))

14系・24系客車による最終運行は、13列車が2016年11月10日、14列車(13列車の折り返し)が2016年11月11日であった。なお、同日以降は使用車両が変更されただけであり、13列車・14列車のダイヤ自体は存続している。
2016年11月11日付のダイヤ改正で、Special Express9列車・10列車(2016年11月10日までは1列車・2列車として運行)に中国の長春軌道客車製の新型車両が導入され、その玉突きで従来Special Express1列車・2列車で使用されていた車両が13列車・14列車に転用された。

13列車始発駅のバンコク・フアランポーン駅(クルンテープ駅)。
発車時刻の2時間前、既に13列車はフアランポーン駅3番線で待機していた。
「クルンテープ - チェンマイ」と書かれた13列車の行先表示版。
フアランポーン駅の3番線ホームの13列車発車案内表示。
発車前にホームで行われる外板清掃。モップで洗剤を車体に塗った後、高圧の水で豪快に洗い流していく。
洗い流した後はモップで車体を拭く。こうしてブルートレインの車体はいつもピカピカな状態で保たれている。
先頭に立つGEA型電気機関車(アメリカ・GE製)。
日もすっかり暮れ、ライトアップしたフアランポーン駅。
フアランポーン駅のアーチ状の屋根の下に並ぶ夜行列車。
車両の最後尾で待機する乗務員。各車両の入口にも乗車券のチェックのため、乗務員が待機している。
13列車の乗車券を持って、いざ乗車。
19:30に隣の4番線のナコーンシータンマラート行きExpress 85列車が発車。19:35の13列車発車までの5分間が、フアランポーン駅で13列車の編成写真を綺麗に撮影できる僅かな時間帯であった。
19:35、定時でフアランポーン駅を発車し、一路チェンマイへと向かう。
フアランポーン駅を発車して間もなく、オレンジジュースの車内販売がある。
続いて乗務員によるベッドメイキングが行われる。
食堂車へ夕飯を食べに行く。バックパッカーの欧米の方々で食堂車や2等寝台車は賑わっていることが多いと聞いたが、遅い時間に行ったためかガラガラであった。なお、自分の寝台まで食事を持ってきてくれるサービスも行っている。
食堂車のメニュー。街中の食堂よりは割高であるが、食堂車内の厨房で調理してくれるため味は美味しい。
オーダーした料理(「ROT FAI LUAK JIM」)。
夕食を終え、B寝台の通路の折り畳み式の椅子に座って夜の車窓を眺める。日本各地で乗ったブルートレインの旅の想い出が蘇った。
B寝台は金色のカーテンが閉められ、乗客は寝静まっていた。
タイ国鉄発注のステンレス車体の寝台車(日立製作所・大宇重工業製)の車内。通路の両側に2段式ベッドが連なる。
自分の寝台に戻り、流れる車窓を見ながら眠りにつく。
朝。目覚めると、列車は山あいを走行していた。
食堂車へ朝食を食べに行く。オーダーが大量に入り、食堂車のスタッフは大忙しであった。
朝食。鶏肉とパクチーが入ったおかゆ(バナナ・オレンジジュース・コーヒー付き)をオーダーした。
食堂車の厨房の様子。
列車は左に右に大きく曲がりながら、チェンマイに向けて進んでいく。
朝のB寝台車内。
チェンマイ到着の少し前にシーツや枕が回収された。
30分遅れで終点のチェンマイに到着(数時間遅れもザラであるタイ国鉄において、30分延はかなり優秀である)。到着後、早速給水・排水・車内清掃等の整備が開始された。
13列車の到着と入れ替わりで、バンコク行きの8列車(韓国・大宇製APN.60型気動車)が発車して行った。
チェンマイ到着から1時間後、車両の入換が開始された。
チェンマイ駅のホームを離れる13列車(回送)。
荷物車の連結位置は原則機関車の次位と決められているため、まずは荷物車だけを切り離す。
転線し、その他の車両を推進運転。
その後、荷物車だけを入換え、先程までとは反対側の編成端に連結。これで折り返しの14列車(チェンマイ発バンコク行き)として運転するための編成組成が整った。
さらに推進運転をして、奥の留置線へと車両を進めて行く。
チェンマイ駅の駅舎外観。チェンマイ駅はタイ国鉄最北端の駅で、1922年に開業した。
駅前広場には340号蒸気機関車(1912年Swiss Locomotive and Machine Works製)が静態保存されている。
チェンマイ駅のホーム。島式ホーム2面で、1〜4番線がある。
ホームの入口には駅名標と共にラーマ5世の肖像画と像の首が展示されている。
3番線に停車中のバンコク行き14列車。13列車で使用された車両の折り返し運用。
車両の前には号車を示す看板が据え付けられていた。
チェンマイ駅を発車し、疾走する14列車。目指すは750km先のバンコク。
2016年11月11日で13列車・14列車としての役目は終えたブルートレインだが、また他の運用にて再び返り咲く日が来ることを願わずにはいられない。
BNO.P.101(元オロネ25 302)の宿泊したA寝台の様子から、隣のBNT.P.204(元スハネフ15 15)、そしてその隣のBNT.P.123(元オハネ25 205)の車内を探索。元オロネ25 302は車内のトイレが洋式に交換され、トイレ内にシャワーが追加設置されている。B寝台車(タイ国鉄では2等寝台車)の2両は、寝台のカーテンが金色のものに交換されている。いずれの車両も日本時代の面影は比較的残っている。
BNT.P.123(元オハネ25 205)の車内の通路から、雨が降る中Nakhon Lampang駅に到着する様子を眺める。多くの乗客はまだ寝ている。

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タイ国鉄で最も標高が高い駅であるKhun Tan駅(標高578m)を発車する様子を車内から眺める。当駅がサミットとなっており、当駅で反対方向の列車と交換するとともに、当駅まで連結していた補機が切り離される。

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Chiang Mai(チェンマイ)駅に到着した、当駅止まりのSP EXP 13列車が機関車を連結して構内入換を行う。この日のSP EXP 13列車は、バンコク寄り5両が元JR西日本の寝台車で、その後ろに食堂車、ステンレス車体の寝台車2両(日立製作所・大宇重工業製)、荷物車が連結されていた。

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Chiang Mai(チェンマイ)駅到着後に構内入換を行うSP EXP 13列車。折り返しSP EXP 14列車として使用するため、先頭の荷物車を一旦切り離し、その他の車両を推進した後、最後尾に連結し直す作業を行っている(荷物車は機関車の次位に連結するようにしている模様)。後ろの5両は元JR西日本のスハネフ15 17+オハネ25 163+オハネ25 205+スハネフ15 15+オロネ25 302である。

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Chiang Mai(チェンマイ)駅を発車してBangkok(バンコク)へと向かうSP EXP 14列車。機関車・荷物車に次いで前5両が元JR西日本の14系・24系寝台車(オロネ25 302+スハネフ15 15+オハネ25 205+オハネ25 163+スハネフ15 17)で、その後ろに食堂車、ステンレス車体の寝台車2両(日立製作所・大宇重工業製)が連結されている。

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Chiang Mai(チェンマイ)駅を発車した、Bangkok(バンコク)行きのSP EXP 2列車。大宇重工業製のステンレス製寝台車が大半を占めるが、前から9両目(後ろから3両目)に元JR西日本の12系客車が1両挟まれている。

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Special Express 13列車乗車券(バンコク→チェンマイ)
2016年11月11日まで、13列車・14列車の乗車券には「CLASS - COACH TYPE」(クラス・車種)の欄に「JR」クラスの表記があった。

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