台北捷運車両紹介VAL256

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VAL256は木柵線(現:文湖線)用の車両として製造されたVAL(新交通システム)タイプの車両である。フランス・MATRAおよびGEC Alsthomが製造を担当し、1991年に2両編成51本(102両)が製造された。無人運転に対応しており、保安装置としてATO・ATCを搭載する。最小通過半径は30m。営業運転では2両編成単独で走行することはなく、2本を併結した4両編成で終日運行される。編成番号は01〜51で、前頭部の前面窓及び側面に表記されている。一部では「350型」とも呼ばれる。

車体はアルミ製。寸法は車両長13,780m、車幅2,560mm、車高3,530mm。加速度は4.68km/h/sで、最高速度は80km/h。1両あたりの定員は114名(座席定員24名、立席定員90名)。車内は車端部を除いてクロスシートとし、着席定員を確保している。なお、VAL256の「256」は車両の幅が25611aであることに由来する。

同形式はMATRA社が空港内のシャトル列車向けに設計した車両をベースとして開発された。そのため、扉幅は2,100mmと非常に広く、また貫通路も設けられていない。木柵線の環境にあわせて編成両数、電気系統、連結器等の仕様変更を行ったが、外観デザインは一切変更してないとのことである。(「台北捷運逃生体験館」内の展示資料より)

内湖線の開業日の2009年7月4日より全車両が運用を離脱し、文湖線の自動列車制御システム(Bombardier開発のCITYFLO650)への対応改造工事を木柵機廠で行った。2010年12月26日より営業運転に復帰し、文湖線で運行されている。システム改修に併せて、車内へのマップ式案内装置の設置やドアチャイムの変更などの更新工事も併せて実施された。

文湖線での運用に就くVAL256。

中山国中にて
復興北路に沿って台北の中心街を行くVAL256。

忠孝復興にて
動物園駅で折り返すVAL256、2007年頃に前面窓の上部に編成番号のステッカーが貼付された。
真横から見たVAL256。

動物園〜木柵にて
全面ラッピングが施された編成。
2両編成の中間の連結部分。連結器は半永久式。連結面側の前頭部も先頭側のものと共通部品を使用している。
編成同士の連結部。先頭車の先頭寄りは電気連結器を備えている。前頭部の前面窓及び側面には編成番号が表記されている。
VAL256の車内。扉間はクロスシート、車端部はロングシートとなっている。
扉の上には車内照明と一体型の路線図が設置されていた。現在は同位置にマップ式案内装置が追加設置されている。
無人運転のため先頭車からは前面展望を楽しむことが出来る。
普段は無人運転であるが、先頭部には緊急時用の手動運転台が隠されている。(台風の際の手動運転実施時に撮影)
車内にはLED式案内表示機が枕木方向に1両あたり4台設置されている。
MATRAの車内銘板(1991年製)。
GECアルストムの車内銘板(1991年製)。
木柵機廠で自動列車制御システムの改造工事を受ける。2009年7月4日より全車両が営業運転を一時離脱した。
自動列車制御システム更新完了後のVAL256。2010年12月26日より営業復帰した。
一部編成は前照灯・尾灯がLEDに変更されている。順次全編成に施工。
前照灯・尾灯LED化未改造車(参考)。
自動列車制御システム更新後の車内の様子。
車内更新時にドア上部に追加設置されたマップ式案内装置。
同じく追加設置されたドアランプ。
内湖線区間で離合する新旧車両。VAL256は内湖線開業から1年以上経ってから営業運転で乗り入れるようになった。

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遮音板が追加設置された高架軌道を行く。

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自動列車制御システムの改修に伴う1年以上の営業休止期間を経て運用に復帰したVAL256が、後輩の370型と離合する。

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文湖線VAL256走行音(中山国中→南京東路) 電機子チョッパ制御で、制御装置はGEC製。
Mc-Mc+Mc-Mc(4M0T)の4両編成。
自動列車制御システム・車内更新前に収録(現在は全車両更新済み)。
文湖線VAL256走行音(南京東路→中山国中)
文湖線VAL256走行音(東湖→内湖) 自動列車制御システム・車内更新後に収録。扉開閉時のドアチャイムが追加された。
制御装置は変更されていないが、加減速時の乗り心地が改良(370型に準拠)された。

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