バンコクMRTブルーライン
Bangkok MRT Blue Line



MRTブルーラインはフアランポーン〜タオプーン間19駅21.2kmを結ぶ路線である。路線の正式名称はチャルーム・ラチャモンコン線。全区間複線(左側通行)で、第三軌条方式による直流750V電化。軌間は1,435mm(標準軌)。ワンマン・ATO運転を実施している。バンコクで頻発する洪水による浸水被害を防ぐため、すべての駅の出入口は地面より1m上に設けられ、防水扉も設置されている。車両基地はプララーム9(ラーマ9世)駅とスーンワッタナタムヘンプラテートタイ(タイ文化センター)駅の東側にある。2004年7月3日にフアランポーン〜バンスー間、2017年8月11日にバーンスー〜タオプーン間が開通した。

当初、同線はBTSスカイトレインと同様に全線高架で建設される予定であったが、騒音などの環境面を配慮した結果、第1期区間(フアランポーン〜バーンスー)は全区間地下に計画変更された。1996年11月19日に建設工事が開始されたが、1997年のアジア通貨危機によるタイの経済危機等によって建設工事は遅れ、開業は当初予定の1年後となった。建設工事費の大半は円借款で支援され、路線の建設も日本の建設会社が協力した。そのため、各駅のコンコースには日本政府の資金協力に感謝の意を表明する碑板が設置されている。

車両はSiemens製で、2002年〜2004年に2M1T(Mc-T-Mc)の3両編成19本(57両)が製造された。基本設計はBTSスカイトレイン向けのものと同一となっている。車体はステンレス製であるが全面塗装されている。車体長21,800mm、車幅3,120mm。加速度は4.7km/h/s、減速度は3.2km/h/sで、加速度はBTSスカイトレインの車両よりも高くなっている。車両形式名はないが、車両番号は両先頭車(Mc)が1000番台、中間車(T)が3000番台となっている(第1編成ならば車両番号は順に1001-3001-1002、第2編成ならば1003-3002-1004、第3編成ならば1005-3003-1006、・・・という法則で付番されている)。

現在、フアランポーン〜タープラ〜バンケー間(14km)、タオプーン〜タープラ間(13km)の延伸計画があり、延伸開通後は6の字型運転を行う予定。

(路線図:管理人制作)

ブルーラインの車両。Siemens製で、BTSスカイトレインの車両をベースとしている。
車体はステンレス製だが全面塗装されており、白を基調に窓下に赤・青・黄の帯が入っている。
LED式の行先表示機。先頭車前面と側面に設置されている(中間車には未設置)。行先をタイ語・英語で交互表示する。
車内の様子。オールロングシートで、座席は7人掛け。通路中央にはスタンションポールが並び、ドア間にはつり革が設置されている。 つり革や手すりの数がBTSスカイトレインの車両よりも減少している。また、BTSスカイトレインの車両とは異なり、側窓は全て固定式。
混雑対策のため、2018年に全編成の各車両中央部の座席(4扉のうち中央寄り2か所のドア間の座席)が撤去された。
側窓の上に改造で追加設置されたLCDは、次駅案内や広告等を表示する。
車端部にある、Siemensの車内銘板。
車両番号ステッカーと、デジタル式の温度・湿度計。
優先席の案内表示。僧侶が対象となっているのはタイならではの文化である。
ドアステッカー。
手荷物品注意の掲示。英語・タイ語・中国語・日本語の4ヶ国語で書かれている。
MRTの出入口。洪水による浸水被害を防ぐため、各駅の出入口は地面より1m上に設けられている。

スワンチャトゥチャックにて
各駅のコンコースに設置されている、日本政府の資金協力に感謝の意を表明する碑板。碑板には日本語で「この碑版は、M.R.T. チャルームラチャモンコン線の建設に際し、日本国政府が国際協力銀行を通じてタイ高速度交通公社に行った資金協力に対する感謝の意を表して設置されました。」と刻まれている。
自動券売機。タッチパネル式で、画面上に表示される目的地の駅をタッチしてから運賃を支払う。
2007年頃より、MRT全駅にてゲート型金属探知機および警備員の目視によるセキュリティチェックを行っている(BTSは実施していない)。
自動改札機。乗車券はICトークン式で、入場時はセンサーにタッチする。出場時はICトークンを投入口に投下する。
ホームの様子。全ての駅にプラットホームスクリーンドア(PSD)が設置されている。ホームは6両分の有効長があるが、列車は3両編成のため、3両分のホームドアは未使用。
地上駅では可動式ホーム柵(APG)が設置されている。
駅名標。
タオプーン駅付近を走行するブルーライン。バンスー〜タオプーン間は2017年8月に開業し、ブルーラインの営業線では初の地上区間となった。背後に見えるのは建設中のタイ国鉄のバーンスー駅新駅。
タオプーン駅ではパープルラインとブルーラインが直角に交差し、3階がブルーライン、4階がパープルラインのホームとなっている。パープルラインのホームからブルーラインの線路や列車を見ることができる(写真右奥に小さくブルーラインの車両が見える)。
なお、両路線の線路は接続していない。
タオプーン駅のブルーラインのホーム(2面2線の相対式)。直上がパープルラインのホーム。
タオプーンから西側は延伸工事中で、2019年に延伸開業予定。2017年時点で既に大半の区間で軌道は設置済み。
プララーム9(ラーマ9世)駅とスーンワッタナタムヘンプラテートタイ(タイ文化センター)駅の東側に位置する車両基地。本線と出入庫線はデルタ線で接続している。車両基地の周りは緑で覆われており、中の様子はほとんど見えない。
シーロム駅に到着〜発車する、フアランポーン行きの列車。全駅にプラットホームスクリーンドア(PSD)が設置されている。

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ペッチャブリー駅を発車する、バーンスー行きの列車。

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2017年8月11日に当駅まで延伸開通し、ブルーラインで初の地上区間となった。パープルラインのホームと直角に立体交差している。パープルラインのホームより撮影。

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Siemens製電車走行音(サムヤン→フアランポーン)IGBT-VVVF制御で、制御装置はSiemens製。
Mc-T-Mc(2M1T)の3両編成。
扉閉時にはドアチャイムが鳴る。
Siemens製電車走行音(フアランポーン→サムヤン)
Siemens製電車走行音(サムヤン→シーロム)

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